2026/5/16
安定的な皇位継承の確保は、日本の国家的な最重要課題です。しかし、現在国会で議論されている「皇族数確保策」と「安定的な皇位継承の確保」は本来別個の問題です。立民時代に安定的な皇位継承に関する検討本部長を務めた私からすれば、真の安定的な皇位継承を確保するには、現行の皇室典範が抱える構造的欠陥である側室不在の一夫一婦制かつ少子化の時代における男系男子限定というミスマッチを是正し、女性天皇・女系天皇についての根本的議論が不可欠だと強く思います。政府有識者会議の報告書が示した2案は、この本質的課題を先送りしたまま目先の皇族数確保に終始するものであり、退位特例法の附帯決議が求めた「女性宮家の創設」など本来の課題には正面から答えていません。
◆昨年の「4者協議」と議論の到達点
2025年の通常国会終盤、額賀福志郎衆院議長・玄葉光一郎副議長・自民の麻生太郎最高顧問・立民の野田佳彦代表による「4者協議」が水面下で本格化しました。協議では①女性皇族
が婚姻後も皇族の身分を保持する案、②旧宮家男系男子の養子案の両案を併記して合意事項とする方向で詰めの作業が行われ、とりわけ佳子内親王殿下・愛子内親王殿下をはじめとする女性皇族が婚姻後に皇室を離脱せずに済む手立てを確保することが最優先課題として共有されました。しかし、配偶者・子への皇族身分付与をめぐり麻生氏と野田氏の折り合いがつかず、2025年6月の国会閉幕をもって正副4議長案の提示は断念。議論の到達点を「ピン留め」した中間報告を残し、秋以降の仕切り直しとなりました。
◆中道の見解内容とその限界
2026年の通常国会では森英介衆院議長の下で与野党協議が再開し、中道は「安定的な皇位継承に関する検討本部」(本部長:笠浩史氏)を設置して意見集約を進め、5月12日の執行役員会で党見解を決定しました。「優先的な方策」として女性皇族の婚姻後の身分保持を認めるべきとし、配偶者・子の身分については「当事者の意向などを勘案し適時適切に対応する」としました。旧宮家男系男子の養子案については、要件が慎重に
設定されることを条件に制度化も考えられるとし、昨年の4者協議で積み上げた「両案併記」の流れを受けた形での合意形成となりました。しかし、4者協議の最大の焦点であった配偶者・子への身分付与は事実上先送りのままであり、旧宮家養子縁組案の憲法上の疑義も未解決です。女性宮家の創設という本来の課題解決には依然として至っていません。
◆中道が果たすべき役割
中道は与野党間で重要な存在感を持つ政治勢力です。だからこそ、目先の国会合意を優先するあまり、真の「安定的な皇位継承」という本質的課題を棚上げする議論の流れに安易に乗るべきではありません。数の力で議論を丸め込むのではなく、国民統合の象徴としての天皇の地位の尊厳を守るため、女性天皇・女系天皇を含む根本的な皇位継承のあり方について正面から議論を主導していくことが求められます。今回の見解はあくまで当面の皇族数確保に向けた暫定的対応と位置づけ、本質的な制度改革への議論を継続していく姿勢を明確にすることが、中道の責務です。
~スタッフ日記「いざいざ熊野古道」
今年のゴールデンウィーク、私は大学時代の後輩とともに、熊野古道を歩く旅に出ました。
生駒の自宅を出発し、吉野、大峰、熊野、そして高野山へ。
9泊10日、持っていた休日をすべて投じた旅です。
実はこの旅、以前から「いつか行きたい」と話していたものでした。
ただ、そもそも本当に歩き切れるのか、自分たちでも分からないままの出発でした。2人とも、何日も山道を歩き続けるような経験はありません。
初日は法隆寺や橿原神宮に立ち寄りながら吉野を目指しましたが、距離感の見積もりが甘く、想像以上に前へ進めず、途中何度か電車でワープする場面もありました。
明日からは電車など通っていない山に突入します。初日からこの調子で、本当に大丈夫なのかと、不安になるような幕開けでした。
それでも、この旅には自分
なりの理由がありました。
奈良で活動するようになって数か月、歴史や文化を語るだけではなく、一度自分の足で奈良の南の果てまで歩き、この土地の空気を肌で感じてみたい。そんな思いがありました。
吉野で一泊した翌朝、金峯山寺で蔵王権現へ手を合わせ、奥千本へ。さらに進むと、「修行門」と掲げられた鳥居が現れます。その鳥居をくぐり、かつて女人結界が置かれていた石碑を過ぎると、いよいよ本格的な山道へと突入していきます。
ここから先は、熊野古道の中でも特に険しいとされる「大峯奥駈道」。
観光地としての吉野の空気はそこまでで、そこから先は、修験道の世界へ足を踏み入れていくような感覚でした。
紙幅の都合により、続きは次週へ。
(チャーリーブラウン)
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