2025/10/19
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
世界的なグローバル化の流れの中で、各国は外資導入を経済成長の柱と位置づけています。しかし同時に、外資による主権侵害や国内産業の空洞化といったリスクもはらんでいます。そうした中で、インドは「選択的な開放」という独自の方針を打ち出し、自国産業を守りながら外資を取り込む巧みな政策を実行しています。
インド政府は現在、製造業のGDP比率を約14%から25%へ引き上げるという明確な目標を掲げています。その中核となるのが「Make in India」政策であり、外国企業の誘致と国内産業の育成を両輪で進める戦略です。
半導体ではアメリカや日本、台湾などからの企業誘致を進め、2024年にはTataと台湾PSMCが合弁で半導体工場の建設を決定しました。EV分野でも、外国メーカーに現地生産を義務づけた上で関税優遇を与えるなど、「国内製造・雇用・技術移転」を条件とした外資誘導が徹底されています。
一方で、インドは安全保障上の観点から中国からの投資を厳しく制限しています。背景には、2020年のガルワン渓谷での衝突以降、両国関係が緊張していることがあります。これを受けて同年4月、インド政府は「Press Note 3」という規制を導入しました。
Press Note 3とは、国境を接する国(主に中国)からの投資をすべて政府の事前承認制にするルールです。 それまでは多くの業種で「自動承認」(届け出だけで投資可能)でしたが、この制度によって、中国企業や中国資本が関係する投資は一件ずつ政府の審査を受ける必要が生じました。さらに、別会社やファンドを通じた“間接的な出資”も対象とされ、抜け道を防ぐ仕組みとなっています。
実際、中国のEV大手BYDがインドで数千億円規模の工場建設を計画しましたが、政府承認を得られず撤退に至った例もあります。こうした姿勢は、経済安全保障を最優先する明確なメッセージでもあります。
インドはまた、中国依存の削減を非関税措置でも進めています。輸入品にはインド標準(BIS認証)や品質管理命令(QCO)を義務づけ、安価な中国製部品や機械が容易に市場に流入しないよう制度を整えています。
さらに、情報分野では2020年にTikTokなど中国系アプリを100種以上禁止しました。サイバーセキュリティ上の懸念を理由に、通信網・プラットフォーム領域への中国企業の進出を遮断しています。
インドのように外資を「選別して受け入れる」姿勢は、日本にとっても大きな示唆を与えます。特に次の3点は、日本が今後取り組むべき方向性として重要です。
グローバル競争の中で外資を拒むのではなく、戦略的に受け入れる力を持つことこそ、これからの日本に必要な経済防衛の姿だと思います。
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