2026/4/16

松山市議会議員選挙2026立候補予定者の田中エリナ(無所属・会派まつやまチェンジアクション)です。
4年間全質問に立ち、城山土砂災害の「不透明な検証プロセス」を暴きました。専門家1名・資料6枚で責任なしと断じる行政を許さない。現場の汗と実績で、命の重みに向き合う誠実な防災行政を貫きます。
以下は、田中エリナが2025年6月に行った、松山市で発生した城山土砂災害についての代表質問です。
1. 「結論ありき」の極めて限定的な調査体制を批判
比較による実態暴露: * 愛媛県(原因究明): 複数の専門家が半年(185日)かけ、582ページの報告書を作成。
松山市(責任判定): 専門家わずか1名に、1ヶ月足らず(計約7時間)ヒアリングしただけのA4用紙6枚の資料で「責任なし」と結論。
情報のブラックボックス化: この核心的なヒアリング内容が市のHPにすら公開されず、議員が情報公開請求をしなければ入手できなかった隠蔽体質を指弾。
2. 多角的な専門知見の欠如と「法学的視点」の不在
専門性の偏り: 土木工学の有識者1名のみの意見で判断を下しているが、本来は地質学、防災工学、森林学に加え、国家賠償法に関わる法学・行政学の専門家による検証が不可欠であると指摘。
国際基準の提言: 日本学術会議の提言やアメリカの調査手法(パーティ・システム)を引き合いに出し、多分野の専門家が独立性を持って調査に加わるのが「世界の常識」であり、市の対応は独善的であると断じた。
3. 被災者の無念と「命の重み」を軽視する姿勢を糾弾
責任転嫁の指摘: 市は「県の委員会が調査したから追加調査は不要」とするが、県側は「市の責任は調査対象外」と明言しており、市側の理屈は破綻している。
感情に訴える迫り: 「もし自分の家族が被害に遭い、この6ページの資料だけで納得できるか」と理事者に問いかけ、市民の命を預かる者の矜持として、独立した第三者委員会による再検証を強く求めた。
本市で発生した城山土砂災害について質問します。もうまもなく発災から1 年。
城山の崩落により尊い命を落とされた3 名の方の1 周忌でもあります。改めてここに心からの哀悼の意を表します。
また、この質問は発災当時から我が会派は繰り返し質問させていただき、臨時議会も併せて5 度目となります。
理事者の皆様におかれましては、行政を通じて市民の命を預かる者の矜持に照らして、一点の曇りもない事実に基づくご答弁をお願いします。
さて、本市が松山市自身に「管理瑕疵責任なし」と判断した際の、意思決定プロセスの妥当性について、強い疑念があり質問させていただきます。市の管理する施設、いわゆる営造物が原因で3名の方が亡くなった今回の事故は、国家賠償法にも関わる重大な事案です。
市は自らの管理瑕疵責任について「瑕疵なし」、すなわち「責任なし」と結論づけました。私は3月議会において、こうした判断は、市や県から独立した、複数人からなる第三者委員会によって調査されるべきではないかと質問しました。これに対して市は次のように答弁されました。
引用しますと、「専門家にご意見を伺ったところ、国・県・市と学識経験者からなる検討委員会が適切に調査や検討を行っており、これ以上の追加の調査や検討は難しいとのご意見をいただきました。また、道路の設計や施工、城山の管理に関しては、その分野の専門家にご意見を伺い、市として妥当性を確認するものとしたため、改めて、第三者委員会を設置し検討する必要性がないと判断しました。」との内容でした。分かりやすく言い換えますと、1点目は「県の技術検討委員会が調査したから、追加調査は不要」。2点目は「緊急車両用道路については専門家にヒアリングし、管理に瑕疵なしと判断した」。よって「第三者による再調査は必要ない」というのが、市の主張です。しかし、この説明には重大な問題があります。
