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憲法前文について知っていることを書いてみた

2023/1/25

NHK党浜田聡参議院議員が憲政史家の倉山満さんと憲法改正草案の作成を進めています。

政治に興味を持った人の中には、まず憲法を勉強してみよう、と思う人も少なくないのではないでしょうか。

憲法の教科書は色々売っていますが、お金が掛かりますし、条文だけならネットで無料で見ることができます。そこでまず、憲法を読んでみようと思って、憲法前文に出会い、それを読んで挫折してしまう人が多いのではないか、と思っています。

なんで挫折するかというと、読みにくいからです。まあ、終戦直後に作られた憲法なので80年くらい経っていて、日本語もだいぶ変化している、ということもあるかと思います。が、実態としては、英語を日本語に翻訳した文章だから読みにくい、という面があります。

憲法前文の読みにくさ

これに関しては、石原慎太郎さんが国会議員だったときに、「てにをは」に間違いがあるから改正しよう、と訴えて話題になったことがありました。

石原さんは政治家であると同時に作家でもあります。芥川賞作家です。日本語に対する感性が人よりも強いので、気になって仕方なかったのかな、と思ったりします。

倉山満さんの本によると、日本側で日本国憲法を作った人たちは、非常に能力が高かった人たちなので、本来だったら良い日本語の文章が書けたのに、敢えて翻訳調の文章のままにしたそうです。

何故かというと、憲法改正がGHQの支持で行われていることを、暗に国民に知らせたかったから、だと言います。国際法では、占領した国の法律を変えてはいけないことになっています。ましてや憲法を変えてしまうなんて大事件です。GHQ、アメリカも決して一枚岩ではあません。日本に派遣した連中が勝手なことをしている、と本国に知られたら罷免される可能性もあったようです。そこで、GHQの偉い人たちは、日本側に「憲法を変えたらどうかな?これなんか参考にしてみたらどう?」という感じで迫って、あくまでも日本人が自主的に憲法改正にしたと演出した上に、GHQからサジェスチョンがあった、ということは禁句にしたそうです。

だから、日本政府の人たちは国民にGHQが言うから憲法を改正します、とは言えなかった。でも、伝えたかった。それが、ヘンチョコリンな日本語の憲法前文の事情だそうです。

 

松川るい対小西ひろゆき論争

昨年11月9日の参議院 憲法審査会で自民党の松川るいさんと立憲民主党の小西ひろゆきさんの間で憲法前文に関して論争があり、Twitter上でも少し話題になりました。

松川さんの発言です。

主権国家として到底看過できない不適切な記述が前文にあります。平和を愛する諸国民の公正と正義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようと決意した。これは、他者に自国の生存を依存するという主権国家として恥ずべき規定、記述であり、削除、改定が何としても必要であると思います。

これに対して小西ひろゆきさんが次のように言いました。

申し訳ないですが、憲法のことを勉強してからですね、政府解釈、憲法審査会、お願いしたいということと、先ほど松川先生がおっしゃった、諸国民の公正と信義に信頼して、もうこのことについては何回も何回もこの場で議論をされています。諸国民であって、北朝鮮やロシアという国家権力を信頼しろとは言っていないんです、国民なんです。そして、この言葉の前には、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚し、そしてこの言葉の意味について、岸田総理がさきの通常国会において、このロシアの侵略に対して国内外の、全世界の国民がこの侵略を反対し、そしてウクライナ国民やあるいはロシア国民を含めてその命の尊厳を思う声を上げている、その全ての行為がこの憲法前文が示しているんだと言っていることなんです。

皆さん、自民党総裁の、総理の憲法前文の解釈を否定するんでしょうか。
 ですので、松川さん、松川さんは今の御意見を平成二十八年、平成三十年、二回にわたって言っています。そして、平成三十年には白眞勲先生、二十八年、私が今のことを説明しています。憲法の議論を求めるのであれば、真剣に憲法に向き合って、申し訳ありません、もう言わせてください、憲法をちゃんと勉強してから憲法審査会の開催を求めていただきたいと野党筆頭幹事として申し上げなければいけません。

読んでいて不愉快になる発言です。

松川さんは次のように反論しました。

私は、まず、憲法は国民のものと言っている中で、憲法前文を読んだときに素直な理解が必要だと思います。私が言っているのは、諸国じゃなくて諸国民だからいいということではございません。北朝鮮だったら駄目なんだけど、頼るのは駄目なんだけれども、北朝鮮人だったらいいという話では全くございませんで、自分の国は自分で守る、自分の国の生存を保持する、そのことを他者に依存する、その態度が良くないということを申し上げているわけであります
 また、その私の発言は何回かあったということを捉まえて、立憲民主党さんはいつも言論の自由について多く発言をされる政党であると思いますけれども、そのような態度自体も、私からするといかがなものかと思います。
 それぞれ、今日、皆様は御自身の意見を述べたはずであります。私は自分の見解について恥じるところは何らございませんし、何ら変更することはないということも申し上げたいと思います。
 

平和を愛する諸国民とは

上念司さんが憲法、特に9条の解釈で支持しているのが篠田英朗さんの説です。あまりに絶賛するので私は以前、篠田さんの書いた「憲法学の病」を読みました。私は大学生の頃、ゼミで国際法を勉強していたこともあり篠田説に深く感銘を受けました。

松川・小西論争で話題となった「平和を愛する諸国民」は、GHQの原文(草案)ではpeace-loving-peoplesと表現されています。そして、peace-loving-peoplesとは太平洋憲章で連合国を示す表現です。国連憲章ではpeace-loving-statesと表現され、それは国連加盟国のことを指しています。

つまり日本国憲法前文の「平和を愛する諸国民」とは国連加盟国のことです。

日本国憲法制定当時、日本はまだ国連に加盟していなかった。そこで憲法は、国連加盟国とともに、国際法を遵守して国際秩序を維持していく決意を示すために、あえて憲法典に国連加盟国への信頼、つまり国連憲章を遵守する宣言を、挿入したのだろう。

篠田英明「憲法学の病」より

というのが篠田説です。なるほど~、と私は膝を叩きました。

憲法前文なんかいらない

ところが、倉山満さんは、極端なはなし、憲法の前文なんていらない、と言います。

長沼判決で、日本国の公式見解として「日本国憲法前文は裁判とは関係ない」平易に言うならば「本気にしないで」ということになっています。
倉山満の憲法九条 政府も学者もぶった斬り!
ハート出版 平成27年9月28日発行 
 

つまり、憲法前文は、法的な拘束力とか効力はないのだそうです。だから、無くて良い、という発想になるのです。それが判決で出ているというのですから驚きです。なんだ~、それなら目くじら立てて前文のことで言い争う必要ないじゃん、と思います。読みにくい文章を一生懸命読んで勉強するのが馬鹿らしいなります。

日本国憲法三大原則

日本国憲法三大原則は「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」だと言われています。でも、なんの本だったか忘れましたし、メモを検索しても見つからなかったのですが、倉山満さんの本に書いてあったのだと思いますが、日本国憲法が出来た当初は、原則は3つとは確立していなかったそうです。11大原則とか色々あったそうです。

そして、三大原則といって大切なものなら前文に書いてあって然るべき、と思うのですが、なんと「国民主権」「平和主義」の記載はあっても「基本的人権の尊重」については前文に書かれていないのです。

 

「基本的人権の尊重」について書かれていない、というのは本当か?という視点で前文を読むと面白いかもしれません。良かったら読んでみてください。

日本国憲法前文

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

 

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