2025/12/25
こんにちは、井坂ともやです。
今回は、令和7年12月に行われた常陸太田市議会の一般質問から、宇野隆子議員の質問内容と、市の答弁をピックアップしてご紹介します。
宇野議員は毎回質問を行っています。直近2回の質問は以下からお読みいただけます。
【R7.6 常陸太田市議会一般質問⑤】藤田市長の市政運営方針、原発再稼働への賛否、農業支援を解説!
【R7.9 常陸太田市議会一般質問⑧】原発再稼働問題、自衛隊への名簿提供などを解説!
宇野議員は以下大きく5つのテーマについて質問を行いました。
1.東海第二原発の再稼働問題について
┗ (1) 2025 年度原子力災害広域避難訓練の実施(所見、参加者からの意見、安全な広域避難)
┗ (2) 再稼働問題(事故を起こさないための対策)
2.高齢者の公共交通の充実について
┗ (1) 予約型乗り合いタクシーの利用料金を 75 歳以上は無料にすること
┗ (2) 路線バスの無料パスの発行
3.小・中学校給食費の無償化について
┗ (1) 新年度実施に向けた小・中学校給食費無償化
4.給付型奨学金制度について
┗ (1) 給付型奨学金制度の創設
5.国民健康保険税の負担軽減について
┗ (1) 2026 年度の国保税
┗ (2) 基金の活用・一般会計からの繰り入れを用いた負担軽減
┗ (3) 未就学児の均等割の 10 割軽減
今年10月に実施された原子力災害広域避難訓練について、所見や参加者の意見、そして今後の対応について質問がありました。
市民からは「原子力災害における避難の流れがよく理解できた」との意見があり、原子力災害に関する知識を得る有意義な機会となっていると評価しています。
参加者から寄せられた意見・感想は、とりまとめができ次第、訓練の評価・検証結果とあわせて市議会に報告する予定となっています。(事業者への委託期間が1月30日までなので、その前後になる見込み。)
宇野議員は「複合災害や大量の車両移動での混乱、自力で避難 できない市民が取り残されること等、全市民が安全に広域避難することは困難だ」と思うとして、市の考えを問いました。
市からは
・原子力災害への対応は、市だけでなく、国・茨城県・避難先自治体なども含めて課題解決に努める必要があると認識。
・関係機関や自主防災会などと連携し、原子力災害への対応力の向上に努める。
と答弁がありました。
最後に市長から、事故を起こさないためには「原子力事業者が事故を起こさないという強い意思のもと、安全確保や対策に全力を尽くす義務がある」と認識していると答弁がありました。
市として「再稼働反対・廃炉を求める立場」を表明してほしい。
昨年のアンケート結果を見ると、防災無線や屋内退避の動画、避難所での受付などが「分かった」と答えた人は8割超でした。
一方で、「実際に迅速な避難ができると思うか」という問いでは、「できると思う」と答えた人は54%にとどまっています。
・普段から準備をしていない
・訓練や経験が不足していて自信がない
こうした理由から、4割以上が不安を感じていることは重く受け止める必要があります。
避難の枠組みは整いつつありますが、実際に大勢の市民を計画通り避難させることは簡単ではありません。だからこそ、訓練への参加促進や、日常的な周知・啓発を続けていくことが重要だと考えます。
宇野議員からは、乗り合いタクシーを75歳以上無料にできないか、路線バスの高齢者向け無料パスを発行できないかという提案がありました。
市は「無料化は考えていない」としました。
理由としては、
①サービス拡充による運行コストの増加
②料金改定の際に、苦情がなく円滑に移行できたこと
③市内運送事業者への影響が考えられること
を挙げていました。
こちらも市は「考えていない」としました。
高齢者はバス停までの移動が難しいため、乗合タクシーの充実が有効と考えると説明がありました。
75歳を過ぎたら「安心して外出できる」ように、再検討してほしい。
今回、市が示した方針は、現実的で理にかなった判断だと感じました。
高齢者の移動手段として、バスよりも乗り合いタクシーを重視する考え方には一定の合理性があります。
