2026/6/11
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
最近、国際送金の手数料を劇的に安くした「Wise(ワイズ)」などのサービスが普及しています。実はこれらのフィンテック企業は、前回お話しした地下銀行と「構造的にはほぼ同じ仕組み」を、最新のテクノロジーで合法化したものだと言えます。
なぜ彼らは銀行より安く、かつ安全に送金できるのか。そのカラクリを紐解きます。
従来の銀行送金(SWIFT)は、複数の銀行を経由してバケツリレーのようにお金を運びます。そのため、仲介手数料や通信費がかさみます。
一方、Wiseが採用しているのは、地下銀行のハワラと同じ「相殺(ネッティング)」の仕組みです。
例えば、日本からイギリスへ送金したい人がいる一方で、イギリスから日本へ送金したい人もいます。Wiseは世界各地に自社口座を持っており、それぞれの国内で「入り」と「出」をマッチングさせます。
つまり、「実際にはお金は一歩も国境を越えていない」のです。情報の書き換えだけで送金を実現するこの合理性こそが、安さの秘密です。
仕組みが同じなら、何が「合法」と「違法」を分けるのでしょうか。そこには徹底した法的ルールと消費者保護の仕組みがあります。
Wiseなどの業者は、日本の金融庁から「資金移動業者」としての登録を受けています。これは、銀行ではない民間企業が為替業務を行うための厳しい審査をクリアしていることを意味します。
地下銀行の最大のリスクは「持ち逃げ」です。しかし、正規の業者は法律に基づき、利用者から預かった資金の100%以上を「履行保証金」として供託(法務局などに預ける)することが義務付けられています。万が一会社が破綻しても、預けたお金は還付される仕組みです。
地下銀行は「匿名性」が売りですが、Wiseなどは厳格な本人確認(KYC)を行います。不透明な資金の流れを排除し、犯罪利用を防ぐことで、国際社会における信頼を勝ち得ています。
地下経済で古くから使われてきた「相殺」という合理的な知恵を、現代の「法規制」と「IT技術」で包み込み、誰もが安心して使えるようにしたのがWiseなどのサービスです。
「仕組み(ロジック)」は似ていても、「裏付け(クレジット)」が全く異なる。
この違いを理解することは、これからのキャッシュレス社会、そしてデジタル時代の金融政策を議論する上で極めて重要な視点となります。
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
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