長田 たくや ブログ

障がい福祉の不正請求問題、なぜ市の負担に?簡単に説明します。

2026/7/16

兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。
越田市長がFacebookで気になることを発信していました。
それは障害のある方を対象とした就労継続支援事業所不正請求を行った問題で、もし返還がされなかった場合、窓口である市が損害を被ることになるること。しかも、その事業所が他府県にあるとなれば、「自治体として実態把握や監査にも限界があるのではないか!」という訴えでした。

気になったので調べてみました。


不正請求をした事業所
大阪市内の就労継続支援A型事業所で、不正請求があったと報じられました。大阪市より、「不正に受け取った給付費に40%を上乗せして返還せよ」と、なんとその額は約110億円!!

では、これは何が問題だったのでしょうか。
参照:不正受給問題の絆HDが会社更生法申請 グループ負債総額290億円

A型とは簡単に言いますと、一般企業での就労が難しい方に、雇用契約にもって働く場を提供する制度です。B形もありますが、違いについては当ブログを参照ください。
当ブログ参照:就労継続支援(A型・B型)とは何か

A型で働いていた方が、”一般企業の就職して、かつ6か月継続して「定着」できれば、それは社会にとって良い仕事しているよね!”と施設自体にインセンティブがつくわけです。それが今回の問題となった就労移行支援体制加算です。

この加算は、事業所に対するインセンティブなので、定着した人数×加算で計算され、さらに事業所が抱えている人数分のお金が”上乗せ”してもらえるという仕組みなのです。

ということは…

一般就労とされる先が、実質的にグループ内・自社雇用であった場合、そこに6カ月間定着させれば、加算が得られるわけです。その期間が過ぎれば再びA型事業所に戻り、また就労した形を作ることを繰り返せば、”加算”を継続して得られるというわけです。


加算分は誰が支払っているか
市長の投稿によると、地元選出の国会議員と阪神間の首長との意見交換会に参加したとのこと。そこで、市長よりこの問題について、大阪市内の障害者施設による大規模な不正請求問題に関連して、阪神間の自治体が財政負担を強いられる可能性について言及されました。

どういうことか。

問題になった事業所の利用者が川西市民であったとしますと、その加算分の支払い窓口は市となるわけです。この費用は、「国½、県¼、市¼」と負担割合が決まっています。

今回のように不正請求が発覚した場合、
国・県「なぁ、市よ…前に渡したお金さ、あれあかんやつやったやん。返してくれへんか?」となるのです。
市「いやいや、回収できてなくて…」となりますが、
国・県「いやいや、そんなん関係ないからかえしてもらえんやろか?」と請求されるわけです。

市長の投稿によれば、阪神間7市1町では総額で7億円を越える金額が不正受給されたと見込まれ、川西市分で約7,000万円とのこと。
回収されれば問題はありませんが、冒頭のニュースでもあったように回収が現実的に難しいかもしれません。

制度的な欠陥であるとの指摘です。


医療福祉分野でよくある話
利用者本人の自立支援ではなく、利用者数や加算を増やすことが事業者の収益につながりすぎる制度設計になれば、支援がビジネスの道具になりかねません。ビジネスとして工夫する対象が、利用者そのものとなるのです。

これは医療分野でも、「○○したら加算ゲット」というので、診療報酬改定のたびに、それをいかに取得するかが経営にとって重要になってきます。私も調剤薬局勤務の時は、後発品体制加算を取得するために、めっちゃ動きましたもん。

国としては、高い支援力を持って頑張っている事業所には、しっかり応えてあげなきゃ!という想いでの制度設計なのでしょうけど、「理想論」と「現実論」でのギャップがあったのかなとも思います。行政には、悪知恵が働く人も入れておくべきじゃないでしょうか。

【私の考え】
障害者福祉については、私は基本的に国がより大きな責任を持つべきではないかと思っています。
実は地方自治体によっては、独自の障害者サービスを提供しているところもあるんですよね。つまり都市間の格差があって、それって障害者福祉にとってどうなん…って思っていました。スパッと分けて、市はグレーゾーンと呼ばれる方々に、もっと寄り添うような施策を取った方がいいんじゃないかなって感じます。

就業支援も半公務員みたいな感じで、ビジネス化するとこのような「工夫」が横行するんじゃないかと感じます。
私も障害者福祉について精通しているわけではありませんが、今のところそんな考えを持っています。


難しい問題ですよね…。
利用者の想いもそれぞれ違うし、事業所によってもバラバラでしょうし。かと言って無尽蔵に国庫負担ができるわけでもありません。

市行政は、可能な範囲で就業支援施設にアウトソーシングするというのも1つかなと思います。半公務員のような存在となれば、雇用も安定し、無理に加算を取得するといった動きを抑制できるやもしれませんし(もうやっているのかもしれませんが、また聞いてみようかな)。

お詳しい方がいればご意見いただければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆さまにとって、素敵な一日でありますように。
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著者

長田 たくや

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選挙 川西市議会議員選挙 (2022/10/16) [当選] 1,680 票
選挙区

川西市議会議員選挙

肩書 市議会議員・薬剤師
党派・会派 参政党

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