2026/7/11
「児童相談所の一時保護とは何か」「親が反対しても一時保護されるのか」「一時保護されたらどうすればよいのか」。
このような疑問から検索される方は非常に多い一方で、検索結果の多くは弁護士事務所による法律相談の記事が占めています。
そこで本記事では、行政法の視点から、児童相談所の一時保護制度の仕組みと、その後の対応について解説します。
児童相談所の一時保護とは、都道府県、政令指定都市、中核市や特別区などが設置する児童相談所が、親権者に対する行政処分として、子どもの身柄を一時的に確保する制度です。子どもの安全を最優先とする制度であり、児童相談所長には非常に強い権限が与えられています。
親権者が一時保護に同意した場合には、家庭裁判所による一時保護状の手続は不要です。一方、同意がない場合でも、児童相談所は子どもを保護した後、原則として7日以内に家庭裁判所へ必要書類を提出し、一時保護状の発付を求めることができます。
もっとも、この司法審査は、児童相談所が提出した書類を中心に判断される制度であり、その時点で親権者や子ども本人が家庭裁判所で十分に意見を述べられる仕組みにはなっていません。そのため、子ども本人や親権者の権利擁護という観点では課題も指摘されています。
親権者は、一時保護に不同意であっても保護そのものを止めることは困難です。行政不服審査請求や執行停止の申立てなどの法的手段は考えられますが、一時保護は期間が比較的短いため、裁決が出る前に解除され、「訴えの利益」が失われて手続が終了する例も少なくありません。また、裁判所が一時保護そのものを違法と判断する事例は多くなく、一時保護を長期間継続したことについて違法性が認められた例が見られる程度です。
現実には、一時保護後の児童相談所との面談や協議が、その後の家庭復帰、施設入所、里親委託などの方向性に大きく影響することがあります。裁判だけで解決を目指すのではなく、面談への対応や書面でのやり取りなどを適切に進めることが重要です。
私も長年、里親として児童相談所と関わり、多くの相談を受けてきました。その経験から感じるのは、一時保護後の初期対応によって、その後の展開が大きく変わるケースが少なくないということです。
一時保護後の面談で何を確認し、どのように対応すべきかについては、過去の記事でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

https://go2senkyo.com/seijika/186483/posts/1428174
また、児童相談所とのやり取りで感情的に対立するのではなく、行政法の視点から書面で対応する方法については、Kindle電子書籍『児相に怒鳴るな 所長に書面を出せ』でも詳しく解説しています。

児童相談所の制度は、子どもの安全を守るために必要な制度です。しかし同時に、強い行政権限を伴う以上、その運用の透明性と適正手続も求められます。制度を正しく理解し、適切に対応することが、子どもの最善の利益につながると私は考えています。
YouTubeチャンネルでも、児童相談所にどう対応すべきか解説した動画が多数あります。
https://www.youtube.com/@takasan_ichikawa-city
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