2025/11/7
こんにちは、井坂ともやです。
今回は、令和7年9月に行われた常陸太田市議会の一般質問から、宇野隆子議員の質問内容と、市の答弁をピックアップしてご紹介します。
宇野議員の前回の質問はこちらから。
宇野議員は以下大きく4つのテーマについて質問を行いました。
1.東海第二原発の再稼働問題について
┗ (1) 原子力災害広域避難計画(情報提供手段、屋内退避、第二避難先)
┗ (2) 再稼働問題(正確な情報提供、 工期延期、火災事故への見解)
┗ (3) 老朽化した原発は再稼働しないことを求めること
2.自衛隊への個人情報の名簿提供について
┗ (1) 自衛隊への個人情報提供
┗ (2) 憲法第13条が保障するプライバシー権についての認識
┗ (3) 除外申請の現況と周知
┗ (4) 名簿提供を中止すること
3.水道事業の広域化について
┗ (1) 庁内プロジェクト会議を立ち上げた目的と今後の進め方
4.補聴器購入助成制度について
┗ (1) 加齢性難聴者への補聴器購入助成制度について
前回の議会では、新しく就任した藤田市長の原発への見解を質問していましたが、今回は避難計画について質問し、再稼働の可否判断のプロセスを改めて確認していました。
複数の自然災害が同時に起きた場合、市は、防災行政無線・エリアメール・Jアラート・テレビ・ラジオ・市の広報車など、複数の手段で情報を届けると説明。
住宅が損壊して自宅での屋内退避が難しい場合は指定避難所を利用し、それも困難な場合は、県や国の指示に従い区域外へ避難する仕組みとしています。
また、複合災害時の「第二の避難先」は茨城県が確保し、被災状況に応じ柔軟に対応するとしています。
一方で、宇野議員は情報共有について「国や事業者任せにせず、市も主体的に情報発信と対話を行うべき」と主張。
これに対し市長は「原子力に関する説明は国と事業者の責任」と答弁しましたが、火災や工期延期が続く現状については「地域の信頼を損ね遺憾」と述べ、事業者に再発防止を求めるとしました。
老朽化した原発の再稼働については、国や県、市議会、市民の意見を踏まえ、総合的に判断するとしています。
今回の答弁から、複合災害や原子力災害を想定した避難計画が詳細に立てられていることが分かりました。
最悪の事態を想定した対策が進められている一方で、原子力に関する説明を「国と事業者の責任」とのみ答弁する市長の姿勢はやや距離を置いている印象がありました。
説明そのものは国や事業者が担うにしても、市民との対話の場を設けたり、周知を行ったりすることは行政として可能ではないかと考えます。
また、再稼働の判断プロセスについては、前回の議会から進展が見られず、今後の議論の深まりが期待されます。
次に、自衛官募集のために市が毎年、18歳と22歳の市民の氏名・住所などを自衛隊に提供していることについて。
宇野議員は、本人の同意なく名簿が提供されている点を問題視し、プライバシー権の観点から見直しを求めました。
防衛大臣、自衛隊茨城地方協力本部から法令に基づく依頼を受け、紙媒体で氏名・生年月日・性別・住所を提供。
防衛省・総務省の通知で「住民基本台帳の一部利用に特段の問題はない」とされており、プライバシー侵害には当たらないとの見解。
情報提供を求める法令はあるが、対象から除くことを定めた法令はない。
現時点で制度化や周知の予定なし。今後、適時適切に判断。
自衛隊法97条に基づく法定受託事務の趣旨を踏まえ継続。
法令に基づく行政間の情報提供であり、プライバシー侵害にはあたらないと考えます。
ただし、「自衛隊」という性質上、市民の中には心理的な抵抗感を持つ人もいるため、行政としては趣旨を丁寧に説明し、誤解を防ぐ努力が必要だと感じます。
茨城県では、市町村の水道事業の経営の一体化を目指し、今年2月に21の市町村と基本協定を締結し、「茨城県広域的連携等推進協議会」を設立しています。
常陸太田市では、検討中ということで、庁内プロジェクト会議が立ち上げられていますが、宇野議員はこれに対し施設の減少や災害時の復旧遅れの可能性を危惧し、質問しました。
2025年4月設置。副市長・関係部課長で構成。
目的:日立製作所の取水塔撤退に伴う水源確保、簡易水道事業と上下水道事業の統合可否など課題整理のため。
今後:専門コンサルへ委託し、水源確保策や債務分析の結果を踏まえ、検討。12月を目標に判断。
広域化が実現すれば、事業主体は県企業局となり、施設更新・人材確保・経営効率化が期待されます。
一方で、災害時の復旧遅れや水道料金の格差などの課題も指摘されています。
今のままの規模や料金を維持するのは難しく、効率化の流れは避けられないと考えます。
だからこそ、市はメリット・デメリットを整理し、市民に丁寧に説明した上で、納得感のある判断を行うことが重要です。
宇野議員は、加齢性難聴者への支援として補聴器購入助成制度の創設を要望しました。
高齢者の約半数が難聴を抱えており、早期の補聴器利用は認知症予防にもつながると指摘しています。
県内44自治体中12自治体が実施(2025年7月調査)。
多くが65歳以上・身体障害者手帳なしを対象、1/2助成、上限1〜3万円。
今年度の高齢者アンケートに設問追加(生活影響を把握)。
その結果を基に、来年度の第10期高齢者福祉計画策定委員会で協議・検討。
私の祖母も加齢性難聴です。補聴器を購入したものの、雑音が多く使いづらかった経験があります。
性能は向上しているものの、価格の高さが導入のハードルになっているのは事実です。
ただ、助成を行うかどうかは、実態調査を踏まえた慎重な判断が必要です。
同時に、予防の周知や健康診断での早期発見など、支援の多角的な取り組みが求められます。
今回の宇野議員の質問と市の答弁ですが、まとめるとこのようになります。

宇野議員の一般質問を通して、原子力災害の広域避難計画、個人情報のあり方、水道事業の広域化、補聴器の補助という幅広いテーマについて、常陸太田市の方向性が明らかになりました。
気になることやご意見がありましたら、メールにてお寄せいただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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