2025/3/22
こんにちわ。兵庫県川西市議会議員の長田たくや(ながたく)です。
今から30年前の1995年3月20日、地下鉄サリン事件(東京)が起こりました。
サリン工場とカナリア(①なぜカナリア?)
サリンの毒性を解説(②サリンの毒性)
オウムという組織(今回)
良ければ合わせてお読みください。今日は組織についてです。
当時12歳だった私は、テレビで連日オウムの報道を見ていました。彰晃マーチだったり、空中浮遊だったり、子供ながら”エンタメ枠”としてしか見れていませんでした。あらためて、経過などをたどりますと、正直これほどの組織だったのかと驚いています。
オウム真理教が起こした三大事件。
1989年 坂本弁護士一家殺人事件
1994年 松本サリン事件
1995年 地下鉄サリン事件
当時、坂本氏はオウム真理教の闇を追求していました。
その頃”真理党”という政治団体をつくり、オウム真理教は衆議院選挙を目指していました。その妨げになるということで殺人に至りました。当時は証拠も不十分で、かつテレビではオウムを擁護するような学者もいました。結果として、1990年に衆議院議員選挙に出馬することとなったのです。
私も選挙に携わるようになって、選挙をする側の大変さというのが少しはわかるようになりました。真理党の活動では、あの「彰晃彰晃しょこしょこ彰晃ー♪」の彰晃マーチが披露されたわけですが、当時から、”しょこしょこ”ってなんやねん(笑)ということで爆ウケしてた記憶があります。確かにリズムは覚えやすく耳に残るフレーズではありましたね。
この中毒ソングでは、以下の主張がありました。
1番:消費税廃止
2番:教育改革
3番:福祉推進
現在でも通じることを訴えていたんですね・・・
その時、麻原はなんと34歳でした。しかも25名も出馬し、みな27~37歳くらいの若い候補者でした。今考えたら、これはこれでほんますごい。供託金が1人200万円だったそうで、単純に5000万円もの資金を投入したわけです。
結果は、惨敗でした。供託金もすべて没収されてしまいます。信者数と基礎票数が合わず、不正選挙を訴えていたそうです。ここから国(政府)を敵視するようになりました。
選挙を終えて資金的に厳しくなりましたが、石垣島でセミナーを行って息を吹き返したそうです。そこでは、気球でボツリヌス毒素を世界に散布する計画を立てていたそうです。その時期から本格的なテロを計画するようになります。
平時でのサリンガスを使った無差別テロは、長野県松本サリン事件が世界で初めてでした。嫌な世界初です。長野県松本市に食品工場を建てようとしましたが、地元の反対運動のため断念し、不動産、裁判所、地主を相当恨んでいたそうです。
その後、マスメディアや警察の冤罪騒ぎ(河野義行さん)もあり、疑いはあれどオウムを最後まで追求できませんでした。
さらに1995年1月17日には阪神淡路大震災もあり、社会的混乱から強制捜査もされませんでした。
同じインパクトを与えれば捜査されないのでは?と考えて、3月20日に地下鉄サリン事件を起こしたそうです。
様々な偶然も重なっていたんだなぁと思いました。
若いころより、鍼灸院を営み、漢方薬局も併設して、怪しい商品を売りまくって稼いでおり、同時に”世直し集会”などもやっていたようです。逮捕されても、同じような薬局などを開設し、ヨガスクールなども経営していました。その後に宗教団体をつくり、教祖となっていくわけです。
日本だけでもピーク時には1万5千人の信者がいました。
有名理系大学の人も在籍し、その技術力からサリンが作られたわけですが、彼らを引き付ける”理論的なものがしっかりしていた”のだと思います。オウム真理教について論じているものを少し読んだら、宗教学的にはデタラメらしいのですが、シヴァ神、イニシエーションやシャクティパット自体は系統だっていたそうです。
参照:パッと読んでも理解ができなかった論文
ちょっと嫌なのが、ユダヤ陰謀説も唱えていたそうです。Wikipediaですが、以下のようなことが書かれていました。
オウムによれば、フリーメーソンなどのユダヤ人組織の陰謀で、日本人は情報操作や、ファーストフード、ジャンクフード、インスタント食品によって思考力を奪われており、副作用の強い、毒である薬を企業の利益のために飲まされ、天皇も彼らの傀儡とされた
ユダヤ人の話などは、歴史的にありえることももあったり、ジャンクフードの話もちょっとわかる^^;当時からこんなことを言ってたのですね。
人間の体や精神というものは、科学的にわからないことが多いです。理系ほど、わからないことに対して宗教に答えを見出してしまうのかな・・・とも感じました。
例えば脳波は、電気信号で読み取れば目視にできる実在の現象です。では、教祖の脳波を自分の頭に入れたら同じ感覚になれるのでは?というのも理屈としては成り立ちますよね。そしてあのヘッドギアが誕生したようです。PSI(パーフェクト・サルベーション・イニシエーション)ヘッドギアという名前だそうです。これを100万円!って言われた時点で、”う~んやめときます”ってなると思うんですけどね。
わからないものに対して、答えを求めること自体は別におかしなことではありません。それが変にマッチングしたのでしょう。よくわからん世界の話でも、正しいとなったら信じ込んでしまったのかもしれません。真面目な人ほどそうかもしれませんね(わたしは大丈夫だな)。
第7サティアン(サリンプラント)
クシティガルバ棟(土谷正実の実験室)
第8サティアン (マハーポーシャのパソコン組立工場)
第12サティアン (自動小銃、サリン噴霧車製造)・・・
なんだか宗教団体とは思えませんよね。それを率いて実行したわけですから、子供の頃の印象と、大人になってあらためて感じた印象が大きく変わりました。「うかろう安かろう亭」という飲食店もやっていたとか・・・。
ホーリーネームもすごい・・・(リンク)。功績のあった幹部には、”ヴァジラチッタ・イシディンナ”とか”クリシュナナンダ”とか、そんな名前がつくようで、麻原の会話記録で、ホーリーネームで呼んでることもわかてちます。まず覚えるのが大変だけど、そういった世界観の構築が大切だったのかもしれないですね。
功績ある人を特別待遇にしたり、反社会的(不正や理不尽)な行為も、この世界(組織)のためだからと正当化する。特別感や正当化って、どこの社会、組織にもあるのではないでしょうか。強弱はあれど、オウムが特殊なわけではなく、本質的なものは同じなのではないかと一人考えて込んだ1日でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日になりますように。ご意見・ご感想はこちらまで
takuya_nagata_1026@yahoo.co.jp
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