2026/4/21
こんにちは、井坂ともやです。
今回は、令和8年3月に行われた常陸太田市議会の一般質問から、宇野隆子議員の質問内容と、市の答弁をピックアップしてご紹介します。
宇野議員は毎回質問を行っています。直近3回の質問は以下からお読みいただけます。
【R7.6 常陸太田市議会一般質問⑤】藤田市長の市政運営方針、原発再稼働への賛否、農業支援を解説!
【R7.9 常陸太田市議会一般質問⑧】原発再稼働問題、自衛隊への名簿提供などを解説!
【R7.12 常陸太田市議会一般質問④】東海第二原発、高齢者の公共交通、給食費無償化などを解説!
宇野議員は今回、「東海第二原発」「国民健康保険税」「がん検診」「新総合体育館」「学校でのタブレット使用」の5つについて質問しました。
1.東海第二原発の再稼働問題について
①首長懇談会と視察の所見
②中部電力が浜岡原発(静岡県)の安全審査で不正なデータを故意に使用した問題)
2.国民健康保険税の負担軽減について
①18 歳までの子どもの均等割の10 割軽減
3.がん検診の無料化について
①子宮がん・乳がん検診の 65 歳以上の無料化
4.新総合体育館について
①市民が誰でも気軽に利用できること
②施設使用料
5.学校におけるタブレット使用について
①タブレット使用の現状
②児童生徒の健康への配慮
毎回質問されている「原発の再稼働問題」をはじめとし、12月の議会でも取り上げられた「国民健康保険税の負担軽減」を含め、幅広いテーマで議論がありました。
宇野議員は、
・福島第一原発事故から15年近く経っても、事故は完全には収束していないこと
・国が原発の再稼働や新設を進めていることに対し、疑問の声が上がっていること
・他の原発では安全審査に使うデータの不正が発覚していること
などを厳しく指摘。
「本当に安全なのか」「信頼できるのか」という不安がある中で、東海第二原発の再稼働について、市としてどう考えるのか問いました。
市長は、まず2月に原子力関連の会議や現地視察に初めて参加し、設備の状況などを確認したと説明しました。
また、他の原発で発覚した不正データの問題については、「安全の根幹に関わる重大な問題」と認識していると述べています。
一方で、再稼働については、
・事業者による説明
・市民や県民の意見
・関係自治体との協議
これらを踏まえて、最終的に判断していくという考えが改めて示されました。
議員は、原発はまだ技術的に未熟であり、事故のリスクがある以上、「まちづくりと共存できない」と指摘しました。
そのうえで、市民の命と財産を守る立場から、東海第二原発の再稼働に反対する姿勢を示すべきだと強く求めました。
毎回の議会で東海第二原発に関する質問が出されていますが、市長の答弁は、「事業者による説明」「市民や県民の意見」「関係自治体との協議」を踏まえ、総合的に判断すると一貫しています。
一方で、国や県の動きを見ると、この一般質問の後、原子力発電施設の立地地域に対する財政支援の対象が半径30キロ圏に拡大され、常陸太田市は全域が対象となりました。
これにより、2027年度から防災インフラ整備などへの支援措置が適用され、国の補助率の引き上げや地方債の特例措置により、地方負担は最小で13.5%まで軽減されるとされています。
こうした動きを見ると、東海第二原発の再稼働に向けた環境整備が進んでいるように感じられます。
しかし、大前提として、市民の命と安全が最優先です。安全性の確保と、万が一の際の避難計画の実効性が十分に担保されることが不可欠ではないでしょうか。この点が担保されない限り、議論にはならないと考えています。
その上で、電力需要やエネルギーの現実を考えると、再稼働という議論自体は避けて通れないテーマでもあります。
だからこそ、感情ではなく、条件や根拠を明確にした上で判断していく必要があるのだと思います。
国民健康保険税は、所得に関係なく「人数分」かかる仕組みがあり、子どもが多い家庭ほど負担が重くなります。
議員からは、これは子育て支援の流れに逆行しているのではないか、という問題提起がありました。
市は、18歳までの子どもの均等割をすべて減免した場合、
・約520人が対象
・年間で約2,500万円程度の財源が必要
と説明しました。
また、未就学児に限れば約750万円程度とのことです。
対応については、
・市の財政状況
・医療費の増加
・国の制度の動き
などを踏まえ、今年度の決算を見て検討するとしています。
議員は、「他の自治体(土浦市、笠間市、日立市)ではすでに実施している」「金額的にも今すぐできる規模ではないか」と指摘しました。
そして、検討ではなく、すぐに実施すべきだとして、早期の決断を求めました。
国民健康保険税の子どもの均等割軽減については、子育て世帯の負担軽減につながる取り組みであり、その必要性はわかる一方、現在でも医療費については18歳まで窓口負担の軽減が行われており、すでに一定の支援がなされているのも事実です。
その上で、国民健康保険の構造を考えると、加入者の中に高齢者の割合が多く、医療費が増加傾向にある中で、さらに保険税の減免を行うことについては、慎重な判断になるのも理解できます。
仮に減免を拡大した場合、その財源をどのように確保するのかが課題となり、将来的には高齢者を含めた保険税率の引き上げにつながる可能性もあります。
そうした負担増について、制度全体として理解が得られるのであれば一つの選択肢ではあると思いますが、現実的にはハードルが高いのではないかと考えます。
まずは本当に支援が必要な層への重点化や、段階的な導入なども含めて検討が必要です。
乳がんは早期発見で治る可能性が高いと言われていますが、現在は検診に1,000円の自己負担があります。
