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宇沢弘文『社会共通資本』

2026/5/12

「命の基盤」を市場に売り渡すな 〜宇沢弘文が説いた『社会共通資本』の守り方〜

| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員

私たちは今、あらゆるものを「効率」や「利益」で測る時代に生きています。しかし、世界的な経済学者であり、日本の至宝とも言われた宇沢弘文氏は、強烈な警鐘を鳴らし続けました。それは「すべてのものを市場に任せてはいけない」という教えです。彼が提唱した「社会共通資本(ソーシャル・コモン・キャピタル)」という概念から、真の豊かな社会の姿を考えます。


1. 市場に任せてはいけない「3つの柱」

宇沢氏は、人間が人間らしく生きるために不可欠な基盤を「社会共通資本」と呼び、これらは決して利益追求の道具にしてはならないと説きました。それは大きく3つに分類されます。

  • 自然環境:大気、水、森林、河川。これらが破壊されれば、経済どころか生存すら不可能です。
  • 社会的インフラ:道路、交通、上下水道、電力。生活を支えるネットワークは、公平に提供されるべき公共の財産です。
  • 制度資本:教育、医療、金融、司法。これらは人間の尊厳に関わるものであり、決してお金のあるなしで差別されてはなりません。

2. 医療と教育は「商品」ではない

宇沢氏が最も危惧したのは、医療や教育が「サービス」という名の「商品」に変わってしまうことでした。 「医療を市場化すれば、救える命が経済格差によって切り捨てられる。教育を市場化すれば、子供たちの未来が親の所得で決まってしまう」。 これは、効率だけを追い求める「新自由主義」に対する真っ向からの宣戦布告でした。

彼は、これらを国家が統制(国有化)するのではなく、専門的な知識と高い倫理性を持った人々が、公共の立場で管理・運営するべきだと考えたのです。

3. 現代日本が直面する「社会共通資本」の危機

近年、日本各地で議論されている「水道の民営化」や「公立病院の統廃合」といった動きは、まさに宇沢氏が懸念した事態です。目先のコストカットのために社会共通資本を切り売りすることは、長期的に見て地域コミュニティの解体と、市民の生活基盤の脆弱化を招きます。

社会共通資本 市場化(民営化)のリスク 守るべき理由
上下水道 不採算路線の切り捨て、水質の低下 生存に不可欠な基本的人権
医療・介護 利益重視の治療、低賃金による労働崩壊 「命の格差」を生まないため
教育 格差の固定化、効率優先の人間教育 次世代を育てる国家の礎

4. まとめ:高槻から「豊かなコモン」を再生する

「経済学は、人間の幸せのためにある」。宇沢弘文氏のこの言葉を、私たちは今一度噛み締める必要があります。 政治の役割は、何でもかんでも民間に売り渡して責任を逃れることではありません。地域の大切な資源や制度を「共有財産(コモン)」として守り抜き、次世代へ手渡していくことです。

高槻の豊かな自然、そして市民が安心して受けられる教育と医療。これらを市場の荒波から守り、誰もが「生きていて良かった」と思える血の通った社会を創るために、私はこれからも宇沢氏の教えを胸に活動を続けてまいります。

| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員

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