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保険会社が一等地に巨大ビルを建てられる理由

2026/4/17

東京の丸の内、大手町、新宿——一等地に巨大なビルを構える保険会社。

なぜ保険会社は、あれほど豪華なビルを建てられるのか。

今日は、保険業界に関わった経験を持つ私が——正直に話します。少し耳が痛い話かもしれません。でも、知っておいて損はない話です。

 

答えはシンプル

なぜ保険会社が一等地に巨大ビルを建てられるのか——答えはシンプルです。

あなたが払った保険料で建てているからです。

保険会社のビジネスモデルは、こうなっています。

保険料収入——保険金支払い——運営コスト=利益

保険会社は、集めた保険料の一部を保険金として支払います。でも——全員が同時に保険金を請求するわけではありません。

多くの人が保険料を払い続け、実際に保険金を受け取る人は少数——この「数の論理」で、保険会社は莫大な利益を上げています。

その利益で——一等地の巨大ビルを建て、高額な広告を打ち、優秀な営業マンに高い給料を払っている。

保険会社は、もはや「保険会社」ではなく「資産運用会社」です。

 

月2万円の保険料、30年払い続けると

多くの人が、民間保険に月2万円以上払っています。

これを30年払い続けると——。

2万円 × 12ヶ月 × 30年 = 720万円

720万円が、保険料として消えていきます。

でも——実際に保険金を受け取る人は、どれだけいるでしょうか。

「入院したことがない」「大きな病気をしたことがない」——多くの人が、払い続けた720万円に見合う保険金を受け取れないまま、保険期間が終わります。

 

日本の公的保険は、実は優秀

ここが重要なポイントです。

「民間保険がないと不安」——この感覚は、日本の公的保険の充実度を知らないから生まれます。

日本の公的保険は、世界でもトップクラスの充実度です。

高額療養費制度
どんなに高額な医療費がかかっても——月の自己負担額に上限があります。

年収約370〜770万円の場合、月の上限は約8〜9万円——どんな大病をしても、月9万円以上は払わなくていい。

「がんになったら医療費が何百万もかかる」——このイメージは、高額療養費制度を知らないから生まれる不安です。

傷病手当金
会社員が病気で働けなくなった場合——最長1年6ヶ月、給与の約3分の2が支給されます。

「入院したら収入がゼロになる」——会社員ならそんな心配はほとんどありません。

 

保険会社が「不安」を売っている

保険のセールストークを思い出してください。

「もし癌になったら」「もし死んだら」「もし入院したら」——保険会社は「不安」を売っています。

人間は「損をしたくない」という感情が強い生き物です。「もしものとき」に備えたい——この心理を巧みに利用したのが、保険のビジネスモデルです。

テレビCM、電車の広告、街頭ポスター——莫大な広告費をかけて「不安」を煽り、保険に入らせる。その広告費も——あなたの保険料から出ています。

 

本当に必要な保険、不要な保険

では——保険は全部不要なのか。そうは言いません。

正直に整理します。

必要な保険

掛け捨て生命保険——子どもが小さい間、自分が死んだときの家族の生活保障として、掛け捨ての生命保険は合理的です。月数千円で、数千万円の保障が得られる——コスパが高い。

自動車保険(対人・対物)——これは必須です。事故で相手に億単位の損害を与えた場合、自分では払えません。

不要な可能性が高い保険

貯蓄型保険——「保険で貯蓄もできる」という商品。でも手数料が高く、同じお金を投資信託で運用した方が、ほぼ確実に増えます。

医療保険——高額療養費制度がある日本では、医療保険の必要性は低い。特に会社員は傷病手当金もある。

がん保険——高額療養費制度で、がんの治療費も上限があります。貯蓄がある人には、不要な場合が多い。

子どもの学資保険——返戻率が低く、NISAで運用した方が有利なケースがほとんど。

 

その2万円を投資に回したら

月2万円の保険料を、投資に回したらどうなるか。

月2万円を年利5%で30年運用すると——約1,660万円

保険料として消える720万円と、投資で増える1,660万円——その差は約940万円です。

「保険で安心を買う」か「投資で資産を増やす」か——どちらが賢いか、数字が教えてくれます。

もちろん投資にはリスクがあります。でも——長期・分散・積立という基本を守れば、30年間で資産が増える可能性は極めて高い。

 

保険を見直す3つのステップ

今すぐできる保険の見直し——3つのステップです。

①自分が加入している保険を全部書き出す
何に入っているか、把握していない人が意外と多い。まず現状を把握することが第一歩。

②高額療養費制度と傷病手当金を理解する
公的保険でカバーできる範囲を正確に知ることで——民間保険の「本当に必要な部分」が見えてきます。

③不要な保険を解約して、NISAに回す
解約返戻金がある保険は、解約してNISAに回す。掛け捨て保険は継続しながら、浮いたお金を投資に回す——これだけで、老後の資産形成が大きく変わります。

 

おわりに

保険会社が一等地に巨大ビルを建てられる理由——それはあなたの保険料が積み上がっているからです。

保険は全て悪だとは言いません。でも——「なんとなく不安だから」という理由で、月2万円以上を払い続けることは——合理的な判断ではありません。

公的保険の充実度を正しく理解して。本当に必要な保険だけに絞って。浮いたお金を投資に回す——この3つを実践するだけで、人生の資産形成は根本から変わります。

保険会社の巨大ビルを支えるのをやめて——自分の資産を積み上げましょう。

 

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おおさわ あつし

おおさわ あつし

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肩書 一般社団法人日本外国人材振興機構 代表理事/JFRアカデミー(ネパール)校長
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