2026/5/29
平成29年3月定例会で、私は東温市議会議員として、
「東温市観光大使について」
「小規模イベントの開催について」
「東温市の産業創出の方向性について」
一般質問を行いました。
あれから約9年が経ちました。
当時、自分が何を問題提起していたのか。
その後、何が改善され、何が整ってきたのか。
そして、今後も残る課題は何なのか。
今回は、当時の議事録を読み返しながら、活動記録として振り返っておきたいと思います。

まず、東温市観光大使については、「委嘱して終わり」になっていないかという問題提起をしました。
観光大使は、肩書を渡すだけでは十分に力を発揮できません。
誰が観光大使なのか。
どこで、どのように活動しているのか。
東温市の何を、どんな言葉で伝えるのか。
そうした部分が見えにくいと、せっかくの制度も十分に活用されません。
当時は、観光大使のたすき、名刺、キャッチコピー、SNSでの情報共有、活動実績の見える化、観光大使サミットなどを提案しました。
要するに、観光大使を単なる名誉職ではなく、東温市を外へ伝えるための「動く仕組み」にしていく必要があるのではないか、という問題意識でした。
次に、小規模イベントについてです。
当時、東温市の若い世代や子育て世代から、 「週末は市外のショッピングモールへ行く」 「東温市には遊ぶ場所が少ない」 「買い物やアルバイトも市外に出ることが多い」 という声を聞いていました。
これは単なる遊び場の問題ではありません。
東温市内でお金を使う場所が少ない。
働く場所も限られている。
結果として、人もお金も市外へ流れている。
そう考えたとき、東温市内で小規模・中規模のイベントを増やすことは、地域経済にとって大切な意味があると考えました。
特に、行政がすべてを主催するのではなく、民間企業や専門団体が主催するイベントを誘致すること。
自転車、車、ドローン、ラジコン、料理大会、専門的な趣味のイベントなど、すでに参加者層が見えているイベントを呼び込むこと。
そうした積み重ねが、東温市を「行く目的のあるまち」にしていくのではないかと考えていました。
そして三つ目が、産業創出です。
移住・定住を進めるうえで、最も大切なのは、住んだ後にどう暮らしていけるかです。
住みたいと思っても、仕事がなければ暮らし続けることはできません。
働く場所がなければ、市外から人を呼び込むことも難しくなります。
当時の質問では、企業誘致だけでなく、地域内の中小零細企業をどう育てるか、移住者がどう働けるか、生活圏の中に仕事・育児・介護・買い物がどう整っていくか、という視点で問題提起をしました。
9年ほど経って振り返ると、当時問題提起していたことの一部は、確実に形になってきたように感じます。
まず、観光情報の発信については、東温市観光物産協会の「とうおん旅あそび」が、観光・物産・グルメ・宿泊・イベント情報をまとめるポータルサイトとして整備されています。
東温市の観光や特産品を外に伝える入口は、以前よりも分かりやすくなってきました。
また、さくらの湯観光物産センターでは、東温市内で生産・加工された農産物や加工品、SAKURA selectの商品、観光物産案内、イートインコーナーなどが整備されています。
観光、物産、食、地域産品をつなぐ拠点としての役割が見えてきています。
これは、当時考えていた、地域にある魅力を、消費や交流につなげるという方向に近いものです。
さらに、中小零細企業支援についても、東温市では賃上げ応援奨励金、中小企業振興資金融資制度、現状把握調査などの取り組みが続いています。
当時の答弁でも出ていた、地域の中小零細企業を大切に育てるという考え方は、継続されていると感じます。
参考:東温市 地域活力創出課
移住・定住についても、東温市移住・定住支援ポータルサイトが整備され、市役所には移住相談窓口があります。
観光、物産、事業者支援、移住相談。
それぞれの分野で、9年前よりも情報の入口や支援の形は整ってきたと言えます。
一方で、これからの課題もあります。
まず、観光大使については、紹介される存在から、実際に動くネットワークへさらに進めていく余地があると思います。
誰が観光大使で、どこで活動し、どんな形で東温市を発信しているのか。
市民にも、市外の人にも分かりやすく見える形があれば、観光大使制度はもっと活きるはずです。
次に、イベントについてです。
イベントは、開催して終わりではなく、その後に市内消費、再訪、商品購入、事業者同士の連携につながってこそ、地域経済に意味を持ちます。
来場者数だけでなく、どれだけ市内のお店に回遊したのか。
どれだけ地域産品が買われたのか。
どれだけ次の来訪につながったのか。
そうした視点も、これからますます大切になると思います。
そして、産業創出についてです。
支援制度があることは大切です。
しかし、制度があるだけでは、地域経済は強くなりません。
制度を使って、実際に売上が伸びる。
雇用が生まれる。
若い人が働きたいと思える仕事が増える。
移住した人が地域の中で役割を持てる。
そこまでつながって、初めて「産業創出」と言えるのだと思います。
平成29年3月定例会で投げかけた問いは、観光大使、イベント、産業創出という別々のテーマに見えます。
しかし、根っこは一つでした。
東温市に、人・お金・情報の流れをどうつくるか。
観光大使は、東温市を外へ伝える人の仕組み。
イベントは、市外から人を呼び、地域でお金を使ってもらう入口。
産業創出は、その流れを一過性で終わらせず、仕事と暮らしにつなげる土台。
そう考えると、当時の一般質問は、今の私自身の活動にもつながっています。
まちづくりに必要なのは、大きな言葉だけではありません。
人が動ける仕組み。
お金が地域で回る仕組み。
情報が届く仕組み。
そして、暮らしと仕事がつながる仕組み。
これらを一つひとつ整えていくことが、地域の未来につながるのだと思います。
9年前の問題提起を、今の視点で振り返る。
そして、整ってきたことを確認しながら、まだ残る課題を見つめる。
これからも、過去の活動を振り返りながら、地域の暮らしと未来を整える視点を大切にしていきます。
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