2025/12/9
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
スイスフランが主要通貨に対して過去最高値を更新し続けています。対ユーロでは最高値圏まで上昇し、対円では1フラン195円前後と、2000年頃の60円台から見れば20年以上で3倍以上も値上がりした計算です。世界的な株価調整や地政学リスクが高まる中、「安全通貨」としてフランに資金が集まっています。
注目すべきはスイス経済が絶好調というわけではない点です。スイスは最近GDPがマイナス成長となり、金利もゼロ近辺まで引き下げられています。本来であれば利下げは通貨安要因ですが、それでもフランは買われています。その背景には実質金利と国の構造の強さがあります。スイスの実質金利はマイナス幅が小さく、日本の方が物価上昇に対して金利が低すぎる状態にあります。またスイスは医薬品・精密機器など高付加価値の輸出が中心で、通貨高でも競争力が落ちにくく貿易黒字が続いています。政府の純債務残高もGDP比17%と極めて低く、財政への信認が高い点も海外マネーを呼び込んでいます。
一方の日本は貿易赤字が続き、政府の純債務残高はGDP比134%と高く、財政への信認が揺らいでいます。かつて円はスイスフランと並び「安全通貨」と呼ばれ、リーマンショック時には円高が進みすぎて問題視されたほどでした。しかし現在は記録的な円安と物価上昇が重なり、地政学リスクや株価調整局面でも円が買われず輸入コストだけが増える状態です。円が安全通貨としての地位を回復できるかは、今後の成長戦略と財政運営にかかっています。
スイスと日本の為替の差は短期的な材料ではなく国の構造にあります。スイスは高付加価値産業・財政健全性・継続的な貿易黒字という「安全通貨の条件」を備え、インフレ率も低く抑えられています。日本はエネルギー輸入国で貿易赤字が続き、財政負担も大きい状態が続いています。2000年ごろ60円台だったフランが3倍以上に上昇した20年間の差は、構造的な違いが積み重なった結果です。
スイスフランが安全通貨として買われ続けるのは偶然ではなく国の構造が強いからです。一方で円が売られ続けるのも日本の構造問題が放置されてきた結果です。円が再び「安全通貨」としての地位を取り戻せるかどうかは、今後の成長戦略と財政の信認回復にかかっています。
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
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