2026/9/9

制度の境目で医療費の負担が増えた方、返還方法に困った方、追加給付の内容が分からず戸惑う方。懇談会では、暮らしに直結する具体的な声が寄せられました。一つひとつの声を出発点に、分かりやすく、安心して相談できる福祉行政を求めます。
新宿区議会議員の川村のりあきです。
先日、新宿生活と健康を守る会の皆さまと、来年度予算に向けた懇談を行いました。物価高が続くなか、食費や光熱費を切り詰めながら暮らす方々の状況と、生活保護制度の運用をめぐる課題について、具体的なお話を伺いました。
生活保護は、憲法第25条に基づき、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度です。必要な方が尊厳を損なわれることなく利用でき、生活の変化があったときにも必要な支援が途切れないことが大切です。
この記事で取り上げるのは、日々対応にあたる福祉事務所の職員個人を責めるためではありません。職員が一人ひとりの事情に丁寧に向き合える体制と、利用する方に分かりやすい制度運用を、区の責任で整えることが必要です。
都営住宅への転居で家賃が下がり、収入が生活保護基準をわずかに上回ったため、保護が廃止となった高齢の方の事例が紹介されました。家賃負担は軽くなった一方、医療扶助がなくなり、通院や薬の自己負担が生じ、受診を控えざるを得ない状況になったとのことです。
収入が基準を少し上回っても、医療費を含めた実際の暮らしがかえって厳しくなることがあります。制度の境目にいる方の生活状況を丁寧に把握し、必要な医療につながり続けられる相談・支援を、国・都・区それぞれに求めていきます。
福祉事務所側の確認不足により保護費が多く支給され、後になって約7万円の返還を求められた高齢の方の事例も紹介されました。分割での返還となったものの、毎月、窓口へ現金を持参するよう案内されたとのことです。
返還が必要な場合でも、金額や方法は、本人の生活や健康状態を踏まえて相談できなければなりません。区には、経緯と根拠を丁寧に説明するとともに、移動が難しい方にも過度な負担とならない納付方法を検討するよう求めます。この事例は懇談で伺った内容であり、今後、区にも経緯と運用を確認します。
2013年から2015年にかけて行われた生活扶助基準の改定について、最高裁第三小法廷は2025年6月27日、デフレ調整に関する厚生労働大臣の判断過程・手続きに過誤や欠落があったとして、原告への保護変更決定を取り消しました。これを受け、国と自治体は対象となる方への追加給付を進めています。
懇談では、振り込まれた金額が想定より少ない、金額の根拠が分かりにくい、転居した方は当時保護を受けていた自治体への申出が必要で手続きに気づきにくい、といった声が寄せられました。給付額や算定根拠、申出方法を、対象となる方に届く言葉で説明することが欠かせません。
現在、生活保護を受給している世帯は、原則として申出不要です。ただし、2013年8月以降に別の自治体で保護を受給していた期間がある場合は、当時の自治体への申出が必要です。現在は受給していない方も、当時受給していた自治体への申出が必要です。受付期間は2026年8月1日から2027年7月31日までです。
保護決定通知書については、基本額と各種加算の内訳が分かりにくいという指摘がありました。自分の保護費がどのように決まったのかを本人が確認できることは、制度への信頼の土台です。他自治体の書式も参考に、より分かりやすい表示へ改善できないか検討を求めます。
また、単身の生活保護利用者が亡くなった後の家財処分や原状回復をめぐり、家主の負担が入居受け入れの壁になっているとの声もありました。区に制度の内容、対象要件、運用実績を確認し、家主や支援者にも分かりやすく周知することで、住まいを失う不安の軽減につなげます。
今回伺った事例には、個別記録や行政資料の確認が必要なものもあります。だからこそ、当事者の訴えを出発点に、区の運用と根拠を一つずつ確かめることが重要です。現場の職員が丁寧に対応できる体制の確保も含め、次の点を区政につなげます。
生活保護を必要とすることは、誰にでも起こり得ます。申請することは権利です。利用している方が責められたり、声を上げることをためらったりすることがあってはなりません。率直にお話しくださった皆さまに感謝し、その声を区政の改善につなげていきます。
暮らしのなかで「制度が分からない」「どこへ相談したらよいか分からない」ということがありましたら、川村のりあきへお寄せください。ご一緒に状況を整理し、必要な相談先や解決への道筋を考えます。
【生活保護費追加給付】通知書を保管し、審査請求の相談を
https://go2senkyo.com/seijika/15271/posts/1482412
【障害者福祉の現場から】施設はできた。でも「支える人」がいない
https://go2senkyo.com/seijika/15271/posts/1470241
2026年度 第21回新宿区政アンケート
皆さまの声が、区政を動かす一番の原動力です。
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川村のりあき(川村範昭)
日本共産党新宿区議会議員 6期24年
「区民のためなら、あきらめない」
厚生労働省「平成25年生活扶助基準改定に関する最高裁判決への対応」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68902.html
厚生労働省「最高裁判決を踏まえた保護費の追加給付に関するお知らせ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74654.html
厚生労働省「最高裁判決を踏まえた保護費の追加給付相談センター」
https://tsuikakyufu-sodancenter.mhlw.go.jp/
新宿区「平成25年生活扶助基準改定に係る最高裁判決を踏まえた追加給付」
https://www.city.shinjuku.lg.jp/fukushi/seikatsu01_000001_00050.html
新宿区議会福祉健康委員会(2026年2月17日)案件一覧
https://www.city.shinjuku.lg.jp/kusei/file08_01_0000620180312_00046.html
個別事例について:都営住宅への転居後の医療費負担、返還時の案内、決定通知書の書式、家財処分などの運用は、懇談会で伺った内容に基づきます。ご相談者や当事者が特定されないよう、氏名などの詳細は伏せています。今後、区の記録や制度運用を確認します。
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