2026/7/18
成田市には従業者300人以上の食料品製造事業所が4カ所あり、全国13位タイ、千葉県内2位タイ。食品製造業の従業者の少なくとも82%が30人以上の事業所に集中する産業構造を分析する。
成田市の食料品製造業の特徴は、工場の総数が多いことではなく、300人以上を雇用する大規模事業所が集中していることにある。大規模事業所数は全国13位タイ、千葉県内2位タイに入る。
成田市の食料品製造業を全国の市区町村と比較すると、事業所の総数以上に、従業者300人以上の大規模事業所が多いことが分かる。
2020年工業統計調査によると、成田市には、従業者30~299人の食料品製造事業所が10カ所、300人以上の事業所が4カ所あった。対象は、従業者4人以上の食料品製造事業所である。
政令指定都市については行政区の数値を市全体に合算し、東京23区は各区を一つの自治体として扱った。同数の場合を同順位とする競争順位で集計すると、成田市の順位は次のようになる。
| 指標 | 成田市 | 全国順位 |
|---|---|---|
| 従業者30~299人の事業所 | 10事業所 | 153位タイ |
| 従業者300人以上の事業所 | 4事業所 | 13位タイ |
| 従業者30人以上の事業所合計 | 14事業所 | 107位タイ |
最も注目されるのは、従業者300人以上の食品製造事業所が4カ所あり、その数が全国13位タイに入ることである。
成田市の食料品製造業従業者数は全国55位だった。従業者数の順位と比べても、300人以上の事業所数の順位は大幅に高い。
この違いは、成田市の食品製造業の雇用が、比較的少数の大規模な工場へ集中していることを示している。
従業者300人以上の食料品製造事業所が最も多いのは、横浜市と神戸市の各13事業所だった。
札幌市が10事業所、新潟市と相模原市が各8事業所、広島市が7事業所で続く。
| 全国順位 | 自治体 | 300人以上の事業所数 |
| 1位 | 横浜市 | 13 |
| 1位 | 神戸市 | 13 |
| 3位 | 札幌市 | 10 |
| 4位 | 新潟市 | 8 |
| 4位 | 相模原市 | 8 |
| 6位 | 広島市 | 7 |
| 7位 | 川崎市 | 6 |
| 7位 | 船橋市 | 6 |
| 7位 | 高崎市 | 6 |
| 10位 | さいたま市 | 5 |
| 10位 | 伊丹市 | 5 |
| 10位 | 大和郡山市 | 5 |
| 13位 | 成田市ほか | 4 |
成田市と同じ4事業所の自治体には、泉佐野市、常総市、岡山市、熊本市、東大阪市、八千代市などがある。
全国上位には、横浜市、神戸市、札幌市など、人口規模の大きい政令指定都市が数多く並ぶ。そのなかで、人口約13万人の成田市が13位タイに入ることは、都市規模に比べて大規模な食品工場が多いことを意味する。
ただし、この順位は工場の生産額や付加価値額ではなく、従業者300人以上という条件を満たす事業所の数を比較したものである。順位だけで食品製造業の総合的な競争力を判断することはできない。
千葉県内で比較すると、成田市の大規模食品工場の集積はさらに明確になる。
| 指標 | 成田市 | 千葉県内順位 |
| 従業者30~299人の事業所 | 10事業所 | 6位タイ |
| 従業者300人以上の事業所 | 4事業所 | 2位タイ |
| 従業者30人以上の事業所合計 | 14事業所 | 5位 |
従業者300人以上の食料品製造事業所は、船橋市が6カ所で県内最多だった。成田市と八千代市が各4カ所で続く。
| 県内順位 | 自治体 | 300人以上の事業所数 |
| 1位 | 船橋市 | 6 |
| 2位 | 成田市 | 4 |
| 2位 | 八千代市 | 4 |
| 4位 | 習志野市 | 3 |
| 4位 | 野田市 | 3 |
| 6位 | 松戸市 | 2 |
| 6位 | 柏市 | 2 |
成田市は、従業者300人以上の食品製造事業所数で、船橋市に次ぐ千葉県内2位タイとなる。
一方、従業者30人以上の事業所を合計すると、成田市は14事業所で県内5位だった。
| 県内順位 | 自治体 | 30人以上の事業所数 |
| 1位 | 千葉市 | 46 |
| 2位 | 船橋市 | 31 |
| 3位 | 銚子市 | 28 |
| 4位 | 野田市 | 16 |
| 5位 | 成田市 | 14 |
| 6位 | 八千代市 | 12 |
| 6位 | 柏市 | 12 |
| 8位 | 旭市 | 11 |
| 8位 | 松戸市 | 11 |
千葉市や銚子市は、30人以上の事業所全体では成田市を上回る。しかし、300人以上に限ると、成田市の順位が大きく上昇する。
この結果からも、成田市は中規模工場が幅広く集積する地域というより、特に大規模な食品工場の立地が目立つ地域であることが分かる。
成田市の食料品製造業には、従業者4人以上の事業所が35カ所あり、合計3,422人が働いていた。
事業所を従業者規模別に分けると、次のようになる。
