2026/7/20
兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。
兵庫県の不適切会計があったと報道がありました。実際、どういうことかいまいちわからんかったので、調べてみました。

簡単に言えば、”借金を返すためのお金を返済せずに「貯金」として残した結果、「借金返済のための貯金は結構ありますよ」と見える状態になっていた”、というお話です。
参照:財政再建へ投資10%削減 兵庫県、「早期健全化団体」への転落回避を目指す
公式資料:公共用地先行取得等事業債の取扱いについて(令和8年7月13日)
■ 経緯
2000年(平成12年度)、兵庫県は490億円分の借金「公共用地先行取得等事業債」を活用して、山林など複数の土地を買い取りました。
2017年度以降、県は土地の売却を進め、2020年度の借金の期限(満期時)には338億円の売却収入が貯金(基金)に積まれていました。ここまでは問題ありません。
本来は満期が来た時点で、基金から338億円を切り崩して借金返済に充て、残りの借金分152億円だけを借り換えるべきでした。ところが県は、490億円を丸ごと借り換え、返済に使うべき338億円を基金に残しました。
つまり、借金返済を先延ばしにして、貯金通帳の額だけは”ほっこり”していたというお話です。
そこで疑問が出ると思います。
「ん?結局、総額は同じでは?」
ここで、実質公債費比率という借金の割合を見る指標がカギとなってきます。
■ 実質公債費比率とは?
本当は県の財政カードとか調べて書いた方がいいけど、ちょっと時間がないので、市の財政カードから数字の関係性を見てほしいと思います。
下表には色々と数字が記載されていますが、「実質公債費比率」を計算するのに分母が収入、分子が公債(借金)と考えてください。
簡単に言えば、毎年返す借金の金額が収入の何%あるかを正確に調べよう!というイメージです。
ですので、借金だけど国から返ってくるお金とかもあるから、分子・分母で差し引いて「実質的な」借金を計算することになります。

赤枠が、その年度の実質的な借金返済負担を示します。その構成パラメーターの中に「減債基金不足算定額」とありますね。
これは、「将来、借金を返すためには貯金せなあかん。でも、目指すべき貯金額まで貯められていないよね。ほんなら、その不足割合に応じた金額を、実質的な借金返済負担に上乗せして計算するで!」というものです。
これによって、各地方自治体の財政状況をフェアに観察し、財政問題がないかをチェックしたいというのが国の意向です。
本来、2020年度の満期時には、土地の売却で得た338億円を基金から切り崩し、土地取得のために借りた借金の返済に充てなければなりませんでした。ところが県は、490億円を丸ごと借り換え、338億円を基金に残したまま、実質公債費比率を計算する際の基金残高にも含め続けたのです。
すると、「借金返済のための貯金がしっかりありますよ」と計算されるため、「減債基金不足算定額」が小さく抑えられます。その結果、実質公債費比率が、本来より低く算定されていたというカラクリです。
ややこしいですが、これが事の経緯をかなり単純化したものです。
以下は県の資料を貼っておきます。


さて、本来返すべき借金を先送りした結果、この問題が今になって表面化しました。
県議会や監査を含め、なぜ誰も止められなかったのでしょうか。確かに、通常の財政カードだけから、この処理を読み取ることは困難ですが、”監査”は専門なのだから何しているの?って感じです。
しかも、前知事の指示という話もありましたから”単純な計算間違い”ではなさそうです。
これさ、斎藤知事うんぬんよりも普通にやばくないか?
異常なほどの斎藤知事叩きが起こっていますが、本件と関連があるようにSNS上では飛び交っています。でも、その感覚はあながち間違ってはいないように感じます。兵庫県も知っていてわざとしていたようですから、これは大失態ではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な一日でありますように。
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