2025/10/3
こんにちは。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
現在、令和6年度の決算審査中ですが、川西市で大麻栽培が発覚し、逮捕者が出たというニュースが流れました。
大変驚きましたが、せっかくなので…
「大麻」「麻薬」「覚せい剤」――これらの言葉、なんとなく同じように聞こえますが、実は全く違うカテゴリーです。
今回は、事件の背景をきっかけに、大麻にまつわる法律・文化・医療の側面から解説します。
参照:神戸新聞

■ カテゴリは3つ
大麻は法律で厳しく規制されている植物です。しかし「覚せい剤」「麻薬」「危険ドラッグ」など、まとめて一緒のように聞こえて混同されがちです。ここで整理しておきます。
【代表的な品目】
①麻薬
あへん、ヘロイン、医療(モルヒネ、コデイン、フェンタニル)
②覚せい剤
アンフェタミン、ヒロポン、医療(ADHD治療薬)
③大麻
マリファナ、医療・嗜好(カンナビノイド、麻子仁、麻の実)
それぞれに対応する法律も異なります。
【法律】
①麻薬:麻薬及び向精神薬取締法
あへん戦争の頃から世界的に規制。日本でも戦前より規則があり、戦後に法制化
②覚せい剤:覚せい剤取締法
戦前、戦中の世界中で疲労回復薬として流行、その後依存症が発覚。戦後に法制化
③大麻:大麻取締法
敗戦後、GHQによって制定された。
それぞれの起源(始祖)も違います。
【起源】
①麻薬(ケシの花:あへん)

②覚せい剤(麻黄:エフェドリン)

③大麻(麻)

■ 共通点
いずれも中枢神経(脳)に作用し、依存性が問題となります。
■ 麻薬
過去のブログ【くすり】 アメリカを蝕むフェンタニルとは 【医療用麻薬】に詳細を書きました。ご一読ください。
■ 覚せい剤
過去のブログ【くすり】 ADHD治療薬とは何なのかに詳細を書きました。ご一読ください。
■ 大麻の歴史と規制
日本人と麻は深い関わりがあります。縄文時代の遺跡からは縄が出土し、神事や医療にも使われ、人々の生活を支えてきました。名字に「麻」が付く方も多いですね。

1925年頃には、繊維だけではなく、大麻チンキという医薬品として販売されていました。敗戦後の1948年、GHQ占領下で大麻取締法が制定され、栽培は知事の許可制となり、実質的に不可能となりました。
1961年の「麻薬に関する単一条約」によって国際的な規制植物となりました。1970年代以降、マリファナ合法化の草の根運動と人道的使用の観点から医療用大麻の規制緩和を求める声が次第に大きくなり、1996年の米国カリフォルニア州における医療用大麻合法化を契機として、世界各国で医療用大麻合法化の動きが加速しました。
参照:国内外におけるカンナビノイド規制の現状
■ 大麻の成分
大麻の主成分は「カンナビノイド」と呼ばれる物質群です。100種類以上ありますが、代表は以下の2つです。
・THC(テトラヒドロカンナビノール):マリファナの主成分で精神作用を持つ
・CBD(カンナビジオール):精神作用がなく、安全性が高いとされる
CBDはネットで普通に購入できますね。私も一度試してみたことあります(あんまりわからんかった^^;)

日本産の大麻にはTHCが極めて少なかったとされます。そのため、日本薬局方に掲載されていた大麻チンキにはインド産大麻が原料として用いられていました。インド産はTHCが多く含まれていたためです。

チンキは草をアルコールに漬けて抽出するため、効果は不安定で、モルヒネやバルビツール酸に比べ信頼性が低いと医師から評されていました。
■ CBD医薬品エピディオレックスの臨床試験
日本でも、海外で承認されている難治性てんかん治療薬「エピディオレックス」(主成分CBD)の臨床試験が始まりました。期待されていましたが、有意な効果が認められなかったようです。

なお、新型コロナ治療薬ラゲブリオ®も最終的に「有意差なし」とされましたが、国費でバリバリ処方されていたことを思い出しますね。
当ブログ参照:刮目せよ!これが9万円の実力じゃい!
■ 作用部位
THCやCBDは、カンナビノイド受容体(CB受容体)に作用します。
CB1受容体:
脳(中枢)に多い
THCが強く反応する(多幸感や食欲増進)
CB2受容体:
免疫系の細胞や脾臓など
炎症や免疫調整
CBDは両方に弱く作用し、セロトニン受容体などにも広く影響します。
■ 実はほとんどの人が食べたことある
大麻なんて自分とは関係ない話だわ~、と思った方!実は、ほとんどの大人が食べたことがありますよ。
それは…「七味唐辛子」です。
中に入っている麻の実は、実は大麻草の種なんですよ。
種子には、THCが入っていないことが知られています。

ただし、発芽しないよう処理されており、主に中国など海外から輸入されています。
種は、規制対象外なんですね。

■ 漢方薬にも使用
麻子仁丸(ましにんがん)という便秘の薬があります。特に油ものをあまり取らないような、高齢者や便の硬い人に向いてますね。この麻子仁とは、文字からわかるように麻の実だったのです。漢方薬にも使われているのでした。

今回は川西市で大麻栽培が発覚する残念なニュースがありました。大麻という文字を見ることも多いでしょう。世間的には、麻薬・覚せい剤・ドラッグ・フェンタニル・大麻・マリファナも、全部一緒のものだと勘違いしてそうですので、ぜひ系統立った情報提供ができたらと思います。
「大麻ではなくマリファナを規制すべき」という意見もあります。CBDは依存性がなく、未解決の医療ニーズに応える可能性があるためです。
参照:03. 日本の麻文化を守るために訂正版2
一方で「マリファナを全面解禁すべき」との主張もありますが、資料を見る限りリスクは大きいと感じます。海外のドラッグ蔓延は、治安を考えるとやはり危険だと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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