2026/5/27
兵庫県 川西市議会議員(薬剤師) #長田たくや です。
国家情報会議設置法案が国会を通過しました。反対したのは、立憲、れいわ、共産でした。弁護士団体なども反対を表明しているようです。あらためて何なのかを簡単に書きました。

おおまかな内容はこちらです。
参照:「国家情報会議」設置法案、参院委で可決 公明賛成、立憲は反対
■ 国家情報会議設置法案
これは、いわゆる「内調」のアップデート版とも言えます。説明していきましょう。
以下が法案の概要です(リンク)。

内閣官房って聞いたことあると思います。これは内閣を補佐・支援する機関です。具体的には、内閣の庶務、重要政策の企画立案・総合調整、情報の収集調査などを担っています。
組織図は以下のとおりです。

黄色で囲んでいるところに、「内閣情報官」がおり、「内閣情報調査室」があります。いわゆる「内調」と呼び、いわば実務を担う組織になります。
これらの情報活動を政府内で調整する会議体が、「内閣情報会議」です。この会議は、法律ではなく閣議決定によって設置されるものでした。
参照:官邸直属の情報機関「内閣情報調査室」
今回の法案は、これらを次のように格上げして置き換える法案です。
内閣情報会議(閣議決定)→国家情報会議(新法・調査審議機関)
内閣情報調査室→国家情報局(事務局・実務組織)
内閣情報官 → 国家情報局長(責任者)
各省庁には、資料・情報の提供や説明など、必要な協力が求められることになります。
国家情報局は、より総合的な「調整権」を持つことになります。
■ 参政党の質疑(4月22日)
参政党の川裕一郎議員は、本法案について、単なる省庁間の情報集約や組織改編ではなく、「日本が情報主権を確立できるか」という国家の根幹に関わる問題だと位置づけて質問しました。
主な論点は、通信インフラ、クラウド、OS、半導体、AI、暗号技術などが海外企業に大きく依存している現状で、日本が本当に主体的な安全保障判断を行えるのかという点です。
川議員は、国家情報会議を設置しても、元データや基盤技術が海外依存のままでは、最終的な判断が他国や海外プラットフォームに左右される危険があると指摘しました。
小泉防衛大臣は、米国など同盟国との情報協力は重要だとしつつ、日本自身の情報収集・分析能力を高める必要があると答弁しました。国産衛星コンステレーションを活用した画像情報取得など、防衛省として独自能力の強化に取り組んでいると説明しています。
また川議員は、国家情報会議が「対外情報の受け身の受け皿」なのか、「情報自立への第一歩」なのかを問い、木原官房長官は、単純な二分法では答えにくいとしつつ、政府全体のインテリジェンス司令機能を強化する「重要な基盤整備」であり、インテリジェンス改革の第一歩だと答弁しました。
《ここは、はっきりと、第一歩にします!と答えるべきところでしょ!》
全体として、川議員は「日本が自分の頭で考え、自分の目と耳で世界を見て、自分の判断で国民を守れる情報主権を確立すること」と、「情報機関が国民監視や抑圧の道具ではなく、自由と尊厳を守る存在であること」の2点を重視すると締めくくりました。
川議員のように小手先ではなく、本質的な存在意義について議事録に残していくことも重要だと思います。
■ 反対の理由
”戦争できる国になる論”で台無しに。
これは正直言ってあまりに飛躍した批判だと思っています。自由法曹団は、以下のような声明を出しています(リンク)。
こうしたインテリジェンス体制の強化は、戦争する国づくりと一体の動きであり、また、国のスパイ活動の対象は国民にも及び、市民監視や人権侵害が拡大するおそれがあるのであるから、自由法曹団は、本法案に反対し、その廃案を求める。
このワードが出た時点で読む気をなくすのですが(汗)ただし、痛いところを突いている部分もあります。
G7の中で情報局を持たないのは日本だけであり、日本は情報局がないためにスパイ天国となっていると説明。一方、石破内閣時の答弁にて、『各国の諜報活動が非常にしやすいスパイ天国であり、スパイ活動は事実上野放しで抑止力が全くない国家である』とは考えていない。」とありました。
この答弁から、立法するだけの事案や事実が十分に示されていないという指摘ですね。
これは立憲民主党(参議院)も同様の観点で”反対”に至っています(リンク)。
一方、国民民主党の質疑では、インテリジェンスの失敗例として「北朝鮮による拉致問題」を取り上げています。まさにそのとおりで、情報収集に時間を要していたのは事実ではないでしょうか(リンク)。
で、立憲+公明である中道改革連合(衆議院)は賛成しています(リンク)。
個人情報の保護や市民団体活動への影響についての懸念事項は共通していますが、それらは国会答弁と法律への「附帯決議」にて一定の解消はできたとして、中道・公明は賛成しています。
附帯決議は、法的な拘束力を持ちませんが、法律の運用に当たって、次の点に注意するよう求めるという議会の意思が反映されます。内容は、国家情報会議・国家情報局による情報機能強化を認めつつ、情報収集の範囲拡大、個人情報・プライバシー侵害、政治利用、特定省庁による人事独占を防ぐため、国会報告・公文書保存・民主的統制を政府に求めるものです。
参照:国家情報会議設置法案に対する附帯決議
「スパイ防止法案で困るのはスパイだけ」
まさにそのとおりですね。戦争に反対する意見や団体を弾圧するんだとのぶっとんだ主張もあるのですが、国家情報局がなくとも新型コロナの時に、言論弾圧や同調圧力がありましたよね?他国の意向も影響していたでしょうし、SNSですらX(Twitter)を除けば自由な言論空間ではありませんでした。
スパイ防止の中に含まれるとは思いますが、アメリカのFARAのような法律が本当にできてほしいですね。
当ブログ参照:アメリカにて、中国系移民の市長が「FARA」違反で辞職…日本は大丈夫か?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な1日でありますように。
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