2026/8/11
■ 「デジタル行政推進法」は、行政手続きやサービスを、デジタルで完結させる「デジタルファースト」を原則としています。
一方で、国や地方自治体には、高齢者や障害者など情報通信技術の利用に困難を抱える人との格差を是正する義務もあります。
現実に地方自治体が実施しているのは、スマートフォン購入費用の助成や、使い方講習会など、デジタル機器の導入や利用に一定の意欲を示す人を対象とした施策にとどまっています。
そして、一定のデジタルについての知識や能力のあまり無い人たちと格差を是正できる実効性のある施策は、ほとんど実施されていないのではないでしょうか。
また、民間事業者についても、「障害者差別解消法」により、障害の状況などに応じた「合理的配慮」が求められていが、デジタル機器の利用に障壁がある人への合理的配慮は、まだ十分に実施されているとはいえないのでないでしょうか。
法律上は格差の是正や合理的配慮が求められていますが、現実の対応が追いついておらず、高齢者や障がい者だけではなく、デジタルが苦手な多くの人が、デジタル化の波から取り残されている状況にあると言えるのではないでしょうか。

■技術としてはデジタル化社会はこれからも進化し続けるでしょう。しかし、技術はあるのだから、それを使えばいいという発想は、強者の論理でなのではないでしょうか。使えない者は自己責任である。そうした者は、社会の発展にとって、ブレーキとなる存在であると、無意識においては思っているのではないでしょうか。こうした意識は、神奈川県相模原市の「やまゆり園」入所者殺害犯人の心理に、通底しているのではないでしょうか。
すべての人にデジタルが強制されるのでない、アナログも大事にされる社会は、単なる技術の併用ということではなく、誰かがこぼれ落ち、放置されることない社会を確保・実現することでもあると思うのです。
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