2026/9/5
私、一谷勇一郎は、9月3日(12:30~13:30)、東徹衆議院議員とともに熊本県八代市の「鏡コミュニティーセンター避難所」を視察してまいりました。
発災から一定の期間が経過した今、避難所で生活されている被災者の皆様がどのような状況にあるのか、そして現場を支える支援スタッフの方々がどのような課題に直面されているのか、現地で直接お話を伺い、リアルな実態を把握してまいりました。
鏡コミュニティーセンターには、定員64名程度に対し、現在約84名の方が登録・利用されています。日中は仕事や自宅の片付け、行政手続きなどのために出かけられる方が多く、館内には20〜25名ほどが滞留されていました。
現地で特に印象的だったのは、避難者の健康状態やリスクに応じた非常にきめ細やかなスペース配分と配慮です。
リスクに応じた館内配置: 転倒リスクのある高齢者や要配慮者の方は、本部・受付近くの目が届きやすい場所に配置。自立度の高い方は奥側のエリアへ配置するなど、状態に応じた適切な配置がなされていました。
個別ニーズへの柔軟な対応: トイレやお風呂に最もアクセスしやすい場所にご夫婦の就寝スペースを確保するなど、一人ひとりの身体状況に合わせた柔軟な環境づくりが行われています。
また、小中学校の統合や避難所の集約が進む中で、仮設住宅への移行に向けた「出口調査(意向調査)」も開始されていました。
避難所における健康管理の現場では、避難者全員に対して一律に検診や血圧測定を行うのではなく、高血圧や慢性疾患などの既往症リスクがある方を個別に見極める取り組みが行われていました。
ここで大きな役割を果たしていたのが、「水色の連絡手帳」の存在です。
「水色の連絡手帳」の意味と重要性:
この手帳は、避難所で生活される一人ひとりの健康状態(日々の血圧の推移、時系列での体調の変化、既往症など)を記録し、被災者ご本人と医療・保健・福祉スタッフの間で情報を共有するための「お薬手帳・健康管理手帳」の代わりとして機能しています。避難所へ来られる際に普段のノートを持って来てもらい、これにデータを集約することで、混乱期における服薬中断者を早期に発見・ピックアップし、巡回医師や近隣病院へスムーズに繋ぐ架け橋となっています。
一方で、現場ならではの切実な課題も浮き彫りになりました。
発災初期、被災者の皆様からの要望を受けて医師や行政へ働きかけを行い、約2日後には「災害処方箋」がスムーズに発行されました。しかし、制度として処方箋が発行されても、実際の薬品が避難所にいる被災者の方々の手元に確実に届くまでにタイムラグが生じるという物流(ロジスティクス)上の壁が存在していました。制度を整えるだけでなく、現地へ「最後の1マイル」を遅滞なく届ける仕組みが不可欠であると痛感いたしました。
現場の運営やケアにおいては、専門チームの皆様が一体となって手厚いサポートを行っていました。
YMCA(熊本ワンチーム): 全国のネットワーク(横浜等)からの応援を交え、2週間単位などの交代制で避難所の運営管理をサポート。
DWAT(災害派遣福祉チーム): 社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、保育士などの専門職が介入し、医療措置から生活・福祉ニーズ(災害弱者支援)へのスムーズな移行を担当。
JAPAN HEART: 初期段階での衛生管理や創傷処置(感染予防)、健康相談を担い、医療と福祉の間を埋めるきめ細やかなケアを実施。
館内にはエアコンが適切に稼働し、段ボールベッドや個室テントが導入されているほか、障害者対応を含むトイレカー2台や簡易お風呂(大型テント型)、洗濯・ランドリー設備が設置され、温かい食事も提供されていました。しかし、ここで見過ごしてはならないのが「避難所ごとの設備・サポート格差」です。
本避難所のように設備や福祉専門チームが開設・集約されている拠点がある一方で、周辺の他の避難所では空調環境やプライバシー保護、入浴機会などにバラつきが存在しています。身を寄せた避難所の違いによって生活環境(QOL)に差が生じてしまっている実態は、今後の大きな課題です。
救急・医療対応のピークが過ぎた今、現場の支援員やスタッフの方々から最も強く上がっていたのは、「先の見えない生活再建に対する被災者の強い不安」でした。
「自宅の再建や片付けの手続きをどのように進めればいいのか」
「仮設住宅へ移行した後の生活費や経済的な負担が心配だ」
避難生活が長期化するにつれ、こうした不安の声はより深刻になっています。単なる「避難所内の生活維持」にとどまらず、避難所を出た後の住まいや生活基盤の再建に向けた包括的な相談・手続き支援体制へ速やかに移行していく必要があります。
また、長期間にわたり24時間体制で現地を支え続けている行政職員、福祉専門職、ボランティアの皆様の疲労蓄積も限界に近づいています。現場を支える方々が疲弊してしまわないよう、持続可能な交代体制(ケア・フォー・ケアラー)を維持することも切実な課題です。
私、一谷勇一郎は、今回現地で伺った被災者の皆様の声、そして現場を支えるスタッフの方々のリアルな実態をしっかりと胸に刻み、避難所の環境維持はもちろんのこと、被災者一人ひとりが安心して自立した生活を取り戻す「その後の生活再建」に至るまで、現場の真実に寄り添った取り組みを全力で推進してまいります。
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