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【井坂ともやの是々非々⑦】茨城新聞「過疎地の出産祝い倍増」について解説!

2026/5/13

こんにちは。井坂ともやです。

今回は、昨日(5/12(火))の茨城新聞朝刊の1面に掲載された「過疎地の出産祝い倍増 県、市町制度に上乗せ」について考えたいと思います。

常陸太田の状況、今後の予想なども独自の視点でお伝えしていきます。

どんな制度?(制度の概要)

今回の制度は、2026年度から始まるもので、過疎地域に指定されている自治体が支給する出産祝い金に対して、県が同額を上乗せ補助する事業です。

例えば、市町村が10万円支給する場合、県も同額の10万円補助、市民は合わせて実質20万円の支給が受けられるという形です。

対象は、県内で全域や一部が「過疎地域」に指定されている11市町となっています。

常陸太田市は対象じゃない?

記事を読んで、真っ先に「なぜ常陸太田市が含まれていないのか?」と疑問に思いました。

過疎地域じゃないわけはないだろうし、出産祝い金もあるのではないか。

そこで改めて調べてみると、この県の補助制度を活用するには、「過疎地域であり、尚且つ『自治体独自の出産祝い金事業』を行うこと」が条件であるとわかりました。

条件①:過疎地域

まず、条件の一つ目の「過疎地域」ですが、現在茨城県では、11の市町が全域または一部が過疎地域として指定されています。

常陸太田市の場合、旧里美村と旧水府村が過疎地域として指定されているため、この条件はクリアしています。

その他、大子町などが全域過疎、常陸大宮市が一部過疎として指定されています。
(過疎に指定されているのが一部地域であっても、補助の対象は自治体全域になります。)

条件②:自治体独自の出産祝い金事業

次に、自治体独自の出産祝い金事業について、常陸太田市の場合、これがありません。

「妊娠時と出産時に計10万円分のじょうづるさんPayがもらえる」という事業はありますが、これは国の「出産・子育て応援交付金」を活用したもので、全国どこの自治体でも行われているものです。

つまり、常陸太田市が独自に給付しているわけではないため、今回の県補助の枠組みからは外れてしまう、というカラクリです。

以上のことから、常陸太田市は過疎地域の条件は満たしているものの、県補助の対象となる独自の出産祝い金事業を実施していないため、今回の記事には掲載されていなかったことがわかりました。

では次に「なぜ、常陸太田市では独自の出産祝い金がないのか」について考えたいと思います。

なぜ、常陸太田市では独自の出産祝い金がないの?

理由を考えるにあたり、過去にそうした議論や提案がなかったか調べてみましたが、過去4年間の市議会一般質問では見つかりませんでした。

さらに過去にないのか調べたところ、平成18年6月の一般質問で取り上げられていましたが、「出産祝い金等の創設につきましては当面考えてございません」との答弁がありました。

ここからは、私の推測になりますが、独自の出産祝い金がない理由としては以下が考えられます。

・費用対効果の問題
・他の施策とのバランス、優先順位

費用対効果

他の自治体や海外の事例を見ても、出産時に数万円程度の祝い金を支給することは、子育て世帯の家計支援として一定の意味はあると思います。

しかし、それだけで直接的に出生数の増加につながるかについては、慎重な見方もあります。

実際、ある調査では「理想の支援額は80万円程度」との試算もあり、求められているのは一時的な補助というより、将来にわたる経済的不安や子育て不安の解消ではないかとも感じます。

他の施策とのバランス、優先順位

また、常陸太田市では、これまでも少子化対策として、

新婚世帯への家賃助成
マイホーム取得助成
保育料
子どもの医療費助成

など、様々な施策が行われてきました。

そのため、市としては単発の現金給付よりも、継続的な負担軽減策を優先してきた可能性もあります。

今後の動きの予想

とはいえ、今回の県の補助制度をきっかけに、今後常陸太田市でも独自の出産祝い金導入について議論が進む可能性はあると思います。

例えば、仮に1人あたり「市3万円」の独自祝い金を新設した場合、県の補助3万円と合わせて「合計6万円」の支給となります。

年間出生数を約130人と仮定すると、市の純粋な負担額は年間390万円程度。

これは、市の一般会計予算(約319億円)の規模から考えれば、決して議論の遡上に載せられない金額ではありません。

ただ、少子化対策として導入するのであれば、「他自治体がやっているから」「県の補助が使えるから」という理由だけではなく、

・何を目的とするのか
・どのような効果を期待するのか
・他施策との優先順位をどう考えるのか

まで含めて、議論していくことが重要ではないかと思います。

最後に

私は、出生数の改善を目的とした「出産祝い金」のような現金給付については、やや慎重な立場です。

もちろん、出産直後の家庭にとって経済的支援は大きな助けになりますし、「子育てを応援したい」という自治体のメッセージとして意味があることも理解できます。

一方で、少額の一時的な給付だけで、「子どもを産もう」と決断できるほど、今の若い世代を取り巻く環境は簡単ではないとも感じています。

住宅費や教育費、将来への不安、人間関係や働き方など、結婚や子育てをためらう理由は複雑だからです。

だからこそ私は、単発の給付だけではなく、

・安定した仕事や柔軟な働き方があり「結婚したい」と思えること
・教育や医療への不安が少なく「子どもを育てたい」と思えること
・働く場所や暮らしの安心があり「このまちで暮らしたい」と思えること

と思える社会そのものをどう作っていくかが、より重要なのではないかと思っています。

皆さんは、今回の制度についてどう思いますか?

出産祝い金の拡充は必要だと思うか、また少子化対策として何が重要だと思うか、ぜひご意見を聞かせてください。

📩: isaka.hitachiota@gmail.com
お問い合わせフォーム:https://forms.gle/NrxfN7jTu8tjkKJ4A

最後までお読みいただきありがとうございました。

井坂ともや

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肩書 日本語教師 情報発信者 元市職員
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