まず、県の技術検討委員会を、市は「これ以上の調査や検討は難しい」とする根拠として挙げられていますが、そもそもこの委員会は「松山市の管理瑕疵の有無」を検証対象としておらず、県も記者会見等でその旨を明言しています。県はむしろ、松山市自身が独自に管理責任を調査すべきだと明確に要請しています。ですから、どのように切り取っても、市が管理責任を否定する根拠として県の技術検討委員会を引き合いに出すのは、そもそも成り立たないのです。だからこそ市も答弁の2点目のとおり、専門家にヒアリングした内容を管理瑕疵なしと判断した根拠としているのです。
そうなると、この専門家とのやり取りの内容が重要になってきますが、なんと驚くべきことに、このヒアリングの内容は市のホームページには一切公表されておらず、市民どころか、議員である私でさえ、情報公開請求をしなければ入手できない状態でした。世間の注目を集め、市の説明責任を果たす姿勢が強くが求められる事案において、なぜ情報がブラックボックスになっているのか、このプロセスに強い不信感を拭えません。
情報公開請求により入手した資料を確認したところ、実際に行われたヒアリングは、今年1月28日から2月20日にかけての全5回、すべて合わせても、合計6時間45分間のヒアリングであり、その内容はわずか6ページのA4用紙ににまとめられていました。しかも、対応した専門家は1名のみです。一方、県の技術検討委員会は、実に半年もの時間と複数の専門家が現地調査をもとに膨大な資料にまとめて、丁寧に検証結果を報告しています。実に185 日間、委員会の報告だけでも合計10 時間50 分を費やし、提出された資料はホームページで公開され、そこで確認できるだけでも24種582ページに及びます。
県の技術検討委員会は災害の発災メカニズムの解明、一点に絞り込んだ調査で、それでも、半年を要したのに、一方で、様々な観点から調査が必要な管理瑕疵責任の判断根拠の調査に1人の専門家にヒアリングで期間は1か月足らず。6ページの資料。調査期間は技術検討委員会の6分の1、報告資料の分量にいたっては約100分の1という規模です。このようなプロセスをもって「市に管理瑕疵なし」と判断したことに、市民の誰が納得できるのでしょうか。
市が今回ヒアリングした専門家は土木工学の有識者です。しかし、営造物の管理に瑕疵があったかどうか。その責任を判断するということは、当該施設の安全性について、あらゆる角度から徹底的に検証する必要があり、土木工学の領域だけでは事足りません。城山は単なる構造物ではありません。今回のような山そのもの、そして緊急車両用道路を含む付帯工作物の安全性を調査するには、地質学、防災工学、インフラ維持管理学、森林学、都市計画、さらには史跡保全の観点からの考古学的知見など、物理的・地理的な観点だけでも多様な専門性が求められます。加えて、行政の体制や管理手法の妥当性を問う行政学、国家賠償法との関連を評価する法学といった文系分野の知見も不可欠です。
検証に必要な知見を有する専門家を候補に上げれば枚挙に暇がありません。多分野の専門家の総力をもって検証されるべき内容であるにもかかわらず、本市は「土木」の視点だけに絞り込んだ挙句、それも専門家1名の意見だけで、「管理瑕疵なし」との結論を導きました。
なぜこのように偏った調査が行われたのか――その背景には、松山市に「営造物の管理をどう検証するか」「事故が起きたときにどう調査を進めるか」といった、明確なルールや方針がなかったことがあるのではないでしょうか。そこで私は、このような事案の際に「そもそもあるべき調査の姿」を考えるうえで、私はある提言をご紹介したいと思います。
それは、日本学術会議が平成17年に発表した「事故調査体制のあり方に関する提言」です。この提言は、交通事故に限らず広く事故調査体制のあるべき姿を提言しており、都市災害・自然災害も範疇に含めて提言しています。この中で、事故調査機関の在り方について以下のとおり述べられています。「調査機関自体に完全な専門性を持たせるのではなく、独立行政法人等を支援機関として活用しつつ、学協会、専門メーカー、運用機関等の専門家を公式な協力者(=パーティ)として調査に参加させるべきである」。
