2024/10/18
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
以前、ブログでパキシル®について書きました(参照)。その際、セロトニンという神経伝達物質について触れました。
この成分を増やせば「うつ」は治せるのでは?と医薬品の開発が進められてきましたが、そう単純な話ではありませんでした。
■ セロトニントランスポーター
精神安定をもたらすとされるセロトニンは、神経の末端から放出されます。しかし、放出された量を調整する仕組みとして「取り込み機能(セロトニントランスポーター)」が存在します。これを「セロトニンの再取り込み」と呼びます。一般的な抗うつ薬は、このトランスポーターを阻害することでセロトニン量を維持しようとします。

■ セロトニントランスポーターの人種差
セロトニントランスポーターはタンパク質です。リボソームが遺伝子情報を読み取り、アミノ酸を組み合わせて作ります。その遺伝子情報は人によって少しずつ異なり、とくにセロトニントランスポーター遺伝子には人種差が確認されています。
この遺伝子は染色体17番にあり、情報をmRNAに移す「転写」が行われます。mRNAはリボソームに届き、rRNAが情報を解読、tRNAがアミノ酸を運び、設計図どおりに組み立てていきます。遺伝子情報をmRNAに転写するスタート地点を「プロモーター領域」と呼びます。

■ プロモーター領域の遺伝子多型
このプロモーター部分には「短い型(S型)」と「長い型(L型)」があり、SS型・SL型・LL型といった違いが存在します。できあがるもの自体は同じセロトニントランスポーターですが、機能面に差があります。
特徴的なのは日本人での偏りです。

日本人はLL型を持つ人が非常に少なく、96.8%がS型を含んでいるとされています。S型はセロトニンの再取り込みが速いため、放出してもすぐに回収してしまうのです。その結果、日本人は相対的にセロトニンが少なく、不安を感じやすい傾向にあります。
なお、日本人におけるLL型の少なさは世界一だそうです。
■ うつ病との関係性
この遺伝子多型とうつ病の関連性も研究されています。強いストレス環境下では、LL型の方がうつ病になりにくいと報告されています。
参照:Influence of life stress on depression: moderation by a polymorphism in the 5-HTT gene
ただし、絶対的な指標ではなく、あくまで「傾向」と考えられています。コロナ禍のパニック的状況や極端な同調圧力も、この遺伝子タイプの影響があったかもしれませんね。
■ 森林と遺伝子型の関係
少し離れた研究ですが、森林をよく歩く人とそうでない人でメンタル不調を比較したデータがあります。
男性では、ほとんど歩かない人においてSS型にメンタル不調が多く認められました。女性ではさらに強くSS型にその傾向がありました。ところが、森林を歩くとその遺伝子の影響は逆転してしまいます。
つまり、遺伝子多型の影響には性差も関係しているという複雑な結果でした。

■ 日本人には安心を与える方が大切
この傾向から、日本人は不安を感じやすいため、安心感を与える社会環境が望ましいと考えられます。うつ病に至らなくとも、不安から敵をつくる心理が「陰湿ないじめ体質」にも関わっているかもしれません。
コロナ禍では不安を煽る報道が繰り返され、その影響でワクチンを疑問なく接種し、結果として世界で最も頻回に接種したのが日本人でした。もちろん報道による情報統制もありますが、この遺伝的要因も一因かもしれません。
安心してください。現在コロナは「普通の風邪」となっています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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