2026/7/3
児童相談所による一時保護の後、多くの保護者が最初に直面するのが「児童相談所との面談」です。
「支援者や家族を同席させたいと言ったら断られた。」「同席者がいるなら今日は面談できませんと言われた。」「理由を聞いても説明してもらえない。」「書面を求めても拒否された。」
このような相談は決して珍しくありません。
しかし、この場面で最も重要なのは、「どうすれば同席できるか」を担当職員と議論することではありません。
重要なのは、同席を認めないという判断を、担当職員個人の対応で終わらせず、児童相談所長の判断・責任として明確にすることです。
同席を拒否された場合は、感情的にならず、冷静に次の二点だけ確認します。
「同席できない理由は何でしょうか。」
「その理由を書面でいただけますか。」
多くの場合、担当職員は十分な理由を説明できず、「書面は出せません」と回答することがあります。
そこで長時間議論する必要はありません。
理由の説明を求めたこと、書面を求めたこと、その双方が拒否されたことを確認できれば十分です。
その場では面談を進めてもらいましょう。
なお、後日の証拠となる可能性があるため、可能であれば面談内容は録音しておくことをお勧めします。
ここからが本番です。
面談終了後は、できるだけ早く児童相談所長宛てに書面を提出します。
書面には、
・補助者を同席させたいと申し出たこと
・担当職員から拒否されたこと
・理由の説明を求めたこと
・書面による説明を求めたこと
・いずれも拒否されたこと
を時系列で整理して記載します。
その上で、例えば次のような内容を書きます。
「補助者の同席を認めなかった法的根拠をご教示ください。」
「任意の行政指導であるなら、その内容を書面でご回答ください。」
「補助者が同席する場合には面談を実施しないという運用であるならば、実質的な強制を伴うものであり、児童相談所長の権限による行政処分に当たるものと考えます。この点についても所長としての見解を、○月○日までに書面でご回答ください。」
重要なのは、担当職員の対応を問題にすることではありません。
児童相談所長が組織としてどのような判断をしているのか、その説明責任を果たしてもらうことです。
実際には、回答期限を設けても、所長名で期限内に回答が届くケースは多くありません。
代わりに担当職員から電話があり、
「そういう意味ではありません。」
「担当として説明します。」
「今後は気を付けます。」
などと、口頭で済ませようとすることがあります。
しかし、保護者が求めているのは担当職員個人の説明ではありません。
児童相談所長としての判断なのか、それとも担当職員個人の判断なのかを明確にすることです。
そのため、担当職員から連絡があった場合には、
「所長宛てに書面を提出しておりますので、所長名で書面による回答をお願いいたします。」
と伝えれば十分です。
それ以上議論する必要はありません。
期限を過ぎても所長名で回答がなければ、
「○月○日付書面について、回答期限を経過しましたが、現在まで所長名での回答を受けておりません。」
「これは所長として回答しないという判断でよろしいでしょうか。」
「回答しないのであれば、その理由についても書面でご回答ください。」
という書面を改めて提出します。
このように書面を積み重ねることで、
・所長が回答しなかった事実
・担当職員が口頭対応に終始した事実
・組織として説明責任を果たさなかった事実
を客観的な証拠として残すことができます。
児童相談所との対応で重要なのは、その場で担当職員を言い負かすことではありません。
行政機関として誰が判断し、誰が責任を負うのかを明確にし、その経過を書面として残していくことです。
担当職員との押し問答は時間が過ぎるだけですが、所長宛ての書面は組織としての対応を問うことになります。
一つ一つの対応を書面化し、所長の責任として積み重ねていくことが、不服審査請求や行政訴訟、国家賠償請求においても重要な証拠となります。
千葉県議会で指摘されましたが、児童相談所の担当職員が、弁護士の同席すら拒否していました。
こういった対応をされた弁護士が、所長の説明責任をしっかり追及しないこと自体が残念です。
児相に逆らうと子どもが早く帰って来ないと、言いなりになるケースが多いのは、行政法をしっかり理解していないからだと推定されます。
児童相談所対応についてさらに詳しく知りたい方は、拙著『児相に怒鳴るな 所長に書面を出せ』をご覧ください。現場で実践できる具体的な書面の作成方法や、児童相談所長の説明責任を追及する手順について詳しく解説しています。

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