この、いわゆる「パーティ・システム」は、アメリカの国家運輸安全委員会でも採用されている国際的な事故調査手法であり、あらゆる知見を動員し、調査の透明性と精度を高めるための仕組みです。今回のような災害においても、本来であれば地質や土木に限らず、行政学、法学などの観点を持つ人材や民間の知見をも活かし、広い視点で調査すべきだったと考えられます。
それを裏付けるように、県の技術検討委員会も、防災、地盤、地質など、複数分野の専門家によって構成されており、県においても、国内の提言においても、国際的な視点においても、複数の視点での調査が「常識」であることは明らかです。
唯一、土木の専門家1名による意見のみで、「管理瑕疵なし」と結論づけていいと考えているのは松山市だけなのです。
さらに先の提言書には、「調査機関には広い判断力を持つ人材、さらにはリーガルマインドを持つ法律家も含まれることが望ましい」も記されています。この事故調査の提言の観点から、市の対応を訝しんでしまうのは、管理瑕疵責任を検討するのに国家賠償法という法的論点を含む以上、行政学や法律学の専門家が調査過程にいらっしゃらないことです。県の技術検討委員会は発災のメカニズムを調査することに目的が絞り込まれているため、法律の専門家が立ち入る余地は少ないと理解できますが、市が調査の対象とする管理瑕疵の有無の検証範囲には、明確に法の射程に入ります。
それにもかかわらず、法律や行政の観点からの検証が一切なされていない今回のプロセスは、管理瑕疵なしの「結論ありき」で、それを導くことのできる学術分野の専門家にのみヒアリングすることで、市に都合の良い結論を導き出したかったのではないか?と疑わざるを得ません。
市の管理下で命が失われた――この事実に、ここにいる私たち全員、真正面から向き合う責任があります。
それでもなお、不透明で限定的な調査で済ませるというのなら、それは責任放棄に他なりません。
人が亡くなっているのです。
理事者の皆様、どうか想像してみてください。もしも、ご自身の大切なご家族が、同じような土砂災害に巻き込まれたとしたら――今回のような調査体制によって導かれた結論に、本当に納得できるとおっしゃることができるでしょうか?突然、大量の土砂が家に押し寄せ、逃げる間もなく下敷きになる。被害に遭われた方々が、どれほど恐ろしかったでしょうか、苦しかったでしょうか。想像に難くありません。明日の予定も、未来の計画も、私たちと同じようにたくさんあったであろう、日常を生きていた松山市民の方々です。その命が奪われたという重さを思えば、今回、市が「管理に瑕疵なし」と判断したこの意思決定のプロセスは、到底、妥当であったとは言えないのではないでしょうか。
改めて、本市の判断プロセスに妥当性が欠けていると考える根拠を、整理して申し上げます。
わずか1名、一分野の専門家による意見聴取。6ページにまとめられた簡略な記録。1か月に満たない短期間での検証。第三者委員会無しの結論。法学的・行政学的観点の欠如。あらゆる分野の専門的知見の不在。そして、情報公開を経なければ確認できない不透明な調査過程。
改めて以上のような事柄を完備し、土砂災害の管理瑕疵責任の検証をやり直せば、よりよい営造物管理体制・事故調査体制のあり方が見えてくるはずです。そしてこのことは再発防止にも繋がる極めて公益性の高い取り組みです。しかし、現状本市の「管理瑕疵なし」という結論に至るプロセスには、その独立性や透明性、多角的視点を欠いている点、不備があると考えます。
そこでお尋ねします。
本市が「松山市に管理瑕疵責任なし」と判断した際の、意思決定プロセスを市は何を根拠に妥当だと考えられているのか、市の所見を伺います。市の見解をお聞かせください。
答弁予定
今回の災害の原因解明と再発防止のため、市は県の技術検討委員会に協力し、報告書をもとに専門家の意見を聞き、その結果、市は道路設計や管理に問題なく、意思決定プロセスも適切と判断。
#松山市議会議員選挙 #松山市議会議員選挙 #無所属
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