2026/9/5
9月3日(木)13:00〜14:00、東徹衆議院議員とともに、熊本県八代港に停泊中の防衛省PFI船舶「はくおうⅡ」を訪れ、現場の視察を行いました。
今回の運用は、令和3年に成立(令和6年施行)した「災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律」に基づき、全国で初めて医療提供を目的として要請・出航した歴史的な第一歩となります。
私自身、これまで超党派の「災害時医療等船舶利活用推進議員連盟」で事務局次長としてこの法整備や体制づくりに関わってきたこともあり、阪神・淡路大震災での構想から31年を経て実現した現場を目の当たりにし、大変深い感慨を覚えました。
船内に一歩足を踏み入れると、そこには省庁や組織の枠組みを超えた、極めて円滑な連携体制が構築されていました。
内閣府、厚生労働省、防衛省、自衛隊、DMAT、JMAT(日赤・熊本県医師会)に加え、非常に印象的だったのがデジタル庁によるシステム構築と、民間会社(日本旅行等)による現場オペレーションです。
被災者の方が受け付けをする際、デジタル庁が構築したチェックインシステムを用いて、発熱だけでなく「足のむくみ(エコノミー症候群リスク)」までデータで的確にチェック。そして、その案内やアメニティの管理、日常のお世話といったきめ細やかな現場運営を、民間会社のスタッフの皆様が担っておられました。
特定のスタッフに過度な負担がかからないよう、「1週間ローテーション(交代制)」を徹底し、持続可能な支援体制を自律的に回している現場の工夫には、深く敬意を表するばかりです。
今回の視察を通じ、私自身が最も重要だと実感したのは、「現地の地域医療がどれだけ確保・維持されているかによって、医療船に積み込む医療モジュール(設備・機能)を柔軟に判断・選定すべきである」という点です。
もし被災地の医療機関が完全に壊滅している状態であれば、CTや手術室といった高度な医療設備を船内に持ち込む必要があります。
しかし、今回の熊本のように地元の医療機関が機能を残している場合、医療船側が過度に高度な治療まで抱え込んでしまうと、かえって地域の医療体制に負の影響を与えてしまう可能性があります。だからこそ今回は、温かいお風呂やプライバシーの保たれた客室で安らぎを提供しつつ、医療は「救護所レベル」に留め、重症化リスクのある方は即座に地元の医療機関へ搬送・紹介する。この「引き算の医療提供」という役割分担が、極めて効果的に機能していました。
今回の「はくおうⅡ」は既存の民間フェリーを活用した支援として大きな成果を上げていますが、同時にストレッチャー(担架)搬送時の動線など、フェリー構造ゆえの課題もいくつか見えてきました。
法律にも明記されている通り、今後は平時からの備えとして、国が主体となった「専用医療船(新造船)」の造船・保有に向けた議論を一層加速させる必要があります。
議連の立場としても、東徹衆議院議員とともに今回の現場で得た貴重な知見と「現場を回す官民連携ノウハウ」をしっかりと国会へ持ち帰り、今後の専用医療船の造船、そしていざという時に一人でも多くの命と健康を守れる柔軟な災害医療体制の整備に、全力を尽くしてまいります。
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ホーム>政党・政治家>一谷 勇一郎 (イチタニ ユウイチロウ)>【現地視察】令和8年熊本地震・初出航した「医療船(はくおうⅡ)」が示す、災害医療の新たなカタチ