2026/7/23
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
日本の社会保障の要である介護現場において、日本人労働者の不足は深刻な局面を迎えています。国を挙げた処遇改善が進められている一方で、なぜ依然として「選ばれる職種」になりきれないのでしょうか。今回は具体的な給与データと、現場の構造的課題について詳しく掘り下げていきます。
介護職員の給与は、近年の改定により着実に上昇しています。しかし、他産業と比較した際の「相対的な低さ」が依然として課題です。
| 比較項目 | 介護職員(常勤) | 全産業平均 | 差額(乖離) |
|---|---|---|---|
| 平均月給(諸手当込) | 約30.3万円 | 約38.6万円 | ▲ 約8.3万円 |
| 平均年収(推計) | 約405万円 | 約478万円 | ▲ 約73万円 |
このデータからわかる通り、月額で8万円以上の差がある状況では、労働条件の厳しい介護職よりも他業種へ人材が流れてしまうのは避けられない現実と言えます。
介護の世界では、専門スキルの証明である「国家資格」の有無が給与を大きく左右します。キャリアアップによる収入増の目安は以下の通りです。
・介護福祉士(国家資格保有):月給 約33万円〜
・介護職員実務者研修:月給 約30万円〜
・介護職員初任者研修:月給 約28万円〜
・無資格:月給 約26万円〜
資格手当によって一定の底上げはなされていますが、責任の重さや身体的負荷に対して、この上昇幅が十分であるかどうかが議論の分かれるところです。
政府は処遇改善加算を段階的に投入していますが、昨今の急激な物価高や社会保険料の増加が、せっかくのベースアップ分を打ち消してしまっています。働く側からすれば「給与は上がっているはずなのに、生活が楽にならない」という実感を抱きやすい状況にあります。
介護職の平均月給を支えているのは、1回あたり5,000円から1万円程度支給される「夜勤手当」です。不規則な勤務をこなすことでようやく他業種の給与に近づけるという構造が、育児中の方や体力的な不安を抱える層の参入を阻んでいます。
現在は介護業界だけでなく、建設、物流、IT、サービス業など、すべての分野で深刻な人手不足です。特に「未経験歓迎」の求人を出す物流業界などが賃金を引き上げているため、身体的負荷がより高いイメージのある介護職は、職業選択の優先順位で後回しにされる傾向にあります。
介護現場を「日本人が誇りを持って働ける場所」にするためには、単なる少額の加算ではなく、全産業平均に匹敵するレベルの根本的な処遇改善が必要です。また、ICTやロボットの導入による「身体的負担の劇的な軽減」を官民一体で進め、働き方の選択肢を広げることが急務です。
誰もが安心して老後を迎えられる社会を維持するためには、ケアを担う人々が正当に評価される仕組みを再構築しなければなりません。高槻市においても、現場の声を真摯に受け止め、地域の介護インフラを守るための施策を推進してまいります。
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
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