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【草川たくや 亀山市】太陽光条例案を徹底分析!提言は「単独条例」にどこまで反映されたか

2026/4/22

こんにちは、亀山市議会議員の草川たくやです。

私が委員長を務めた産業建設委員会が、昨年9月に市へ提言を行い、12月議会で市長から前向きな答弁を引き出した、あの太陽光発電施設に関する独自条例

2026年4月17日、市の産業環境部 環境課 環境創造グループより、「(仮称)亀山市自然環境と太陽光発電施設との調和に関する条例(案)に対する意見募集の結果」が公表され、条例案の本文(全26条) も市の公式サイトで公開されています。

👉 (仮称)亀山市自然環境と太陽光発電施設との調和に関する条例制定に向けた取り組み|亀山市公式サイト

本日は、これまでの経緯のおさらいに加え、条例案の中身を、私たち産業建設委員会が提言した内容と徹底的に比較分析してご報告します。少し長くなりますが、亀山市の未来を左右する大切な条例ですので、ぜひ最後までお読みください。


📖 これまでの歩み──4つのステップで条例制定へ

今回の条例制定の動きは、地域住民の皆様の切実な声と、議会の粘り強い働きかけの積み重ねで、ここまで市政を動かしてきました。

■ ステップ1:産業建設委員会からの「提言書」提出(2025年9月30日)

令和7年度、産業建設委員会は「太陽光発電施設とまちづくり」をテーマに所管事務調査を実施。山梨県北杜市・長野県上田市への行政視察、地域住民の皆様との意見交換を経て、5つの柱からなる提言を市長へ提出しました。

👉 【草川たくや 亀山市】太陽光発電とまちづくり。暮らしと自然を守るため、今こそ実効性のある条例制定を(2025/9/30)

■ ステップ2:12月議会で市長から重要答弁(2025年12月10日)

12月議会の一般質問で、市長から「議会からの提言も踏まえ、市独自の考え方を盛り込んだ条例について、来年3月議会での提案に向け、現在、検討している」との答弁を引き出しました。

👉 【草川たくや 亀山市】隠れ太陽光パネル乱立に待った!住民の声を背に、来年3月の条例案提案へ市が動く!(2025/12/11)

■ ステップ3:3月議会から6月議会への変更──「単独条例」への格上げ(2026年2月2日)

2月2日に開催された産業建設委員会協議会で、条例案の提案時期が「3月議会」から「6月議会」へ変更されることが報告されました。

一見すると「先送り」に見えますが、これは前向きな方針転換によるものです。

項目 当初の方針 新しい方針
条例の形 既存の「亀山市環境保全条例」の一部を改正 太陽光発電に特化した新しい条例(単独条例)を一から制定
位置づけ パッチワーク的な対応 市の姿勢として明確・説明責任を果たしやすい
規制手法 「開発行為」として規制 独自の許可制として規制

市は、本市の豊かな自然環境や生活環境との調和を図るためには、単独条例として制定する方が、市の姿勢として明確で、市民の皆様への説明責任を果たしやすいと判断しました。より強力で分かりやすいルールを作るために時間が必要になった、ということです。

▶ 空白期間の対策も:50kW以上はすでに規制開始

「新条例ができるまでの間、無秩序な開発が進んでしまうのでは?」という懸念に対しては、出力50kW以上の施設について、2026年1月1日から「開発行為」の対象とする暫定措置がすでに動き始めています。2月時点で既に2件の届け出があり、市が審査を行っていると報告されました。駆け込み的な乱開発には、一定のブレーキが効いている状況です。

👉 【草川たくや 亀山市】太陽光規制条例(仮称)、3月提案から6月へ変更!その理由は「単独条例」への進化(2026/2/4)

そしていよいよ、条例案の本文(全26条)が市の公式サイトで公開されました。ここからが、本日の本題です。

■ ステップ4:パブコメ結果と条例案本文の公表(2026年4月17日)

  • 実施期間:令和8年3月2日(月)〜3月31日(火)
  • 提出者数:2名、意見件数:9件(うち1件が条例案に反映)
  • 今後:令和8年4月 環境審議会 → 5月 例規審査会 → 6月議会 議案提出6月末 施行予定

🔍 【本題】条例案を徹底分析:委員会の提言はどこまで反映されたか?

