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コルベール主義とは?

2026/5/10

「富国強兵」の源流はフランスにあり 〜コルベール主義とブロック経済の不都合な真実〜

| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員

「国家の富とは金銀の蓄積である」。そう断言し、フランスを欧州最強の工業国へと押し上げようとした男がいました。太陽王ルイ14世に仕えた大臣、ジャン=バティスト・コルベールです。彼の名を取った「コルベール主義」は、現代の産業政策や、悲劇的な歴史を辿ったブロック経済の原点とも言える思想です。


1. 国家が「会社」を経営する:コルベール主義の正体

コルベールの戦略は明快でした。「輸出を最大化し、輸入を最小化して、国内に金銀をかき集める」。そのために彼は、自由放任とは真逆の徹底した国家管理を行いました。

  • 国営工場の設立:ゴブラン織物や鏡ガラスなど、当時イタリアやオランダに負けていた高級産業を国家が直接育成しました。
  • 高関税の壁:外国製品を追い出し、国内製品を守るための高い壁を築きました。
  • 海軍の増強:貿易路を確保し、植民地から原料を吸い上げるための強力な艦隊を組織しました。

これこそが、明治日本が「殖産興業」で模範とした国家資本主義の原型です。

2. ブロック経済への道:囲い込まれる市場

コルベール主義は、単なる国内産業の育成に留まりませんでした。彼は植民地を「本国のための市場」と位置づけ、本国と植民地の間で排他的な経済圏を作りました。これが後に、1930年代に世界を破滅へと導いた「ブロック経済」へと繋がっていきます。

イギリスのポンド・ブロックやフランスのフラン・ブロック。これらはすべて「自国とその勢力圏だけで利益を独占する」というコルベールの発想の延長線上にありました。

3. 日本が「大東亜共栄圏」を掲げた理由

1930年代、持たざる国であった日本は、欧米列強が作った排他的なブロック経済に追い詰められました。「自前の資源ブロックを持たなければ、国家の存立は危うい」。その危機感から生まれたのが「大東亜共栄圏」という構想でした。

当時の日本が直面していたのは、まさにコルベール主義が生み出した「囲い込みの論理」に対する、命懸けの対抗策だったという側面は無視できません。

思想の変遷 主な特徴 歴史的影響
コルベール主義 輸出振興、国営工場、海軍強化 フランスの工業化。重商主義の完成。
植民地帝国主義 植民地を原料供給・販売拠点化 列強による世界の分割。
ブロック経済 域内貿易の優遇、域外の排除 第二次世界大戦の遠因。

4. まとめ:現代に蘇る「コルベール主義」の亡霊

アダム・スミスは、コルベール主義を「不自然な管理」だと厳しく批判しました。しかし、現代の半導体競争やEV補助金、経済安保の議論を見ると、世界は再び「現代版コルベール主義」へと回帰しているようにも見えます。

「国家が経済をどこまで管理すべきか」。
コルベールが残したこの問いは、自由貿易が揺らぐ今の国際情勢において、日本がどう自立を守り抜くかという極めて切実な課題を私たちに突きつけています。歴史の光と影を直視し、私たちは過去のブロック経済のような悲劇を繰り返さぬよう、知恵を絞らなければなりません。

| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員

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