2026/7/31

7月24日、鎌倉市議会議員有志10名は記者会見を行い、7月17日に13名の議員で提出した、議長の議会運営に対して抗議する内容の声明文に関して、説明しました。
当日出席の10名の議員は以下の通り(50音順・敬称略)
上野 学、大石 香、岡崎 修也、小野田 康成、加藤 千華、武野 裕子、中村 聡一郎、細川 まなか、前川 綾子、吉岡 和江
(自民党・無所属の会は代表して中村 聡一郎議員が出席)
市議会の定数は26名(うち欠員1名)のため、13名は過半数となる。
13名の議員の所属会派は、自民党・無所属の会、鎌倉前進の会、夢みらい鎌倉(一部)、共産党鎌倉市議会議員団、一部無所属議員、であり、これに参加していない会派は、公明党鎌倉市議会議員団、立憲民主党鎌倉市議会議員団、公正と法(議長所属会派)、夢みらい鎌倉(一部)一部無所属議員、となる。
7月17日に提出した声明文の内容はこちら
https://go2senkyo.com/seijika/194154/posts/1442190
1 私たちの主張と理由
(1) 私たちの主張
中澤克之議長は議長職権を濫用した議会運営を行っており、一刻も早く議長職を辞職するべきである。
(2) 理由
①市民軽視と職権濫用、法令違反等
中澤議長本人に関する事案について、議長職権を濫用し、会議の休憩による流会や開議請求の拒否などの法令違反や職務怠慢、議員の議事提案権の侵害を行い、市民の陳情を廃案に至らしめた。
②独善的な議会運営
過去の議論によって積み上げられてきた判断基準である議会先例を公然と否定している。また、議会の構成員である議員の意向を軽視していること。
2 経緯
5月20日 ・中澤議長が辞職しない意向を示す
6月3日 ・6月定例会開会、新副議長(日向議員)就任
6月4日 ・中澤議長に対する議長職の辞職勧告動議が賛成多数で可決
6月9日 ・一般質問で議員が質問した際、市長が挙手していたにもかかわらず指名せず、議長が職権で休憩を宣告。
・議会運営委員会で複数の議員が先例に基づく一般質問の進行を要求したが、議長が受け入れず、議会は停止。
・会期が6月19日から7月16日まで延長された。
6月下旬 ・一般質問で議会が停止している期間に、議長が姉妹都市60周年行事でフランス(ニース)へ渡航した。
7月15日 ・本会議で議員が賛成付き動議を提出したが、議長は内容確認を行わず職権で休憩を宣告。
・議員17人が地方自治法第114条に基づく開議請求書を提出したが、議長は会議を再開せず、24時に自然流会となった。これにより動議は無効とされた。
7月16日 ・議員13人が午前と午後に開議請求を試みるも議長が議長室の扉を閉め対応を拒否。
・午後5時に開かれた本会議で賛成付き動議が提出されたが、議長は内容を確認せず、休憩を宣告。議員から議事進行を求める声が複数上がる中、議長は退席。
・13人の議員が会議を再開するよう求めたが、議長は議長室の扉を閉め切って対応せず、会議は18時に自然流会となった。会期到来により6月定例会は閉会。
・事前に提出されていた中澤議長に対する懲罰動議も本会議で取り扱われず、時効により懲罰動議の提出機会が失われた。
・市民からの陳情27件・報告事項5件が審議未了、廃案となった。
3 中澤議長の議会運営における問題点
①地方自治法第114条に基づく会議を開く請求があったにもかかわらず、議長が会議を再開せず、流会させた。
⇒地方自治法違反、職務怠慢
②議員から賛成付きの動議が提起されたにもかかわらず、議長が内容確認を行わず、休憩を宣告し、議題としなかった。
⇒職務怠慢、議員の議事提案権の侵害
③懲罰動議が提出されたにもかかわらず、議題としなかった。
⇒会議規則違反、職務怠慢、議員の議事提案権の侵害
④中澤議長本人に関わる事案であり、議題とすることを回避するため、①~③を行った。
⇒議長職権の濫用
4 市民への影響
①市民の陳情27件が廃案となった。特に総務常任の陳情3件は審査もされていなかったため、陳情者の趣旨説明等の機会も奪われた。
②議長の行為により議会運営の公正性が疑われ、議会に対する市民の信頼を失墜させた。
5 根拠規定について
(1) 動議の提出について
・会議において口頭で申し出る。所定の賛成者が必要。
・動議が成立したときは議題としなければならない。
(参考)鎌倉市議会会議規則
(動議の成立) 第17条 動議は、法又はこの規則において特別の規定がある場合を除くほか、1人以上の賛成者がなければ議題とすることができない。
(日程の順序変更及び追加) 第24条 議長が必要があると認めるとき、又は議員から動議が提出されたときは、議長は、討論を用いないで会議に諮って、議事日程の順序を変更し、又は他の事件を追加することができる。 |
(2) 懲罰動議について
・4人以上が連署した文書を議長に提出しなければならない。
・懲罰事犯があった日から起算して3日以内に提出しなければ、時効となる。
(参考)鎌倉市議会会議規則