公開された条例案(全26条)を、委員会が提出した提言と一つひとつ照らし合わせました。結論から申し上げると、「単独条例」への格上げという大方針は、条例案の中身からも強く感じ取れる内容です。一方で、重要な論点で「努力義務にとどまる」「明記されていない」項目もあります。

📊 提言と条例案の対応状況(一覧)

委員会の提言 条例案の対応 評価
①非FIT含む全設備の規制対象化 10kW以上を「許可制」対象に(第10条、第2条) ◎大きく前進
②住民説明・合意形成の義務化 説明会・標識は義務化(第9、15条)/協定・覚書は努力義務(第9条3項) ○部分的に反映
③維持管理・撤去計画・費用担保 廃棄費用の積立て義務化(第14条)/撤去自体は努力義務(第4条2項) ○部分的に反映
④傾斜地・災害危険区域等の設置規制 10種類の禁止区域を指定(第7条) ◎大きく前進
⑤個人財産尊重と地域づくりの仕組み 目的・責務規定に反映(第1、4条) ○概念は反映
⑥農地保全・農業振興との調和 優良農地は禁止区域に指定(第7条4号) ○部分的に反映
⑦所管体制の見直し(推進と規制の分離) 条例本文には記載なし(引き続き環境課所管) △課題として残る

以下、それぞれの論点について詳しく見ていきます。


◎【大きく前進】① 10kW以上を「許可制」の対象に

条例案は、届出制ではなく「許可制」を採用しました(第10条)。これは、私たちが視察した山梨県北杜市と同じ「許可制」であり、無秩序な設置に対して行政が法的拘束力をもって歯止めをかけられる、非常に強い仕組みです。

「単独条例」への格上げが、この強い規制手法を可能にした、と評価できます。

また、対象範囲も出力10kW以上と、三重県が2026年4月のガイドライン改訂で引き下げた基準と歩調を合わせています。FIT認定の有無に関わらず適用されるため、これまで「制度の空白地帯」にあった非FIT施設や10〜50kWの小規模施設(市内で800件以上・全体の約98%)もしっかりと対象に含まれます。

さらに、「同一事業者が同時期・近接した場所に設置し、合計10kW以上となるもの」は規制対象に含む(第2条2号ア)とされており、規模を意図的に分割して規制を逃れる「分割案件」 への手当てもなされています。

👉 私たちが最も求めた「全設備の規制対象化」は、しっかりと条例案に盛り込まれました。


◎【大きく前進】④ 10種類の「禁止区域」を明記

第7条では、以下の10種類の禁止区域が指定され、原則として太陽光発電施設の設置を認めないと定められています。

  1. 砂防指定地
  2. 埋蔵文化財包蔵地
  3. 保安林
  4. 優良農地(農地法4条6項1号イ・ロ)
  5. 自然公園の特別地域
  6. 地すべり防止区域
  7. 河川区域等
  8. 急傾斜地崩壊危険区域
  9. 土砂災害特別警戒区域
  10. 鳥獣保護特別保護地区

住民説明会で地域の皆様から寄せられた「大雨の時、造成した斜面が崩れないか心配だ」という不安に、災害関連区域を禁止区域とすることでしっかり応える内容になっています。


○【部分的に反映】② 住民説明・合意形成──「協定・覚書」は努力義務にとどまる

住民説明については、以下のように段階的で詳細な規定が設けられました。

  • 第8条:事前協議の義務化
  • 第9条説明会の開催を義務化、質問・意見への書面回答を義務化
  • 第15条:標識掲示の義務化
  • 第20条:事業承継時の届出・公表の義務化

特に「近隣住民等」の範囲が明確に定義された点は画期的です。

施設の規模 近隣住民の範囲
50kW未満 境界線から100m圏内の居住者
50kW以上 境界線から300m圏内の居住者
環境影響評価法の第1種事業 境界線から1km圏内の居住者

これに加え、隣接地の所有者・使用者、地元自治会の代表も含まれます。これまで「工事直前に通知が来ただけ」という不満に、一定の歯止めをかける内容です。

⚠️ 注視すべき点:「協定・覚書」は努力義務

ただし、協定・覚書の締結については「努めなければならない」との努力義務にとどまっています(第9条3項)。

委員会の提言では、「覚書提出を条例で義務付ける」としていました。住民との合意形成を、より実効的なものにするには、運用段階での指導や規則での具体化が重要になります。この点は6月議会でしっかりと議論してまいります。


