2024/10/2
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
決算審査では、令和5年4月〜令和6年3月31日までの予算執行額とその成果を確認します(2日目後半)。
決算書と成果報告書を突き合わせながら審議を進め、最終的に議会が決算を認定する流れです。
「予算がどう使われ、どんな成果が得られたか」について市が自己評価を行い、議員はそれを確認のうえ、報告書に載っていない点や評価そのものに対して質問・確認をします。
参照:①1日目 ②2日目前 ③2日目後 ④3日目前半 ⑤3日目前半
分析とは何か。割合データによる評価にはご注意という2つのことをお伝えします。
■ 行政サービスの分析に対する苦言
川西市では、他市にないほど充実した決算成果報告書を作成しており、誰でも確認できるようになっています。
参照:川西市webサイト
内容は多岐にわたり、市の取り組みが見える良い資料ですが、読んでいて気になる点もあります。
下表は一例です。「充実感を持って生きている若者の割合」の推移に対して、「コロナ禍以前の生活に戻ったことで、充実感を持つ若者の割合が上昇したと思われる」と“分析”されています。
しかし、R3年に81.4%へ上昇している事実との整合はどう捉えたのか。そこを踏まえて書いているのか、いないのかで意味合いは大きく違います。実際どう考えているのか、やわらかく問いました。

回答は「コロナ要因を排除しきれない」という趣旨でした。R5年の報告ではそう説明される一方、R4年度(数値が急落)したときの決算成果報告では「R3年は上がったが、取り巻く環境が複雑になっているので〜」と記載。さらに1年前のR3年では「上がったが、なぜかはよくわからない」というトーン。——これは“分析”とは言いません。紙幅の都合もあるでしょうが、仮説や検討の痕跡をもう少し書いてほしいのです。
市長はトップとして、「市民実感調査は年ごとに明確な数字にならない。長い目で見る必要がある。ただし結果は毎年出す必要があるので、長期的に見てほしい」と、まっとうなフォロー。まさにその通りで、実感調査はボヤッとしたデータです。その前提を担当課が明言したうえで、どう活用するかを示してほしい、という話をしました。
逆に、同一年度内の指標間比較から見えることもあります。
先ほどの「充実感」の調査は29歳までを母集団とし、82.3%が「充実感あり」。一方、「日頃の生活に悩みや不安を感じる」調査は39歳までが母集団で、約60%が「感じる」と回答。
➡つまり、30〜39歳層が全体の“不安”の数値を押し上げている可能性がある。
ならば、30〜39歳の地域性・性別・ライフステージなどをもう少し精査すれば、打ち手が具体化するかもしれません。それが“分析”ではないか? と指摘しました(既に調査済みなら失礼)。

■ 割合データによる評価にはご注意
「こども・若者ステーション利用者の満足度」のグラフと総括をご覧ください。結論は「高い満足度が得られた」。——本当でしょうか。

グラフには75.0%、50.0%といったキリの良い整数が並びます。この時点で私は母数の少なさを疑いました。R5年度の91.7%は11/12という数値。「サンプルはこの倍程度?」と想定して質問すると、約50人にアンケート送付→回収12(回収率20%)、そのうち満足が11との回答でした。ドンピシャの想定どおりです。
「91.7%が満足!」だからこの事業はスラバしい!
と効果説明に用いてしまう恐れがあります。こうしたケースでは、調査元データ・対象数・回収率などを必ず確認しないとミスリードにつながります。私なら、
「高い満足度傾向は示唆されたが、回収率20%・標本数12と小規模のため、結論には追加調査が必要」
と記載します。それが正直な分析と評価だと思います。
取り急ぎここまで。最後は特によく使われる手法ですので注意したいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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