2026/4/24
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
「日本の借金は1000兆円を超え、将来世代にツケを回している」という言説をよく耳にします。しかし、その根拠となる「予算の仕組み」そのものが、世界でも類を見ない日本独自の特殊なルールに基づいていることをご存知でしょうか。
今回は、日本の財政議論を硬直化させている「債務償還費」と「60年償還ルール」について、国際的な視点からその正体を明らかにします。
日本の一般会計予算には、国債の利子を払う「利払い費」だけでなく、借金の元本を返すための「債務償還費」が歳出として計上されています。
驚くべきことに、主要国の中で借金の元本返済を一般会計の歳出に計上しているのは、日本だけといわれています。
米国をはじめとする諸外国では、予算(歳出)の対象は「政策経費」と「利払い費」のみです。元本の返済については、新しい国債を発行して古い国債を返す「借り換え(ロールオーバー)」で処理されます。
これは「資金繰り(ファイナンス)」という扱いであり、議会で議論する「予算(歳出)」の枠外で処理されるのが世界の常識です。
なぜ日本だけが、わざわざ予算の中から元本を返そうとしているのでしょうか。その根拠となっているのが、国債を60年かけて現金で完済するという「60年償還ルール」です。
このルールが誕生したのは1906年(明治39年)。日露戦争によって膨れ上がった巨額の戦費を整理するために作られた「国債整理基金特別会計法」に由来します。
当時は、金(ゴールド)が通貨の裏付けとなる「金本位制」の時代でした。借金を着実に返す姿勢を見せなければ国際的な信用が得られなかった時代のルールを、自国通貨を発行できる現代でも頑なに守り続けているのです。
日本と諸外国で、予算の捉え方がどれほど違うのかを比較表にまとめました。
| 比較項目 | 日本(独自ルール) | 米国・諸外国(世界標準) |
|---|---|---|
| 歳出に含まれるもの | 政策経費 + 利払い + 元本返済 | 政策経費 + 利払い |
| 元本返済の財源 | 税収 + 借り換え債 | ほぼ100% 借り換え債 |
| 予算の見え方 | 返済額が含まれ、予算が圧迫されて見える | 純粋な政策経費と利払いのみで議論する |
(※補足:借り換えとは、満期が来た国債の返済資金を、新たに発行する国債で賄うことです。)
この日本独自のルールにより、私たちの社会には深刻な「歪み」が生じています。
本来であれば、教育、防衛、インフラ整備といった「未来への投資」に回せるはずの予算が、「借金の元本を返さなければならない」という名目のもとに、見た目上、大きく削られてしまっているのです。
世界標準では、国債は経済成長とともに借り換えていくものであり、GDP(国内総生産)に対する比率を下げることが重要視されます。日本だけが120年前のルールに縛られ、自ら経済成長の芽を摘んでいるのが実態です。
「国債は次世代への借金だ」という感情論だけで議論を止めるのではなく、その前提となっている会計ルールが現代に適しているのかを問い直すべきです。
世界標準に照らし合わせれば、日本の財政に対する見方は劇的に変わります。古いルールに縛られた「緊縮」ではなく、未来を見据えた「投資」ができる国へ。高槻市から、そして地方の現場からも、この真実をしっかりと発信してまいります。
| 小森さだゆき | 参政党 / 高槻市議会議員
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