2024/10/1
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
決算審査では、令和5年4月〜令和6年3月31日までの予算執行額とその成果を確認します(2日目)。
決算書と成果報告書を突き合わせながら審議を進め、最終的に議会が決算を認定する流れです。
「予算がどう使われ、どんな成果が得られたか」について市が自己評価を行い、議員はそれを確認のうえ、報告書に載っていない点や評価そのものに対して質問・確認をします。
参照:①1日目 ②2日目前 ③2日目後 ④3日目前半 ⑤3日目前半
■ 歳出(民生費)
民生費は、住民の社会保障や福祉に関わるもので、自治体歳出の中核。増やすのは容易でも、削減は難しい分野です。
ただし、支出には目的と目標が必要で、福祉だからといって無尽蔵に出せば良いわけではありません。その一例が小児医療の所得制限撤廃です。施策自体は否定しませんが、所得制限を外せば当然税負担は増加します(昨年度比+1.5億円)。

私の中では、所得制限を撤廃し、子ども医療費を無料すると
メリット
・経済的心配なく受診できる
・アレルギーなど継続通院が必要なケースで恩恵大
・都市間競争(転入促進等)に寄与
デメリット
・公費負担が増加
・いわゆるコンビニ受診が増える懸念
・大人の薬を同時処方するなどのモラルハザード(特に目薬等は容易)
想定アウトカム
メリット側:重症化前の受診が進み、入院率・死亡率の低下につながる
デメリット側:自然治癒力の涵養が弱まり得る など
■ 成果報告書にはアウトカムが不在
ところが成果報告書には、所得制限撤廃後の受給者数・受給金額しか記載がなく、評価も見当たりません。
掲載は受給者数であって受診者数ではない。所得制限を撤廃すれば、受給者・受給額が増えるのは自明。アウトカムをどう検証するかの記述が皆無なのです。


たとえるなら、ダムの口を開けて水位が下がったことに「やった〜!」と喜んでいる状態です。重要なのは、下流(住民の健康・暮らし)が潤ったか、さらに言えば水害(副作用)が起きていないかまで見ること。そこを評価指標で示すべきです。
そもそも、本事業の目的は、「医療の受けやすい環境を作る」とされています。では、これがどうやって達成されたのかを指標を考えなければならないはず。受診率の向上や入院率の低下などがアウトカムとして考えられるのではないかと提案しました(あとは少し薄くて遠いが保護者アンケート結果かと)。一応、批判だけではなく提案もするように心がけてはいます。
批判と提案したポイントについては、担当課も市長も発言いただいたので、一定の評価はいただけたのかなと感じています。健康に関しては、アクションに対して直接的な結果ではなく、真のエンドポイントが何かを考えて、それを評価する指標を主たるエンドポイントとする。それを考えていただきたいと思います。
■ 目的に立ち返った指標設定の提案
事業目的は「医療の受けやすい環境をつくる」。
であれば、以下のようなアウトカム指標の設定・検証が必要だと提案しました。
・受診率の推移(適正受診が進んだか)
・入院率・重症化率の低下
・(補助指標)保護者アンケートによるアクセス実感・満足度 等
批判だけでなく、測るべき“先”を示すことを心がけています。
この点については、担当課・市長からも発言があり、一定の手応えを感じました。健康分野は真のエンドポイント(住民の健康アウトカム)を見据え、主指標として評価してほしいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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