2026/6/2
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
政治や経済のニュースで耳にする「レントシーキング」という言葉。直訳すれば「利得を追い求める」という意味ですが、これは単なる利益追求とは本質的に異なります。今回は、このレントシーキングの正体と、混同されやすいロビイストとの関係について整理してみたいと思います。
経済学における「レント(経済地代)」とは、本来、供給が限定されていることから生じる超過利益を指します。レントシーキングとは、企業や個人が自らの利益を増やすために、政治家や官僚に働きかけて法制度や規制を変更させ、自分たちに有利な環境を作り出す活動のことです。
重要なのは、これが「新しい価値を生み出して利益を得る」活動ではなく、「今ある富の分配を、権力を使って自分に有利に書き換える」活動であるという点です。
よく似た言葉に「ロビイスト」がありますが、この二つは「行為」と「役割」という関係にあります。
| 項目 | ロビイスト | レントシーキング |
|---|---|---|
| 定義 | 政策決定者に働きかける「専門職・手段」 | 利権を確保しようとする「経済的行為」 |
| 目的 | 意見表明や要望の伝達 | 超過利得(レント)の獲得 |
ロビー活動自体は、現場の声を政治に届けるという民主主義的な側面も持ち合わせます。しかし、ロビイストが「特定の業界が独占的な利益を得るための規制」を政治家に作らせる時、それはレントシーキングの強力な手段となります。
レントシーキングが蔓延すると、社会全体に深刻な停滞をもたらします。
本来であれば「より良い製品やサービスを作る」ために使われるべき企業の資金や優秀な人材が、「政治家への根回し」や「ライバルを排除するための工作」に投入されてしまいます。
不必要な認可制度や高い参入障壁が維持されることで、市場の競争が失われます。結果として、消費者は質の低いサービスを高い価格で買わされることになります。
一度出来上がった既得権益は、その利益を守るためにさらに強力なロビー活動を行います。これが、日本でなかなかイノベーションが起きず、古い制度が残り続ける大きな要因の一つです。
政治の役割は、一部の既得権益を守ることではなく、国民全体の利益を最大化することにあります。健全なロビー活動と、市場を歪めるレントシーキングを峻別する眼を持つことが、我々政治家にも、そして有権者の皆様にも求められています。
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
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