(懲罰動議の提出) 第131条 懲罰の動議は、文書をもって4人以上の発議者が連署して、議長に提出しなければならない。 2 前項の動議は、懲罰事犯があった日から起算して3日以内に提出しなければならない。ただし、第119条第2項の違反に係るものについては、この限りでない。 (懲罰動議の審査) 第132条 懲罰の動議が提出されたときは、議長はすみやかに会議に付し、討論を用いないで会議に諮って、懲罰特別委員会に付託するかどうかを決めなければならない。 2 前項の規定により、委員会に付託しないと議決したときは、懲罰の動議は、否決されたものとみなす。 |
(3) 会議を開く請求について
・議員定数の半数(鎌倉市議会は13人)以上の者から開議請求があるとき、その日の会議を開かなければならない。休憩している場合は、再開しなければならない。
・口頭でも文書でも請求できる。
・休憩中、中止後又は散会後において請求できる。
・議長が開議請求に応じない時ときは、職務怠慢として懲罰の対象となる。
(参考)地方自治法
第百十四条 普通地方公共団体の議会の議員の定数の半数以上の者から請求があるときは、議長は、その日の会議を開かなければならない。この場合において議長がなお会議を開かないときは、第百六条第一項又は第二項の例による。 ② 前項の規定により会議を開いたとき、又は議員中に異議があるときは、議長は、会議の議決によらない限り、その日の会議を閉じ又は中止することができない。 |
(4) 閉会中継続審査要求について
・議会に付議された事件が、会期中に議了せず、継続審査の決定もされないままに、会期を終えると審議未了により廃案となる。
・各常任委員会から閉会中継続審査要求がされ、本会議で議決されると、引き続き審査することができる。
(参考)地方自治法
第百十九条 会期中に議決に至らなかつた事件は、後会に継続しない。 |
(参考)鎌倉市議会会議規則
(閉会中の継続審査) 第84条 委員会は、閉会中もなお特定の事件の審査又は調査を継続する必要があると認めるときは、その理由を付した文書を議長に提出しなければならない。 (閉会中継続審査の通告) 第85条 議会の議決により、委員会が閉会中もなお審査又は調査を継続することに決したときは、議長は、直ちにこれを市長又は関係執行機関に通知するものとする。 |
(5) 会議規則の解釈権について
・疑義は議長が定めるが、異論があるときは会議に諮って決めるとされており、議長の解釈よりも会議の多数決が優越する。
(参考)鎌倉市議会会議規則
(会議規則の疑義の決定) 第145条 この規則の疑義は、議長が定める。ただし、異議があるときは、会議に諮って決める。 |
(6) 役員の任期について
・議会役員の任期は先例により1年となっている。
(参考)鎌倉市議会の議会先例
正副議長等の任期について(昭和40年5月27日) 正副議長、議会選出監査委員、正副委員長等議会の各種役員については、1年をもって任期とする従来の申し合せを再確認した。 |
(7) 一般質問中の理事者側答弁に資料の準備等に時間を要する場合について
・申し合わせにより、停止している質問は終止符を打ち、次の質問に入る。
(参考)鎌倉市議会 慣例・申し合わせ集(議会運営委員会確認事項含む)
10 「審議日程編成、会期の見直しについて」、「会議日程のあり方について」 平成26年2月14日付鎌議第1662号にて答申した内容について、市民等に対して議会日程の不安定さを解消させることに配慮するといった観点から検討を行った結果、以下のとおりとすることを確認した。 ・ 一般質問を実施する際、理事者側への資料及び調査等の要求は事前に済ませるよう配慮すること。質問中、理事者側が答弁するに当たって、やむを得ず資料の準備及び調査等(市の事務執行に関する調査、国・県・弁護士等に対して見解を求めるもの等)に時間を要する場合は、下記先例のとおりとし、先例による後日の報告に対する当該議員の質問の時間は、一般質問の実施時間である90分に含めるものとする。ただし、理事者側と事前に調整したにも関わらず、理事者側が答弁できなかった場合は、この限りではなく、その際、当該議員は議長または議会運営委員長へその旨申し出るものとする。 なお、質問者の要求及び了解に基づく休憩について、その休憩時間は、一般質問の実施時間に含めるものとする。
(平成28年2月3日 議会運営委員会 追加答申) (令和4年(2022年)4月27日 議会運営委員会 答申により一部変更) |
(8) 議会先例の位置付けについて
・ 議会先例は、会議運営上とられた措置や取扱いなどについて、それ以降の判断基準や規範とする「前例」や「しきたり」である。
・ 先例には、議論の繰り返しを防ぎ、運営を円滑にすることができるという意義がある。
・ 鎌倉市議会では、古いものは確認できないが、議長決裁を得たうえで、先例集としている。
・先例は原則として従うべき規範であり、先例によらない場合は新たに議会内において議論し、了承された上で行うべきと考える。
『地方議会運営事典』
議会先例集(録)の項目から要点整理
・先例集の定義 会議運営上とられた措置、取扱い等で事後の同様のケースの先例とされる事例を集録した例規集のことをいう。
・先例集の効果 ①法規の解釈を確定させて議論の繰り返しを防ぐこと ②法規の運用に一定の基準を与えること ③法規の足りない面を補足して会議運営をスムーズに行うこと など
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