2026/1/6
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
前回は、外為特会とは何か、日本はどこでドルを持っているのか、という仕組みを整理しました。
今回は、もう一歩踏み込みます。外為特会で得た利益はどこへ行くのか。そして、それは日本国民にとってどんな意味を持つのか。ここを数字のイメージで整理していきます。
日本は長年、世界最大級の米国債保有国として知られています。規模感としては、約1兆ドル超(円換算で150兆円〜160兆円規模)です。
この「保有している」という事実だけが一人歩きすると、「日本の税金がアメリカに流れているのでは?」という誤解につながります。しかし前回の通り、外為特会の仕組みは一般会計とは切り離されています。
米国債は利子がつきます。近年の米国金利環境を踏まえると、利回りはおおむね数%台で推移しており、単純に規模だけを当てはめても年に数兆円規模の利子収入が発生し得る構造です。
実際に外為特会の予算・決算を見ても、運用収入は年によって差はあるものの、概ね4兆円〜5兆円規模で見える年があります。利子はドルで入ってきて、外為特会の歳入になります。
外為特会で得た収入(利子収入や為替差益など)は、大きく分けると次の三つに整理できます。
一つ目は、将来の為替変動に備えるための内部留保です。円高になれば外貨資産は評価損が出やすくなります。急激な変動のショックを吸収するため、利益をすべて一般会計に回さず、一定額を特別会計内に積み立てる運用が行われます。
二つ目が、国庫納付金です。ここが一般会計とつながる最大のポイントです。2024年度(令和6年度)の決算では、外為特会の剰余金が約5.36兆円規模となり、約3.2兆円が国庫納付金として一般会計に納められたと整理できます。
この約3.2兆円は、社会保障、教育、地方交付税、国債費など、通常の予算の一部として使われます。減税や給付金のように「名前が付いて」見える形ではありませんが、もしこの国庫納付金がなければ、増税か、赤字国債の追加発行で穴埋めが必要だった、というのが実態です。
三つ目は、外貨準備の再投資です。米国債は満期が来ます。満期になった分は、新しい米国債への乗り換えや運用の組み替えが行われます。ここだけを見ると「利益でまた米国債を買っているだけでは?」と思われがちですが、実態は運用の継続と管理です。外為特会は、儲かったから買い増し続ける投資ファンドではなく、安全性と流動性を最優先に外貨準備を維持する仕組みです。
外為特会の利益は、為替や円安と表裏一体です。「為替で儲けた金」と正面から言うと、円安を歓迎しているようにも聞こえてしまう。このため、一般会計に溶かして使われ、あえて見えにくくなっているのが実情です。
ただし、見えにくいだけで、国民負担を確実に軽くしている面もあります。外為特会は「米国債を持っている話」で終わる仕組みではなく、財源面でも、通貨防衛面でも役割を持つ会計です。
次回は、この外為特会が「為替介入の実弾」としてどう使われ、円安や物価、ガソリン代、食料価格とどう関係しているのか。本当に国民の生活を守っているのか。そこを整理します。
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
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