2026/9/9
令和8年9月8日、都筑区池辺町にある民間学童・フリースクール「どろんここぶた」を訪ね、子どもたちの居場所づくりや、民間で学童・フリースクールを運営する上での課題について等、現場のお話を伺いました。
★どろんここぶた https://doronkokobuta.com/

どろんここぶたは、2005年に自宅の一室で始めた小さな保育ルームを原点に、現在は学童保育やフリースクール、体験活動など、子どもたちの成長を支えるさまざまな取り組みを行っています。
大切にされているのは、「家でもない、学校でもない居場所」。そして「子どもたちが安心して、自分らしく過ごせる放課後」。
共働きが増加し、子どもたち、特に小学生の預かりの需要は確実に増えています。横浜市には放課後キッズクラブがあり、すべての子どもたちの居場所として設置されていますが、利用者が大変多いのに加え、配慮や支援が必要な子どもも増加しており、中には学校という場所そのものが合わない子もいれば、集団生活や人間関係に負担を感じる子もいます。
だからこそ、学校以外にも安心して過ごせる場所をそれぞれが選べるように用意することが重要だと私は考えています。

先日視察したハートフルセンターでも、子ども自身がその日の状態に合わせて過ごし方を選べることの大切さを感じました。今回のどろんここぶたで伺ったお話も、そこにつながるものでした。
子どもが「今日は学校に行けなかった」と自分を責めるのではなく、「今日はここで過ごそう」と思える場所があること。保護者以外で自分を大切に思ってくれる人がいること。それだけでも、子どもにとって大きな支えになるのではないでしょうか。

横浜市の小学生の放課後の居場所には、大きく分けて**「放課後キッズクラブ」と「放課後児童クラブ」**があります。
放課後キッズクラブは、小学校の施設を活用して実施され、すべての子どもを対象に「遊びの場」を提供するとともに、留守家庭の子どもには「生活の場」を提供しています。令和2年度には市内すべての小学校への設置が完了しています。
一方、放課後児童クラブ、いわゆる「学童」は、保護者が仕事などで昼間家庭にいない子どもたちを対象に、地域の中で放課後の生活の場を提供するものです。横浜市では、地域の方や保護者、NPO法人などが主体となって活動場所を確保し、運営しています。横浜市はその運営費を補助しています。
つまり、学校を活用した「放課後キッズクラブ」と、地域で運営される「放課後児童クラブ」。
横浜市では、この2つの仕組みを両輪として、子どもたちの放課後を支えてきました。令和7年4月時点で、放課後キッズクラブの区分2の登録児童数は4万183人、放課後児童クラブは9,153人。
キッズクラブの利用が増加傾向にある一方、放課後児童クラブはほぼ横ばいとなっています。
さらに、今後は少子化によって小学校の在籍児童数が減少していくため、放課後児童クラブの利用児童数も徐々に減少していくことが見込まれています。だからこそ今、**「これからの放課後の居場所をどうしていくのか」**を考える必要があります。
今回伺った「どろんここぶた」は、現在の民間学童という形から、横浜市の放課後児童クラブとして、より安定的に子どもたちを支えていきたいということでしたが、そこにはいくつかの壁があります。
その一つが、横浜市の児童クラブにおける「初年度20人以上」という新規認定の条件です。
それが、この場所の大きな強みでもあります。それにもかかわらず、開設時点で20人以上の利用児童を確保することが求められるとすれば、こうした小規模で丁寧な学童を新たにつくることは難しくなります。
実際、キッズの現場からは、発達に特性のある子どもなど、よりきめ細かな配慮を必要とする子どもたちへの対応が増えているという声もあります。横浜市でも、障害児の受け入れに対する職員加配や研修、巡回相談員による支援などを進めていますが、子どもの人数が多いキッズクラブでは、どうしても一人ひとりにきめ細かく対応することが難しいという声があります。
一方で、比較的小規模な児童クラブや学童では、子どもと職員との距離が近く、子どもの変化を見ながら丁寧に関わることができると感じます。子どもたちが自分で考え、自分できめ、自主的な行動を支える支援は、どろんここぶたさんのような規模感だからこそできるものであるとも感じました。
最近、不登校のお子さんが大変増えています。しかもどんどんと低年齢化し、小学生低学年の不登校が増加傾向にあります。どろんここぶたさんに通っているお子さんの中にも、学校に行きづらいお子さんがおり、午前中も開所をしていると伺いました。今、学童は、単に保護者が仕事をしている放課後の間、子どもを預かる場所だけではなくなっており、不登校の子どもの居場所になったり、発達に特性のある子どもを丁寧に支えたり、地域の中で、さまざまな役割を担う場所になっています。
だからこそ、これまでと同じ制度の枠組みだけで考えるのではなく、これからの学童が担っている新しい役割をどう支えていくのかを考える必要があると感じています。

都筑区や横浜市には、子どもたちを心から思う情熱を持った素晴らしい方々がたくさんいらっしゃいます。こうした人の存在はこの街の宝です。だからこそ、どろんここぶたのような施設やそこに関わる方々を制度の枠を超えて、どのように支えるか、新しい役割や発想も含めて探っていかなければならないと感じます。
子どもたちが、「ここにいていい」と思える場所を地域の中に増やしていく。
そのために、現場で聞いた声を、横浜市の制度や政策につなげていきたいと思います。
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