2026/7/24
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
少子高齢化が加速する日本において、介護現場の人手不足は一刻の猶予もない課題です。今回は、国が示している具体的な受け入れ計画の数値と、私が2025年にインドの送り出し機関を訪問して感じた「現場のリアル」についてお伝えします。
冒頭の画像は、政府が策定した2024年度から2028年度までの5年間における外国人材受け入れの見込み数を示した資料です。ここでは、介護分野においてなぜこれほど多くの外国人が必要なのか、その計算プロセスが明確にされています。
| 項目 | 数値 | 内容の解説 |
|---|---|---|
| 人手不足数 | 25万9,300人 | 2028年度末までに不足すると予測される労働力の総数。 |
| 生産性向上 | ▲4万7,100人 | 介護ロボットやICT活用(DX化)によって効率化できる人数。 |
| 国内人材確保 | ▲5万1,500人 | 賃金改善や離職防止策によって、国内で新たに確保する人数。 |
| 受入れ見込数 | 16万0,700人 | 国内対策を講じてもなお不足する、外国人による確保目標数。 |
このデータから分かる通り、国は「まずは国内での生産性向上や処遇改善を優先し、それでも足りない約16万人を外国人で補う」という方針を立てています。しかし、この16万人という数字を単なる「数合わせ」にしてはなりません。
私は2025年10月、インドのニューデリー郊外にある政府公認の技能開発機関「NSDC(National Skill Development Corporation)」を訪問しました。そこでは、日本やドイツへの派遣を目指す若者たちが、必死に語学や介護技術を学んでいる姿がありました。
特に印象的だったのは、北東インド(ナガランドやマニプルなど)出身の方々です。彼らは日本人に近い気質を持ち、非常に真面目で温厚な印象を受けました。看護師資格を持つ人材も多く、適切な教育と管理体制があれば、日本の介護現場において非常に質の高いサービスを提供できる可能性を秘めています。
しかし、課題も無視できません。インドは地域によって言語も文化も宗教も全く異なります。彼らを「安い労働力」として扱うのではなく、日本の文化やルールを正しく伝え、地域社会の一員として迎え入れる「覚悟」が、受け入れ側である日本にも問われているのです。
現在、技能実習制度は廃止され、2027年からは「人材確保と育成」を目的とした「育成就労制度」へと移行します。これは、外国人が日本でキャリアを積み、長期的に定着することを前提とした大きな転換点です。
一方で、私がインド現地で感じた懸念は、制度の拡大が先行し、受け入れ環境の整備が追いついていない点です。例えば、農業分野などでは日本語能力が低くても入国できるケースがあり、それが現場でのトラブルや治安への不安に直結する恐れがあります。
介護分野は、人の命と尊厳に関わる仕事です。だからこそ、一定の語学力と専門性を備えた人材を厳選し、彼らが日本で働いて良かったと思える環境を整えることが、結果として日本の介護の質を守ることにつながります。
高槻市においても、介護人材の確保は喫緊の課題です。私は海外で18年間生活した経験から、異文化共生の難しさと素晴らしさの両方を知っています。単なる「数」としての外国人受け入れではなく、以下の3つの視点を持って政策を進めるべきだと考えます。
「技能移転」という建前が「低賃金労働の確保」にすり替わるようなことがあってはなりません。日本社会がどのような未来を描くのか。いまこそ、数合わせではない、国家としての明確な戦略が必要です。
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
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