2024/6/28
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
川西市の定例議会で提出された「選択議定書に批准を促す意見書」について、その反対理由を書きます。
全三回に分けたブログ記事となっています。
1.考えるための基本編
2.反対する理由編(本記事)
3.ノーガード日本編
【お話しの流れ】
・ジェンダーギャップ指数など
・選択的夫婦別姓
・家族法の重要さ
GGI:ジェンダー・ギャップ指数、GDI:ジェンダー開発指数、GII:ジェンダー不平等指数
■ ジェンダーギャップ指数:GGI
「日本のジェンダーギャップ指数ランキングが低いぃぃ!いやぁああああああああ!」と言う論法がよく使われます。その指標の算定構造をご存知なのでしょうか。
当ブログ参照:男女格差指数がひどい=女性が不幸と思い込んでいる方へ

一目でわかる通り、政治参画のポイントが極端に低いのです。これさえ解決すれば、ジェンダーギャップ指数は上位に食い込みます。
例えば、政治参画が0.1から0.5に増加するだけで、計0.75となり、ランキングは50位くらいに上がります。
■ 男女不平等ではなく単純な話
ジェンダーギャップ指数が悪いことで、「女性が差別されている!」という論法は通じません。
だって、政治にもっと参画してもらうだけで改善できるからです。指数の改善を訴える団体は、もっと立候補しやすい環境を整えるため「仕事を辞めなくていい」「お金がかからない」「プライバシーが守られる」などの要望を出すべきでしょう?
■ クオータ制は絶対にダメ
女性の政治参加が少ない、管理職の女性割合が少ない…「せや女性枠を作ろう!」という短絡的な考え方はよくあります。
逆差別につながるよと言っても、「こうするしか物事が動かないからいいじゃない!」という強引極まりない論法もあります。
これをしてしまうと、本当に優秀な女性と、枠で選ばれた女性の見分けがつかなくなります。優秀な女性までもが、「枠の人」と思われるのは心外でしょう。そのような主張をするよりも、働く単価を上げていく政策を進めるべきだと思います。
私が新入社員だった頃、能力重視の職場だったし、男女の違いはあまり気になりませんでした。
(むしろ女性の先輩の方が怖かった)
■ GII:ジェンダー不平等指数
同じく国際比較できる指数ですが、リプロダクティブヘルス(妊娠・出産が安全か、中絶ができるか、性教育が充実しているかなど)やエンパワーメント(自己決定権)について評価されています。日本は22位で、男女平等が実現されていると言えるのではないでしょうか。
権利という意味では多くが守られていますが、管理職が少ない、給与が少ないなどの格差はデータとしてあります。