新しい制度を次々と増やすよりも、うまく機能している仕組みに集中し、改善を重ねることが、効率的で無駄の少ない行政サービスにつながると考えます。
給食費無償化は、藤田市長が選挙公約として掲げていた政策です。
宇野議員からは、新年度実施の見通しについて質問がありました。
市長からは、令和8年度からの実施に向けて、必要な調整を進めているとの回答がありました。
※答弁後の12月18日には、国で小学校給食費を月5,200円まで公費負担する方針が示されています。
給食費無償化は、子育て世帯の負担軽減につながる政策として賛成です。
一方で、市長答弁にあった「必要な調整」の中身を具体的に見ることが重要だと感じています。
常陸太田市の給食費はもともと、小学校:月5,340円、中学校:月6,380円となっています。
これに対し、市は現在、2分の1減免と食材費の値上がり分を負担している状況です。
この状況で無償化を進める場合、
・国の基準額を超える分をどう扱うのか
・小学校と中学校を同時に実施するのか
などといった制度面の整理が必要になるかと思います。
歓迎される政策だからこそ、後から無理が出ない形で進めていくことが望まれます。
現在の貸与型奨学金制度に加えて、「返さなくていい」給付型奨学金制度の創設が提案されました。
市からは、まずは現行の貸与型奨学金制度をしっかり実施するとし、経済的事情のある方には貸与型で対応し、返還が困難な場合は猶予制度で運用していると説明がありました。
現行制度で、本当に支援が必要な若者にきちんと支援が届いているのであれば、大きな問題はないと思います。
ただし、制度を知らずに進学を諦めてしまう若者や、制度から漏れている人がいないかは、常に確認する必要があります。
若者の実態を丁寧に見ながら、必要があれば給付型奨学金も含めて柔軟に検討していく姿勢が大切だと考えます。
最後に、国民健康保険税について、市独自の負担軽減策ができないか質問がありました。
まず、来年度の国民健康保険税の税率について確認がありました。
市からは、税率改正を行う予定はなく、保険税率は今年度と同じであるものの、国の子ども・子育て支援金制度の創設により、その分新たな負担をお願いすることになると答弁がありました。
続いて、国保の支払準備基金の切り崩しや一般会計からの繰り入れで負担を軽減できないか質問がありました。
市は、どちらも行わない考えを示し、理由としては、基金は将来の急激な負担増を避けるため、繰り入れは国・県の方針に反するためなどを挙げました。
最後に子育て世帯への負担軽減のため、未就学児分の負担を0にできないか、提案がありました。
市は、保険税による財源の確保が前提となるため、収支等の精査を行うとともに、国の動向を注視しながら、検討としました。
なお、未就学児の10割軽減に必要な予算は約1,000万円と試算されています。
国を待つだけでなく、基金の活用や一般会計からの繰り入れを行い、市独自の負担軽減策を講じるべき。
国保の負担軽減は、子育て世帯への支援という点で意義があります。
一方で、基金の切り崩しや一般会計からの繰り入れは、短期的な解決にとどまり、将来の持続性には慎重であるべきだと考えます。
また、「他の自治体ではできている」という指摘については、財源や将来リスクをどう説明しているのかまで示されると、より建設的な議論になるのではないかと感じました。
今回の宇野議員の質問と市の答弁について注目のポイントをまとめてみました。
分かりやすいように表現をかみ砕いた形にしています。
また、すべてのポイントを整理しているわけではありません。
実際の発言内容、答弁内容は議会中継のアーカイブなどをご確認ください。

宇野議員の一般質問を通して、市民サービスの充実と持続可能性のバランス、国の動向に合わせた市の調整の難しさなど改めて考える機会となりました。
気になることやご意見がありましたら、メールにてお寄せいただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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