一部のがん検診では65歳以上が無料になっている中で、乳がん・子宮がんも同様に無料化できないかという提案がありました。
市は、すでに、肺がん、胃がん、大腸がんについては、65歳以上の検診を無料化していると説明。
一方で、乳がんや子宮がんは、比較的若い世代で発症が多いため、
・若い世代への受診促進
・無料クーポンの配布
・新しい検診メニューの追加
・託児サービスの導入
など、受診しやすい環境づくりを優先していくとしています。
議員は、若い世代への対策が重要であることは認めつつも、まずは65歳以上の自己負担(1,000円)を無料にできないかと、段階的な無料化を改めて求めました。
がん検診については、現在も自己負担1,000円で受診できる体制が整っており、一定程度利用しやすい制度になっています。
その上で、限られた財源の中でより効果的に施策を進めていくためには、すべてを一律に無料化するのではなく、発症リスクの高い年代や受診率の低い層に対して重点的に取り組む、いわゆる「選択と集中」の視点が重要です。
受診率の向上や早期発見につながる取り組みに資源を優先的に配分していくことが、結果として市民全体の健康を守ることにつながるのだと考えます。
新しい体育館の整備について、市民からは「楽しみ」という声がある一方で、「利用料金が高くなるのでは」という不安も出ていると指摘。
料金が上がることで、利用しづらくなり、結果的にスポーツをする人が減るのではないかという懸念が示されました。
市は、新体育館について「年齢や障害の有無に関係なく使える施設」「バリアフリーなどに配慮した設計」を進めていると説明しました。
一方で、料金については「安さだけ」ではなく、サービスや満足度とのバランスを考える必要があるとし、近隣施設の状況なども踏まえて、総合的に検討中としています。
議員は、スポーツは健康づくりに不可欠であり、利用できる人が増えることが重要としたうえで、「誰でも無理なく使える料金設定にしてほしい」と強く要望しました。
新総合体育館については、私自身、期待もある一方で、維持管理費が高額になるのではないかという懸念を持っています。その結果として、施設利用料が高くなり、市民にとって使いづらい施設になってしまわないかという心配は十分に理解できます。
今回の答弁では具体的な金額は示されませんでしたが、参考として、日立市の池の川さくらアリーナでは、バスケットボール・バレーボールが2時間2,100円、卓球・バドミントンが2時間530円といった利用料金になっています。
こうした他市の事例も踏まえながら、できるだけ市民が利用しやすい料金設定にしていくことが重要です。
そのためには、利用料だけに頼るのではなく、ネーミングライツの導入や大会・試合の開催、スポーツチームのグッズ販売などによる収益確保に積極的に取り組み、維持管理費を賄っていく努力が必要ではないかと考えます。
学校では1人1台のタブレットが導入され、日常的にデジタル機器を使う環境になっていますが、その一方で、
・集中力の低下
・視力への影響
・長時間使用
など、子どもへの影響を心配する声もあります。
海外ではデジタル教育を見直す動きもある中で、どのように活用していくのかが問われました。
市は現在、
・すべての学校で週3回以上使用
・約7割の学校でほぼ毎日使用
と説明しました。
活用方法としては、
・発表の振り返り
・グラフの操作
・共同作業
など、学習効果を高めるために使っています。
健康面については、「画面との距離」「姿勢」「長時間使用の制限」などに配慮しながら運用しているとしています。
議員は、タブレット活用自体は否定せず、「文科省のガイドライン」「海外の事例」なども踏まえながら、先生全体で共通認識を持って適切に活用してほしいと要望しました。
学校でのタブレット活用については、国の方針として、デジタル教科書を正式な教科書として位置づけるための制度改正が進められており、2030年度の導入が目標とされています。
一方で、議員の指摘にもあった通り、海外ではデジタル化を進めた結果を踏まえ、見直しの動きが出ている国もあります。
私の考えはシンプルで、「全部デジタルにする必要はない」という立場です。
効果がある場面では積極的に使うべきですが、そうでない場面では無理に使う必要はないと思っています。
例えば、発言が難しい児童がテキストで回答したり、クイズ形式の問題で正誤がすぐに分かり、つまずきやすい部分を全体で共有できたりといった点は、デジタルならではの利点です。
ただし、どの教科のどの分野で効果があるのか十分な検証がなされないまま、一斉にデジタルへ移行することはあってはならないと考えています。
今後数年間で現場での活用状況や効果をしっかりと見極めたうえで、デジタル教科書の導入については慎重に判断していくべきだと考えます。
今回の宇野議員の質問と市の答弁について注目のポイントをまとめてみました。
分かりやすいように表現をかみ砕いた形にしています。
また、すべてのポイントを整理しているわけではありませんので、ご了承ください。
実際の発言内容、答弁内容は議会中継のアーカイブなどをご確認ください。

宇野議員の一般質問を通して、負担軽減や無料化といった要望がある一方で、財源をどう確保するのか、他自治体の事例をどう活かすのかといった、現実的な視点での議論の重要性を感じました。
気になることやご意見がありましたら、以下からお寄せいただければと思います。
お問い合わせフォーム:https://forms.gle/NrxfN7jTu8tjkKJ4A
最後までお読みいただきありがとうございました。
後日YouTubeチャンネルでも同様の内容を動画でご紹介予定です。
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