| 従業者規模 | 事業所数 | 総事業所数に占める割合 |
| 4~29人 | 21 | 60.0% |
| 30~299人 | 10 | 28.6% |
| 300人以上 | 4 | 11.4% |
| 合計 | 35 | 100% |
事業所数だけを見ると、4~29人の事業所が全体の6割を占める。一方、雇用者数では、30人以上の事業所が圧倒的に大きな比重を占めていると考えられる。
300人以上の4事業所だけでも、最低で1,200人を雇用している。これは、食料品製造業従業者3,422人の少なくとも約35%に相当する。
実際には、各事業所が300人を超えて雇用している可能性があるため、大規模4事業所の実際の雇用比率は35%より高い。
4~29人の21事業所で働くことのできる人数は、各事業所が上限の29人を雇用していると仮定しても、最大609人である。
したがって、30人以上の14事業所で働く人数は、少なくとも次のように計算できる。
3,422人-609人=2,813人
2,813人は、成田市の食料品製造業従業者全体の約82%に当たる。
つまり、従業者4人以上の食料品製造事業所35カ所のうち、30人以上の事業所は14カ所、全体の4割にすぎない。しかし、その14事業所が、従業者の少なくとも8割を雇用していることになる。
この計算は、事業所別の正確な従業者数が公表されていないなかで、規模区分の上限と下限を使って求めた最低値である。
それでも、成田市の食品製造雇用が、中規模以上の工場へ強く集中していることは明らかである。
成田市の食料品製造業の特徴を考えるうえでは、工場数と工場規模を区別する必要がある。
従業者30~299人の事業所数は全国153位タイであるのに対し、300人以上の事業所数は全国13位タイだった。
| 指標 | 全国順位 |
| 食料品製造業従業者数 | 55位 |
| 従業者30~299人の事業所数 | 153位タイ |
| 従業者300人以上の事業所数 | 13位タイ |
中規模事業所の数が特に多いわけではない一方、大規模事業所の数は全国でも上位に入る。
したがって、成田市を、食品関連の小規模工場や中規模工場が大量に集積した地域と評価するのは適切ではない。
より正確には、次のように位置づけるべきである。
成田市は、少数の中規模・大規模食品工場が、地域の食品製造雇用の大部分を担う「大規模事業所集中型」の食品製造地域である。
成田市の食品製造業の強さは、工場の総数よりも、数百人規模の雇用を抱える工場が複数立地している点にある。
大規模な食品工場が多いことは、成田市が全国的にも重要な食品製造拠点の一つである可能性を示す。
しかし、事業所規模だけでは、工場が地域経済へどのように貢献しているかまでは判断できない。
確認すべきなのは、各工場が生み出す製造品出荷額や付加価値額だけではない。正規・非正規の雇用構成、賃金水準、従業者の居住地、原材料の調達先、製品の販売先、本社所在地なども重要になる。
特に成田市には、年間200億円を超える農業産出額を持つ農業部門が存在する。
市内の食品工場が、成田市や周辺地域で生産されたサツマイモ、野菜、米、豚肉、鶏肉などを仕入れているのであれば、農業と食品製造業の間に地域内取引が形成される。
一方、原材料の大部分を海外や市外から調達し、製品も市外へ出荷している場合、工場の雇用規模が大きくても、市内農業との結び付きは限定的である可能性がある。
成田市には、従業者300人以上の食料品製造事業所が4カ所ある。その数は全国13位タイ、千葉県内2位タイに位置する。
人口約13万人の都市が、政令指定都市を含む全国比較で上位に入ることは、都市規模に比べて大規模食品工場の集積が厚いことを示している。
また、食料品製造業の全35事業所のうち、30人以上の事業所は14カ所にすぎないが、従業者の少なくとも約82%が、この14事業所で働いていると推定できる。
成田市の食品製造業の特徴は、工場数の多さではない。
少数の大規模な食品工場が、地域の食品製造雇用の大部分を支えていることにある。
A.2020年工業統計調査では4事業所です。政令指定都市の行政区を市単位に合算した全国比較では13位タイ、千葉県内では2位タイとなります。
A.従業者4人以上の35事業所に、合計3,422人が働いていました。
A.集中しています。従業者の少なくとも約82%が、従業者30人以上の14事業所で働いていると推定できます。
A.最低でも1,200人です。食料品製造業従業者全体の少なくとも約35%に当たります。実際の人数は1,200人を上回ります。
A.必ずしもそうとは限りません。市内農産物を原料として使用しているかどうかは、各企業の仕入れ先や製造品目を調べなければ判断できません。
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シミズ ヒロキ/30歳/男
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