選挙ドットコム

たか さん ブログ

首都圏で高すぎる千葉県の水道料金。平均18.6%値上げを進めた熊谷県政の責任は重い

2026/4/7

水道は、県民の命と暮らしを支える基礎インフラです。
飲み水、炊事、洗濯、入浴、トイレ、衛生、医療、介護、防災。どれを取っても、水道なしでは成り立ちません。にもかかわらず、千葉県は首都圏の中でも水道料金が高い側にあり、そのうえ県は令和8年4月から県営水道料金を全利用者平均で18.6%引き上げると決めました。

問題は、単なる値上げではありません。
首都圏の中でも負担が重い千葉県で、さらに大幅値上げを進めたこと自体が異常なのです。県はその理由として、老朽化した管路や施設の更新、物価高騰、将来的な赤字や資金不足を挙げています。確かに更新需要は現実です。しかし、だからといって、まず県民負担の引上げに進むことが本当に唯一の答えだったのか。そこが問われています。

さらに重いのは、熊谷俊人知事の政治姿勢です。
知事は2025年3月の記者会見で、選挙後にいきなり値上げの話が出るように見えるのは「だまし討ち」のようでよくないから、選挙前に料金見直しが避けられない話を示したという趣旨を述べています。県議会でも、昨年9月議会で知事が「赤字が見込まれることから料金値上げは避けられない」と初めて言及したことが、その後の検討を値上げ前提にしたのではないかと批判されました。つまり、県民生活の苦しさを前にしても、議論の軸は「どうやって回避するか」より「どの程度上げるか」に寄っていったように見えるのです。

本来、知事が発すべきだったのは別の言葉です。
首都圏の中でこれだけ料金格差があるのはおかしい。独立採算を前提にすれば地域間格差は広がる。国が格差是正に取り組むべきだ。
こうした政治メッセージを正面から打ち出し、国に制度是正を迫るのが、広域自治体の長としての役割だったはずです。ところが、県の公式説明は一貫して「将来にわたり安全な水を安定供給するため」「赤字や資金不足を避けるため」という経営説明が中心で、格差是正を国に迫る政治的主張は前面に出ていません。ここに、県民軽視、経済軽視と受け取られても仕方のない弱さがあります。

そもそも、水道を強く独立採算で回そうとすれば、地域によって料金が大きく歪みます。
水道事業は、浄水場、配水施設、老朽管更新、耐震化、漏水対策、電力費、人件費と、逃げられない固定費の塊です。人口が減っても、施設や管路の維持費はそれほど減りません。利用者が減るのに固定費は残る。そこで一般財源の投入を絞れば、最後は料金に跳ね返りやすくなります。帳簿の上では「健全経営」に見えても、実態は税で広く支えるべき負担を、住民に直接請求しているだけです。

しかも、水道は電気のようにはいきません。
電気は、送電や配電のネットワーク部分は自然独占でも、発電や小売を切り分けて競争を導入しやすい構造があります。ところが水道は、その地域の管路網そのものが事実上の独占設備です。料金が高いからといって、住民が別の会社の水道管に乗り換えることはできません。電気のような「同じネットワークを共用しながら競争する」設計がしにくいのです。だから水道を市場化や民営化で解決できるかのように語るのは、構造の違いを無視した乱暴な議論です。

さらに、水は電気以上に品質そのものが問われるインフラです。
電気は規格化された商品として比較的均質に扱いやすい一方、水道は原水、浄水処理、配水管、貯水設備、老朽化、汚染の有無などによって安全管理が常に問題になります。WHOは、汚染された飲料水がコレラ、赤痢、腸チフス、ポリオなどを媒介しうるとし、安全な飲料水の確保を公衆衛生の基盤と位置づけています。EPAも、飲料水には90超の汚染物質規制があり、水質問題に応じて Boil Water、Do Not Drink、Do Not Use といった勧告が必要になると説明しています。つまり、水に何かが混じれば、単なる「サービス品質の低下」では済まず、健康被害や生死の問題に直結しうるのです。

だからこそ、水道民営化など、もってのほかです。
水道は地域独占であり、住民に逃げ場がありません。そのうえ、品質管理の失敗が命に跳ね返る。こうした分野で、採算性や効率化を前面に出しすぎれば、住民保護より収支都合が優先されやすくなります。英国では民間所有の水道会社に対する信頼と満足度の低下が問題化しており、OfwatとCCWの2024年調査では、環境面で水道会社を信頼すると答えた人は23%にとどまり、2021年の31%から低下しました。水道サービス満足度も下がっています。市場化すれば自動的に良くなるという夢物語は、現実の前でしぼんでいます。

千葉県で今必要なのは、さらなる市場化ではありません。
必要なのは、独立採算の限界を認めることです。そして、国に対して、地域間のインフラ格差是正に本腰を入れるよう求めることです。水道を「受益者負担で回す事業」とだけ見るのではなく、「県民生活を保障する基盤」と捉え直さなければなりません。首都圏でも高い千葉県の水道料金に、さらに平均18.6%もの値上げを重ねる。これをただ「やむを得ない」で済ませるなら、政治は家計の痛みも地域経済への打撃も見ていないことになります。

水道料金の上昇は、家庭の可処分所得を削ります。
子育て世帯、高齢者世帯、単身世帯、小規模事業者。すべてに響きます。物価高の中で、水道料金まで重くなれば、消費は冷え、事業コストは増え、地域経済はじわじわ弱ります。水はぜいたく品ではありません。命の基盤です。その基盤を維持する費用を、首都圏でも高い地域の住民にさらに重く負わせる。そこに政治の鈍さがあるのです。

千葉県の異常さは、値上げ幅の大きさだけではありません。
その大きな負担増を前にしてなお、独立採算の限界を正面から批判せず、国に格差是正を迫る強い発信もなく、結果として県民と地域経済の負担増を受け入れたことです。熊谷県政が本当に県民を守るというなら、必要なのは「値上げの説明」ではありません。
県民負担をどう減らすのか。国に何を求めるのか。独立採算のどこに限界があるのか。
そこをはっきり語る政治です。

水は、利益追求の実験場であってはなりません。
水は、命の基盤です。
だからこそ、千葉県の今回の平均18.6%値上げは、単なる料金改定ではなく、県民生活と地域経済をどう見るのかを映し出した政治判断として厳しく問われるべきです。

 

続編記事:値上げの次は「紐付けした人だけ追加減免」 千葉県営水道の不親切なデジタル誘導を問う
https://go2senkyo.com/seijika/186483/posts/1348524

 

この記事をシェアする

著者

たか さん

たか さん

選挙 市川市議会議員選挙 (2027/05/01) - 票
選挙区

市川市議会議員選挙

肩書 令和6年行政書士試験合格者、千葉県登録養育里親、メンタル心理カウンセラー、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、千葉県市川市中央倫理法人会幹事
党派・会派 無所属
その他

たか さんさんの最新ブログ

ホーム政党・政治家たか さん (タカ サン)首都圏で高すぎる千葉県の水道料金。平均18.6%値上げを進めた熊谷県政の責任は重い

icon_arrow_b_whiteicon_arrow_r_whiteicon_arrow_t_whiteicon_calender_grayicon_email_blueicon_fbicon_fb_whiteicon_googleicon_google_whiteicon_homeicon_homepageicon_lineicon_loginicon_login2icon_password_blueicon_posticon_rankingicon_searchicon_searchicon_searchicon_searchicon_staricon_twitter_whiteicon_youtubeicon_postcode