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値上げの次は「紐付けした人だけ追加減免」 千葉県営水道の不親切なデジタル誘導を問う

2026/4/13

前回、私は、千葉県営水道が平均18.6%もの値上げに踏み切った問題を取り上げた。
https://go2senkyo.com/seijika/186483/posts/1342552

今回はその続編として、県が打ち出した「減免策」の中身を見ていきたい。


前回、私は、千葉県営水道が平均18.6%もの値上げに踏み切った問題を取り上げた。
水は命を支える基礎インフラであり、首都圏でも高い千葉県の水道料金をさらに引き上げる判断は、県民生活にも地域経済にも重い負担を与えるというのが、前回記事の主張である。

しかし、今回さらに見過ごせない問題がある。
それは、値上げ後に県が打ち出した「減免策」の中身だ。

千葉県営水道の案内によれば、一般家庭で多く使われる13mm、20mm、25mmの口径について、令和8年7月検針分から10月検針分までの4か月、水道料金の20%を減免するとしている。さらに、令和8年9月30日までに「マイポータル」に登録し、契約情報を紐付け、紙の検針票や納入通知書に代えてマイポータルで通知を受ける設定にした人には、11月・12月検針分の2か月も20%減免を延長すると案内している。

つまり、こういう構図だ。

まず大幅値上げをする。
次に減免を打ち出す。
そしてさらに、デジタル登録と契約情報の紐付けをした人だけ、追加で2か月の減免を与える。

これは本当に県民のための支援策なのだろうか。
むしろ、水道料金の負担軽減を使って、行政のデジタル移行を進めているように見える。

実際、県の案内には、紙の「使用水量のお知らせ」や「水道料金等納入通知書」が不要となり、経費削減につながると書かれている。つまり、この追加減免は県民支援の顔をしながら、同時に県側の通知コスト削減策でもある。

問題は、その入口の設計があまりにも不親切なことだ。

県のチラシでは、登録と紐付けの流れが図解されている。
だが、実際にはかなり利用者任せである。
WEBページに入り、IDとパスワードを設定し、仮登録メールのURLを開き、本登録を済ませ、さらに契約情報を紐付ける。そのためには、「お客様番号」と「ネット手続用確認番号」を、手元の「使用水量のお知らせ」や「水道料金等納入通知書」から探さなければならない。最後は、契約一覧画面で通知方法が「マイポータル」になっているかまで自分で確認する必要がある。

一見すると図解で親切そうに見える。
しかし実際はそうではない。
必要な番号を探し、複数段階の登録をこなし、最後に設定状態まで確認しなければならない。しかも、これは便利機能の任意登録ではなく、追加減免を受けるための条件である。

そして、実際に操作してみると、使い勝手の悪さはかなり深刻だ。

新規登録では、仮登録メールが即時に届くというより、体感としてタイムラグがある。
本登録後のログインでも、メールによる認証を求められるが、この認証メールもすぐに来ないことがある。
にもかかわらず、認証コードには時間制限が表示される。
遅れて届くメールを待たされながら、今度は短時間で入力を迫られる。
これでは、利用者に過度な負担を課す設計と言わざるを得ない。

しかも、入力欄の仕様まで不親切だ。
郵便番号、電話番号、お客様番号などについて、数字だけではなくハイフンまで含めて正確に入力させる場面がある。
本来なら、数字だけでも受け付け、自動整形するなど、利用者の負担を減らす設計が望ましい。
それをしないまま、細かい入力形式まで利用者側に合わせさせる。
これでは、支援制度の入口というより、利用者を疲弊させる関門である。

さらに気になるのは、認証方法そのものだ。
デジタルに不慣れな人にとって、メール認証は決して低いハードルではない。
メールアドレスを確認し、受信箱を開き、認証メールを探し、コードを確認し、元の画面に戻って入力する。
慣れた人には小さな作業でも、不慣れな人には十分大きな壁になる。
少なくとも体感としては、電話番号ベースの認証の方が分かりやすく、減免手続の入口として親切だったと感じる人は多いだろう。

要するに、今回の仕組みはこうだ。

値上げをした。
減免を打ち出した。
しかし追加減免は、マイポータル登録と契約情報の紐付けが条件。
そのうえ、登録導線は遅く、不親切で、分かりにくい。

これでは、デジタルに慣れた人だけがたどり着きやすく、慣れていない人ほど取り残されやすい。
特に高齢者や、スマホやメール操作が苦手な人にとってはかなり厳しい。
しかも、そうした人ほど、物価高の中で水道料金の負担軽減を必要としている可能性が高い。

物価高対策として減免を行うなら、本来あるべき姿はもっと単純なはずだ。
誰でも自動的に受けられるか、少なくとも誰でも迷わずたどり着ける入口にすべきである。
ところが今回の千葉県営水道の仕組みは、減免をぶら下げてデジタル移行を進めているように見えるうえ、その入口があまりにも不親切だ。

県が本当に県民支援を考えるなら、必要なのは、使える人だけが得をする制度ではない。
必要なのは、誰でも負担なく使える制度設計である。

水道は、単なるサービスではない。
命のインフラだ。
その負担軽減策にまで、複雑なデジタル紐付けを持ち込み、しかも操作性の悪い仕組みを押しつける。
そこに、今の千葉県政の県民目線の弱さが表れている。

前回の記事では、私は平均18.6%値上げそのものの問題を指摘した。
今回さらに明らかになったのは、その後に出してきた減免策ですら、素直に県民本位とは言い難いということだ。

値上げして、減免をぶら下げ、登録しにくい仕組みに誘導する。
そんなやり方が、本当に県民のための政治と言えるのか。
今、問われているのはそこだ。

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著者

たか さん

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肩書 令和6年行政書士試験合格者、千葉県登録養育里親、メンタル心理カウンセラー、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、千葉県市川市中央倫理法人会幹事
党派・会派 無所属
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