2026/8/21
新規就農者がベテラン並みに!高知「SAWACHI」で収量23%増の秘密【栃木県視察報告】
8月19日(水)私が所属する会派『夢と希望あふれる栃木を創る会』の3名は、会派県外調査として、高知県の施設園芸とIoP(Internet of Plants)プロジェクトを視察しました。
温暖化や災害リスクが高まる中、栃木県の農業振興にどう活かせるのか。その現場を見てきた(VRにて)報告です。
【高知県農業の特徴と施設園芸の強み】
高知県は県土の約84%を森林が占め、農地が限られています。その一方で、夏の多雨・高温と冬の温暖で日照に恵まれた気候を活かし、施設園芸が大いに発展してきました。ナス・ピーマン・キュウリ・ミョウガなどでは全国トップクラスの生産量を誇ります。
平成28年頃からオランダの技術を参考に、CO₂・温度・湿度・潅水を総合的に制御する環境制御技術を導入。これにより収量が10〜20%向上した事例が生まれています。しかし、農家の高齢化と後継者不足は深刻で、次の一手として平成30年から本格的に始まったのが「IoPプロジェクト」です。
スローガンは「もっと楽しく、もっと楽に、もっと儲かる」。
中心となるのが、クラウド型農業支援システム「SAWACHI(さわち)」です。
高知では大皿料理を「さわち料理」と呼ぶことから名付けられたそうで、親しみやすい名前が印象的でした。
SAWACHIは全国14社のセンサーデータを集約。スマホでハウスの環境をリアルタイムに確認できるほか、AI画像解析で花や実の数まで把握可能です。暗黙知をデータとして可視化し、新規就農者でもベテラン並みの収量を上げられる環境を整えています。
実績は明確です。
・2014年比で単収が23%増加
・新規就農者の約7割が利用
・7月末時点で出荷データ利用が870戸、環境データ連携が98戸
産学官が連携して推進しており、令和5年度からは全国展開、他産業への汎用化、カーボンニュートラル対応も強化されています。中山間地域では「冷出荷」や天敵利用、データ共有グループによる課題の可視化など、現場に根ざした取り組みも紹介されました。
【栃木県への示唆】
データ活用は、ベテランの経験を継承し、新規就農者の失敗を防ぐ強力なツールだと感じました。一方で、設備導入は基本的に自己負担であり、「2分の1補助」の詳細は今後確認が必要です。
栃木県には「農業防災ライン」がありますが、具体的な行動指針との連携や、標準管理指標の策定、継続的な情報交換が重要だと改めて認識しました。気候変動下で生産性を維持・向上させ、若い世代が安心して就農できる環境づくりに、高知の実践は大きなヒントを与えてくれます。
「もっと楽しく、もっと楽に、もっと儲かる」農業を、栃木でも実現していくために。今回の視察で得た学びを、今後の政策提案につなげていきます。
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