2026/9/10
先日、神戸事務所にて司法書士の福村雄一さんをお迎えし、大変有意義な政策面談を行いました。
福村さんとは以前から「身寄りのない高齢者支援」や社会保障現場の課題について継続して議論を重ねており、私自身も福村さんの現場起点でのご提言から大きな刺激を受けております。
福村様は、終活や身元保証、相続・任意後見といった「お金とACP(人生会議)」の分野における第一人者であり、編者を務められたご著書『終活クエスト』(MCS)でも広く知られています。同書は、誰もが直面する終活や遺言といったテーマにゲーム感覚で前向きに向き合い、自分らしいエンディングをデザインしていく画期的な一冊です。
今回の面談では、現在急速にニーズが高まっている「見身寄りのない高齢者への支援」と、厚生労働省のモデル事業の全国展開に向けた具体的なアプローチについて深掘りしました。
身寄りのない高齢者の身元保証や生活困窮者支援については、国が一方的に一律のルールを当てはめるだけでは現場の課題を解決できません。
今回の意見交換では、厚生労働省のモデル事業(身元控え・生活困窮者支援等に関する事業)において、兵庫県内では尼崎市、加古川市、宍粟市、丹波篠山市の4市が来年度の試行事業に手を挙げていることが共有されました。
特に尼崎市社会福祉協議会においては、複雑な地域課題や手間の多さに怯むことなく、「地域に求められているニーズがある以上、課題に直面しながらも1年間自ら走らせてみよう。その中で『本当現場で使いやすいルールやガイドライン』を自分たちから提示していこう」という非常に高い意識を持って取り組まれています。
国からの通達を待つ受動的な姿勢ではなく、現場の実証データをもとにパブリックコメントやガイドライン案として国へフィードバックしていくアプローチこそが、最も建設的で実効性のある制度改革につながると確信しています。
制度を机上の論理で終わらせないために、現場の運用面で特に重要となる2つのポイントについて議論を深めました。
訪問介護やデイサービス等の専門職が、利用者の受診付き添いや日常のちょっとした困りごと(身の回りのお手伝い)を担う際、介護保険制度上の厳しい時間制約や減算ルールが壁となるケースがあります。
これに対し、ケアプランに含まれない上乗せ的な関わりについての減算ルール緩和や、自治体独自の横出し・上乗せサービスを上手に組み合わせる仕組みを整えることで、社会保障費の膨張を抑えながら、介護事業者の処遇改善と利用者支援の充実を両立できる柔軟な制度設計を検討していきます。
福祉・介護の現場では、ヘルパー、ケアマネジャー、看護師、ソーシャルワーカーなど、職種ごとに記録フォーマットや専門用語が異なり、情報共有のロスが発生しています。また、日々の細かな異変(顔色や記憶の変化など)を文字にして共有する業務負担も課題です。
こうした課題に対しては、現場のICT化(音声自動入力)やAIによるテキスト解析・要約技術を導入することで、現場スタッフの入力負荷(シャドーワーク)を大幅に削減し、専門職同士のコミュニケーションを円滑化する環境整備が必要です。
政治の役割は、行政に「なんとかしてくれ」と丸投げすることではありません。現場で活動する皆様とともに「具体的な答え」を練り上げ、制度として実現させていくことにあります。
現場モデルの構築とガイドライン提案:尼崎市をはじめとする先進地域の試行事業から得られた知見を集約し、2年間で実効性のあるガイドラインとして形にしていきます。
衆議院調査室・法制局との連携:現場から吸い上げた課題と解決策を調査室や法制局へ提示し、法改正や通達の改定、骨太の方針への反映に向けた具体的な政策提言へ繋げてまいります。
「現場の困りごと」を「解決できる制度」へ。
福村様をはじめ現場で汗を流す専門家の皆様と力を合わせ、持続可能で誰もが安心できる社会保障制度の構築に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。
【関連書籍のご紹介】
『終活クエスト』(MCS・編者:福村雄一)
終活や相続、後見といった「縁起でもないけれど避けて通れないお金の話」を分かりやすく解き明かし、前向きに人生の後半戦を準備するための必読の書です。ぜひお手に取ってみてください。
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