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「経済で読み解く日本史6 平成時代 上念司著」を読んでみた3

2022/8/25

2020年7月26日第1刷発行の飛鳥新社 「経済で読み解く日本史6 平成時代 上念司著」が面白かったのでご紹介しようと思います。

「経済で読み解く日本史6 平成時代 上念司著」を読んでみた2のつづきです。


第6巻平成時代の第2章のタイトルは「ターニングポイントとなった1993年」です。

第2章のはなしは1987年から始まりますが、タイトルにある「ターニングポイントとなった1993年」になにがあったのかをまずご紹介します

P.67 1993年3月に自民党副総裁だった金丸信氏が脱税容疑で逮捕されました。家宅捜索で大量の金の延べ棒(無刻印)が発見されたことを覚えている方も多いと思います。

P.68 1993年7月に行われた衆議院選挙の結果、なんと自民党は過半数割れとなってしまったのです。38年の長きにわたって続いた長期政権が初めて土を付けた瞬間でした。日本新党の細川護熙氏を首班とする細川連立内閣は、国民からある種の興奮をもって迎えられました。


なぜ、自民党が選挙に負けたのかと言うと、様々な経済スキャンダルが噴出したからだと、僕は理解しています。2章でそれが解説されていますが、詳細は原著に譲るとして、なぜそのようなことが起きたのか、上念司さんは次のように解説しています。


P.50 今でこそ暴対法も制定され、企業のコンプライアンスにもこれだけうるさい時代ですが、バブル崩壊期までは、未だ昭和の香りを引きずるコンプライアンス不在の時代でした。


銀行と反社とのつながりが表面化したり、経済政策が失敗して景気回復が遅れたことが国民の怒りに火をつけたのです。では、なぜそのようなことが起きたのでしょうか。非常に興味深い一文がありました。


P.60 1989年にベルリンの壁が崩壊し、ソ連の衛星国だった東欧諸国の共産党独裁政権は次々と民衆に倒されていきました。親玉のソ連も91年に崩壊しますが、その弱体化の過程において当時経済力2位の日本がアメリカの脅威として認識されるようなりました。(略)。日本の経済システムが閉鎖的、排他的であると言いがかりをつけ、通商面での圧力をかけてきたわけです。当然、日本政府は身構えます。日米構造協議から日米包括協議にいたる約7年間の長い戦いの幕開けでした。

P.63 「日本が経済大国になって、アメリカを追い抜きそうになってしまったから、アメリカが日本政府に圧力をかけてバブルを潰させた」という陰謀論です。(略)。この陰謀論は当たらずしも遠からずでした。


冷戦が終結して、敵がいなくなったので、次の仮想的として日本をターゲットにした、というのです。なぜ興味深いかと言うと、上念さんは陰謀論にはあまり言及しない人、という印象が僕にはあるからです。


バブルの頃は、金融商品(株)や土地の価格は高騰していたが、その他の物価は安定しており、日銀が金融引き締めを行う必要は無かったと、上念さんはこの本の中で書いています。
そのことについて、昨日の「高橋洋一チャンネル」で興味深い解説がありました。

「558回 消費者物価指数2%超えと騒ぐマスゴミはやっぱり小鳥脳」

「バブルの時の物価指数ってどの位?」という質問に対して、
高橋洋一さんは「2」と回答しています。

インフレ率2%って、超理想的な数字じゃないですか。

これでは金融引き締めする必要なんてなかったではないですか。
このまま放置したら日本が経済的に更に強くなっていくことを懸念してアメリカが陰謀を仕掛けた、というのであれば、なるほど、と理解出来ます。
そうでなければ、なぜ、日銀や財務省が日本経済を悪化させるようなことをあえてしているのか理由が見つからないのです。


第2章では次のような事件が紹介されています。

財テクブーム、リクルート事件、金融機関と総会屋、イトマン事件、証券スキャンダル、細川内閣が小選挙区比例代表並立制を成立、羽田内閣から社会党が離脱、自社さ連立の村山富市内閣、村山談話、阪神淡路大震災

そして、この章の締めくくりが次の一文です。

P.78 97年4月に消費税は3%から5%に増税されます。これが景気への冷や水となり、束の間の景気回復は脆くも2年で崩れ去りました。そして、最悪なことにこの時を境に、日本はデフレの罠に陥りました。(略)。これが最終的に約14万人の日本人を自死に至らしめた経済大量虐殺の始まりだったのです。


非常に衝撃的な一文です。でも、実際に経済的理由を苦にして自殺した人たちがいたのです。
経済政策って本当に重要だと思います。


つづく

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