2026/7/18
成田市内で働く就業者は9万3,463人で、市内に住む就業者6万4,769人の約1.44倍。昼間人口や通勤流動から、周辺自治体の雇用拠点としての成田市を分析する。
成田市は、東京へ通勤者を送り出す一般的な首都圏郊外都市とは異なる。市外から約2万9,000人を純流入させる、広域的な雇用中心都市である。
連載の目次
2020年国勢調査によると、成田市に住む15歳以上の就業者は6万4,769人だった。これに対し、成田市内を従業地とする就業者は9万3,463人に上った。
市内で働く人の数は、市内に住む就業者の約1.44倍である。差は2万8,694人になる。これは成田市が多くの職場を抱えていることを示す数字だ。
首都圏の郊外都市では、住民の多くが東京や県内の中心都市へ通勤し、昼間人口が夜間人口を下回ることが珍しくない。
成田市は逆である。
2020年の昼間人口は16万1,969人で、夜間人口の13万2,906人を大きく上回った。市外からの流入人口は5万3,157人、市外への流出人口は2万4,094人で、差し引き2万9,063人の流入超過となっている。昼夜間人口比率は約122%に達する。
もちろん、流入人口には通学者も含まれるため、就業者だけの差とは一致しない。それでも、昼間になると市内人口が約3万人増えるという構造は明確だ。
成田市は、東京のベッドタウンというより、富里市、佐倉市、香取市、印西市、千葉市などから働き手を集める地域雇用の中心地とみるべきである。
自治体の産業構造を分析するとき、住民がどの産業で働いているかだけを見る方法がある。しかし、成田市ではそれだけでは不十分だ。
例えば、成田市内に大規模な空港関連事業所があっても、そこで働く人の多くが市外に住んでいれば、「成田市民の就業者数」には表れない。一方、市内で生まれた雇用や生産活動としては、成田経済の重要な一部である。
したがって、少なくとも二つの数字を分ける必要がある。
一つは、成田市に住む人の職業・産業構成である。もう一つは、成田市内の事業所で働く人の産業構成だ。
前者は市民の雇用や所得を分析する数字であり、後者は市内産業の規模を分析する数字である。両者を混同すると、空港関連産業の規模を過小評価する可能性がある。
市外から多くの労働者を集めることは、成田市が広域的な雇用機能を持つことを意味する。
ただし、雇用が市内にあることと、そこで生まれた所得が市内で消費されることは同じではない。
市外から通勤する人の賃金は、居住地で住宅費や日常生活費に使われる可能性が高い。成田市内の店舗で昼食や買い物に使われる部分もあるが、所得のすべてが市内に残るわけではない。
逆に、成田市民が市外で働いて得た所得を市内で消費すれば、それは地域経済を支える。
成田市の地域経済を理解するには、職場の数だけでなく、賃金を受け取る人の居住地、消費地、企業の本社所在地まで追う必要がある。
成田市は、人口約13万人の都市でありながら、市内に9万人を超える就業者を抱える。
その産業構造を正しく把握するには、「成田市民が何の仕事をしているか」だけでなく、「成田市内の職場を誰が支えているか」を分析しなければならない。
そして、市外労働力への依存が最も鮮明に表れるのが、空港を中心とする運輸、物流、宿泊、事業サービスである。
次回は、成田空港の現場を支える労働力が、どの産業に、どれほど集まっているのかを検証する。
A.成田空港、物流施設、ホテル、商業施設、工場、行政機関などが集積し、周辺自治体から多数の通勤者を受け入れているためです。
A.いいえ。2020年には、市内就業者9万3,463人のうち、他市区町村に住む人が4万9,392人を占めました。
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シミズ ヒロキ/30歳/男
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