■ GDI:ジェンダー開発指数
健康・教育・収入の男女差をスコア化した指数です。収入の男女差が原因でランクが低くなっています。
日本は92位/193か国(2024年)
よく考えてほしいのは、男女の収入差は選択議定書に批准して外圧で解決されることなのでしょうか?海外ではベビーシッターを移民労働として安価にしている国もあり、そのような方法で女性が働けらば、年収格差が小さくなることも考えられます。
一方、仕事よりも子育てがしたいという親もいます。
では、総じて日本の女性は不幸なのかと言えば、世界価値観調査によれば、女性の幸福度は男性よりも常に高い結果が得られています。
■ ジェンダーギャップ指数の矛盾
ジェンダーギャップ指数が上位の国について紹介します。
【6位 ニカラグア】
女性の全面的な人工中絶を禁止する法律が導入されました(2006年)。それまでは特別な状況下での中絶が許されていましたが、法施行後は6〜30年の禁固刑に処されることになりました。
参照:中絶権を巡る報道:南北アメリカ
【8位 ナミビア】
女子の児童婚率は約18%です。
参照:ナミビア(特に農村部)におけるジェンダーを理由とした暴力
【9位 アイルランド】
アイルランドでは、1937年に制定された憲法で「女性が家庭内で生活することが国益に資する」と規定され、外で働くことを国家が制限する内容が含まれています。これを削除するかどうかを決める国民投票が行われ、74%が反対しました。
参照:アイルランド、「女性は家庭内に」の条文を維持 憲法改正に反対多数こちら
ジェンダーギャップ指数の順位を基に女性の権利を主張することには、的外れな部分があるのではないでしょうか?
多くの人が、アンケートや署名をそれらの知識がないままで行っているように感じてなりません。
CEDAW選択議定書の批准推進において、選択夫婦別姓の制度を導入すべきだという運動があります。「経団連もそう言ってる!時代が変わった!」と語気を強めています。この論調には頭が痛くなりますね。ついでに、戸籍制度廃止を求める団体もあります。
参照:経団連提言 選択肢のある社会の実現を目指して
■ 夫婦別姓の国
韓国は夫婦別姓を採用していますが、それは自由度が高いという意味ではなく、儒教的な考え方が強く残っていることを意味します。
女性が男性の家系に入ることを避けるため、以前までは子どもは父親の姓を名乗ることが法律で定められていました。
2008年に法改正がされましたが、「子は父の姓に従う」という条文はなくなったわけではなく、夫婦間で同意すれば母親の姓に従うことができるようになっただけです。ちなみに、韓国のジェンダー不平等指数は7位、ジェンダーギャップ指数は94位です。ランキングを求める無意味さをわかってほしい。
儒教では、女性は男性の所有物という色合いが強く、現在に至ってもその影響は強く残っているものと考えられます。OECD調査によれば、女性に対する暴力は、中国・韓国が圧倒的に日本より多いことがわかります。
参照:儒教社会を生きる女性たち

日本の朝鮮統治時代では、日本の法を持ち込むしかありませんでしたが、朝鮮民事令第11条では、「民法の親族および相続に関する規定は朝鮮人に適用せず、朝鮮人の慣習に従う」と規定し、日本の家族制度を強制することなく、朝鮮の慣習に従うことが認められていました。
家族法(民法第4編725条以降)の重要性は大きく、他国への強制ができないこと、文化や伝統を重視するべきという認識があったと考えられます。
■ 戸籍制度のすごさ
夫婦別姓推進には、戸籍廃止を求める論調もあります。しかし、アンケートで「夫婦別姓は良い」と答えた人が、戸籍についてどこまで考えているのかは不明です。「ジェンダーギャップ指数が低い=女性差別」という極めて短絡的な思考に引きずられている論法が目立ちます。戸籍制度の維持/廃止についても、もっと慎重に考えるべきです。
戸籍があることで、故人(被相続人)の出生から婚姻、死亡まで全ての履歴と家族関係がわかります。一方、戸籍がない国では、家族関係の証明が非常に煩雑になります。戸籍のメリットをしっかり考慮すべきです。
参照:弁護士 絹川恭久氏の記事
■ 通称使用の拡大で良い
私は、夫婦別姓でも良いと考えます。いわゆる通称拡大です。前述した家族法に影響を及ぼすのは、別姓を望んでいない人にも影響するため辞めていただきたい。
通称使用を拡大することで、銀行やクレジットカードの問題も解決できるはずです。夫婦別姓のために選択議定書にわざわざ批准する必要があるのか。答えはNOだ。通称拡大への法改正や、議員に働きかける運動で解決するべきです。
■ 批准しても法的拘束力はないから…
選択議定書に批准して、仮に国連に通報されて何か言われても、法的根拠がないため大丈夫だという声もあります。
ほんなら、なおさらいらなくね?
法的根拠がなくても、法廷でその意見を扱うことは十分に考えられます。法的根拠がないものは、逆に恣意的に利用されるリスクがあると考えます。
■ ジュネーブ条約
ジュネーブ条約第77条には、「女子は、分離した場所に拘禁し、且つ、女子の直接の監視の下に置かなければならない。」と、有事の際に、女性には特別な措置を取ることが明記されています。そこには生物学的な判断が含まれています。
ジュネーブ条約でさえ、男女差別と言えますか?
参照:ジュネーブ条約
以上、長くなりましたが、女性差別撤廃条約・選択議定書への批准するメリットを一切感じません。むしろリスクの方が高いと判断し、意見書案にはNOを選択します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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