2025/10/15
| 小森さだゆき|参政党所属/高槻市議会議員
いま日本では、「JICA(国際協力機構)」がどんな活動をしているのか、そしてなぜ日本政府が海外に資金協力を行っているのかについて、疑問や誤解を持つ人も少なくありません。「なぜ日本が海外にお金を出すのか」「それは日本人の税金ではないのか」と感じる方も多いでしょう。
その疑問を自分の目で確かめたいと思い、今回、私はJICAのインド・ニューデリー事務所を訪問しました。現地で日本の支援がどのように使われ、どのような成果を生み出しているのか。そして、誤った印象ではなく、事実に基づいて日本とインドの関係を理解することにあります。

今後ますます緊張が高まる国際情勢の中で、日本とインドの協力は対中国政策としても極めて重要な意味を持ちます。単なる援助ではなく、地域の安定を支える戦略的パートナーシップなのです。
円借款とは、日本政府が開発途上国に対して低金利・長期返済で日本円を貸す制度のことです。単なる「援助」ではなく、返済義務を伴う有償資金協力です。
金利はおおむね年1.5〜2.5%、返済(償還)期間は15年から最長40年。相手国は元金と利息を日本に返済する仕組みであり、「贈与」ではありません。しかも、この制度が始まって以来、返済不履行(デフォルト)は一度もありません。
JICAが資金を貸し付け、道路・鉄道・発電・上下水道といった社会インフラの整備を支援します。インドでは、この円借款が都市交通・物流・電力などの発展を支える大黒柱となっています。
インドは、世界で最も成長する市場のひとつであり、日本にとっても戦略的に極めて重要なパートナーです。政治・経済・安全保障の面でも、日印両国の協調は中国の拡張的影響力を抑止する鍵となります。
近年、インド政府は中国資本の投資を制限・拒否する姿勢を鮮明にしています。たとえば2020年6月、国家安全保障上の懸念からTikTokを含む59の中国製アプリを全面禁止しました。この措置は現在も継続しており、中国との経済関係は慎重な方向に進んでいます。
こうした背景から、日本の信頼性ある資金・技術・人材協力の重要性が急速に高まっています。さらに、安倍晋三元首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋構想(FOIP)」は、日印関係を戦略的に結びつける大きな契機となりました。
安倍首相は首脳会談を重ね、「日本とインドが共に地域の安定と繁栄を守る柱になるべきだ」と呼びかけました。その流れの中で、港湾整備・鉄道・海洋安全保障など多分野の協力が拡大し、現在の日印関係の礎が築かれたのです。
JICAの資料によれば、インドに対する円借款の累計は約8兆4,000億円に達しています。さらに技術協力、無償資金協力、官民投融資を加えると、およそ9兆円規模に上ります。
金額だけを見ると巨額に感じますが、その多くは金利付きで返済される投資です。日本企業の参画や技術輸出を促進し、経済面での循環を生み出しています。現地では日本の技術やシステムが導入され、インフラ品質の向上や雇用創出に直結しています。
円借款による代表的なプロジェクトには以下のようなものがあります。
これらの事業は交通渋滞や物流問題の改善に貢献し、インドの都市発展を大きく支えています。
かつては円借款が「日本企業に限定された紐付き融資(タイドローン)」として行われていましたが、現在では現地企業や第三国企業も参加できる国際入札方式へと移行しています。透明性が高まり、現地経済の自立と技術移転が進んでいます。
JICAの協力はインフラ整備にとどまらず、専門家派遣や研修受け入れなどの技術協力も含まれます。これまでに約1,200件を超えるプロジェクトが実施され、教育、医療、農業、エネルギー、防災など多様な分野で人材交流が進んでいます。
また、JBICの官民投資ファンドを通じ、日本企業と現地企業の連携も活発化。日本の技術とインドの若い人材が結びつくことで、アジア全体の競争力を底上げしています。
こうした協力は単なる「援助」ではなく、日本とインドの共創関係を築くものです。インドの成長を後押しすることは、アジア全体の安定やサプライチェーンの再構築にもつながります。
とりわけ、中国の経済的影響力が強まる中で、日本とインドが経済・安全保障の両面で連携することの意義はますます大きくなっています。一方で、プロジェクトの透明性、返済管理、現地制度の運用などには引き続き丁寧な監督が求められます。
重要なのは、「日本が一方的にお金を渡している」のではなく、金利を付けて貸し、確実に返済を受けているという事実です。円借款は日本の技術力と信頼を国際社会に示すツールであり、経済的にも外交的にも確かなリターンを生んでいます。
今回JICAニューデリー事務所を訪問し、職員の方々から詳しい説明を受ける中で強く感じたのは、日本とインドの関係は「援助」ではなく「共創」だということです。
インドはもはや援助を受ける国ではなく、日本とともに地域を支えるパートナーです。安倍首相が掲げた「自由で開かれたインド太平洋」という理念は、いまもその精神の中に息づいています。
誤解や対立ではなく、事実と信頼に基づいた協力を。 それこそが、インドと日本の未来、そしてアジアの平和を守る道だと確信しています。
#参政党 #国際協力 #インド太平洋
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