○【部分的に反映】③ 維持管理・撤去──「撤去」は努力義務

✅ 評価できる点

  • 第14条:廃棄等費用の積立てを義務化
  • 第23〜25条:勧告 → 命令 → 氏名公表の三段階の措置を規定

廃棄費用の積立て義務化は、「将来、管理されずに放置され、パネルがそのままゴミの山として残されるのではないか」という住民の不安に応える大きな一歩です。

⚠️ 注視すべき点:「撤去」自体は努力義務

第4条2項で「事業者は、太陽光発電施設を廃止したときは、速やかに解体、撤去、廃棄その他の必要な措置を行うよう努めるものとする」とされ、撤去自体は努力義務にとどまります。

また、委員会が提言した「行政代執行の規定」は条例案には明記されていません。悪質な事業者に対して、市が代わりに撤去を行い費用を請求する仕組みは、廃墟化を防ぐ上で非常に重要です。この点は、規則の整備や運用でどう担保されるのか、6月議会の審議で必ず確認いたします。


△【課題として残る】⑦ 所管体制の見直しが反映されていない

委員会の提言の3つ目の柱は、「推進」と「規制・抑制」を同一部署(環境課)が担う現状の改善でした。アクセルとブレーキを同じ部署が踏む体制では、行政内部でのチェック機能が働きにくいという構造的な課題を指摘したものです。

しかし、条例案の所管は引き続き産業環境部 環境課 環境創造グループとなっています。

組織体制の話は条例本文に書き込む性質のものではありませんが、条例の実効性を担保する運用上の課題として、引き続きチェックしてまいります。


⚠️ その他の注視ポイント

条例案を全体としてみると、以下の点も今後の議論のテーマになります。

  • 「抑制区域」の設定がない:禁止区域は明記されたものの、「条件付きで許可する抑制区域」の仕組みはありません。北杜市が改正条例で取り入れた考え方です。
  • 景観区域の明示がない:委員会提言の「重要景観エリア」に当たる具体的な指定は、条例本文には見当たりません。
  • 営農型ソーラーシェアリングに関する具体的規定は条例案にはなく、農業委員会との連携の仕組みも今後の運用に委ねられます。

🌳 なぜ亀山市に、この条例が必要なのか(再確認)

亀山市は、鈴鹿山脈南部の雄大な山地・森林を抱え、鈴鹿川水系の源流が育まれる、三重県内でも屈指の自然豊かなまちです。

市内の里山公園「みちくさ」(約3.5ha) は令和5年10月に国の「自然共生サイト」に認定され、300種類を超える生物が生息しています。市独自の「かめやま生物多様性共生区域認定制度」 も動き出しています。

一方で、令和6年に市内で確認された野立て太陽光発電施設140件のうち、行政のチェックを受けたのはわずか2〜5%。95〜98%が「規制の空白地帯」 で建設されてきました。今回の条例案は、この空白地帯をなくし、亀山の自然と暮らしを守るための、決定的な一歩です。


🗣️ 6月議会に向けて、議員として確認していくこと

今回の条例案は、「単独条例」への格上げという市の前向きな判断の結果、委員会提言の大枠をしっかりと受け止めた、評価できる内容に仕上がってきています。特に「許可制の採用」と「10種類の禁止区域の明記」は大きな前進です。

一方で、上記で申し上げたとおり、

  • ✅ 協定・覚書の実効性をどう担保するか(運用・規則)
  • ✅ 撤去義務と行政代執行の具体的な仕組み
  • 「抑制区域」 や景観区域の取扱い
  • ✅ 条例運用におけるチェック体制(所管分離)
  • ✅ 条例施行後の実効性検証の仕組み

といった重要論点は、6月議会の審議でしっかりと確認・議論してまいります。


📮 市民の皆様へのお願い

パブリックコメントへの参加者が2名にとどまったことを、私は「関心の低さ」ではなく、情報が十分に届いていない部分があったと受け止めています。こうしてブログなどで丁寧にお伝えしていくことが、議員としての私の大切な役割です。

  • お住まいの地域の近くで、気になる太陽光発電施設はありませんか?
  • 条例に追加してほしいルールや視点はありますか?
  • 「ここは絶対に守ってほしい」という場所はありますか?

ぜひ、皆様の率直なお声をお聞かせください。いただいた声は、6月議会での議論にしっかりと反映させてまいります。

太陽光発電そのものを否定するつもりは、私には毛頭ありません。しかし、その導入は地域社会との「調和」が大前提です。亀山の美しい自然と、市民の皆様の穏やかな暮らしを、未来の子どもたちへと引き継いでいくために──引き続き、条例制定の実現まで全力で走り抜く覚悟です。

それではまた。

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肩書 亀山市議会議員、元衆議院議員小池ゆりこ秘書
党派・会派 無所属
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