2026/7/5
「一時保護 弁護士」と検索している方へ。
突然、児童相談所に子どもを一時保護されると、多くの親は「すぐ弁護士に相談しなければ」と考えます。
もちろん、弁護士に相談することは大切です。
しかし、ここで大きな誤解があります。
弁護士に委任すれば、児童相談所の担当職員とのやり取りをすべて整理し、所長宛の書面を出し、行政不服審査請求を行い、面会通信制限の根拠まで細かく追及してくれる。
そう思っている方が多いのですが、現実には、必ずしもそうではありません。
児童相談所の一時保護問題に詳しい弁護士は多くありません。さらに、弁護士は多くの案件を抱えています。一時保護直後から、親の代わりにすべての会話を録音し、担当職員の発言を確認し、回答がないたびに所長宛の書面を出し、不服審査請求の証拠として整理してくれるとは限りません。
だからこそ、一時保護直後の初動は、弁護士任せにしてはいけません。
親自身がやるべきことがあります。
それは、怒鳴ることではありません。
録音すること。
確認すること。
質問すること。
所長宛に書面を出すこと。
行政不服審査請求を出すこと。
口頭意見陳述を申し立てること。
この積み重ねです。
担当職員の説明に納得できない場合でも、感情的になってはいけません。必ず録音し、内容を確認します。
「今の説明は、〇〇という意味でよろしいですか」
「一時保護継続の根拠は何ですか」
「面会や電話を制限する法的根拠は何ですか」
「オンライン面会や手紙、写真のやり取りなど、代替手段は検討しましたか」
このように冷静に質問します。
答えてもらえなければ、その場で怒鳴るのではなく、所長宛の書面にします。
「本日、担当職員に〇〇について質問しましたが、回答をいただけませんでした。〇月〇日までに、書面で回答してください」
それでも回答がなければ、さらに書面を出します。
「前回、〇月〇日までに書面回答を求めましたが、回答がありませんでした。なぜ回答できないのか、その理由も含め、〇月〇日までに書面で回答してください」
これを繰り返すことで、担当職員の口頭対応の問題を、所長の組織責任に変えていきます。
一時保護決定書には、行政不服審査請求ができるという教示文があります。
これは飾りではありません。
迷わず行政不服審査請求を出し、併せて口頭意見陳述も申し立てるべきです。
そして、所長宛に出した書面を、行政不服審査請求の証拠書類として提出していきます。
ここが重要です。
審理員は、虐待判断の中身そのものには踏み込みにくい立場です。
しかし、書面で説明したのか。
回答をしたのか。
面会通信制限の法的根拠を示したのか。
代替手段を検討したのか。
親の質問に対して、行政として説明責任を果たしたのか。
こうした行政法上の手続きについては、見過ごしにくくなります。
だからこそ、口頭意見陳述では、児童相談所の担当職員だけでなく、所長の責任を問う形にすることが重要です。
「所長宛に書面で回答を求めたのに、なぜ回答しなかったのですか」
「一時保護継続の根拠を、なぜ書面で示さなかったのですか」
「面会通信制限の法的根拠を、なぜ明確に説明しなかったのですか」
「代替手段を検討した記録はありますか」
このように、手続きの問題を具体的に問います。
弁護士は料理人です。
しかし、どれほど腕の良い料理人でも、食材がなければ料理は作れません。
録音がある。
所長宛の書面がある。
回答期限を示した文書がある。
児童相談所が回答しなかった事実がある。
行政不服審査請求がある。
口頭意見陳述の記録がある。
こうした証拠という「食材」がそろって初めて、弁護士は法廷で強い主張を組み立てることができます。
逆に、一時保護直後から何も書面を出していない。
録音もしていない。
行政不服審査請求もしていない。
所長に回答を求めた記録もない。
この状態で後から弁護士に依頼しても、弁護士は魔法使いではありません。
「児童相談所にひどいことを言われた」
「説明がなかった」
「面会させてもらえなかった」
そう訴えても、それを裏付ける記録がなければ、法廷で争う材料が足りなくなります。
だから、弁護士に任せる前に、親がやるべきことがあります。
一時保護直後から、親自身が記録を残す。
所長宛に書面を出す。
行政不服審査請求を出す。
口頭意見陳述を申し立てる。
児童相談所の対応を、感情論ではなく、行政法上の手続きの問題として整理する。
これが、弁護士に依頼する前に親が集めるべき「最高の食材」です。
弁護士の出番は、その食材を使って、法廷で料理を作る段階です。
一時保護解除後、子どもの状態や児童相談所の対応に問題があった場合には、子どもの法定代理人として、子どもの人権、子どもの最善の利益、行政手続の違法・不当を正面から問う訴訟を検討することになります。
その段階で、児童相談所問題に理解のある弁護士を探し、記者会見を開く場合も、単に「親が児童相談所を訴えた」という形ではなく、「子どもが受けた行政対応の問題を、公益目的で明らかにする」という形にすることが重要です。
「一時保護 弁護士」と検索することは間違いではありません。
しかし、弁護士を探している間にも、時間は進みます。
そして、一時保護の初動で証拠を残せるのは、現場にいる親です。
怒鳴らない。
冷静に聞く。
録音する。
質問する。
答えがなければ所長宛に書面を出す。
回答がなければ、さらに書面で回答を求める。
行政不服審査請求を出す。
口頭意見陳述を申し立てる。
その積み重ねが、子どもを守るための第一歩になります。
具体的な流れについては、電子書籍『児相に怒鳴るな 所長に書面を出せ』で詳しく解説しています。
児童相談所の一時保護、施設入所、面会通信制限、行政不服審査請求で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

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