2026/8/11
ストレッチとベンチプレスを終え、バズーカ岡田こと岡田隆先生のトレーニングは佳境に入る。
岡田先生は、私の身体を一目見て、複数の強化ポイントを挙げてくれた。その一つが肩の筋肉だ。
肩のトレーニングといえばサイドレイズ。私がいつものように10キロのダンベルを取ろうとすると、岡田先生から手渡されたのは8キロだった。
前回に続き、教えてくれたのは倉林怜央さん。彼の肩の筋肉は半端ない。
遠心力を使って肘を外側へ運び、肩の筋肉で動かす。大切なのは、肩をすくめず、腕の力で上げないことだ。フォームが大切だと分かっていても、どうしても重量を追いたくなる。
いざという時に、他人の荷物も背負える肩があれば心強い。
次の強化ポイントは、上腕二頭筋と三頭筋。岡田先生には、私の腕の太さが物足りないらしい。このあたりは登山と関係なさそうだが、それもよし。
ダンベルを下ろすときには身体に添わせ、持ち上げて最後に外側にひと捻りする。これなら二頭筋の収縮を実感できる。
続いて、ケーブルを押し下げる上腕三頭筋。疲れてくると肘が前後に動き、身体全体を使ってケーブルを押し下げようとしてしまう。肘を固定し、肘から先だけを動かす。理屈は簡単だが、実行するのは難しい。
最後の数センチ。最後のひと捻り。筋トレは、細部で効き方が段違いだ。
今回の最大の強化ポイントは腹筋だ。トレーニングをしたことのある人なら誰もが経験する種目だが、奥が深い。
これまでの私は、夜のニュースを見ながら腹筋運動をしていた。今回の指導を受けて、根本的に考え方を改めなければならないと思った。そんな甘いトレーニングではない。
教えていただいたのはクランチ。仰向けで膝を曲げ、肩甲骨を床から浮かせるように上体を丸める。腹筋上部を鍛える種目だ。

まず、両手を胸の前で十字に組み、限界まで繰り返す。
限界が来たら終わりではない。今度は腕を身体に沿わせ、手のひらを外側へ向ける。腕の位置を変えて負荷を軽くし、さらに限界まで追い込む。
これは、むちゃくちゃ効いた。我が人生初の「腹筋が割れる日」も近いかもしれない。
昨年から力を入れてきたラットプルダウンとバーベルローについても、フォームの改善に取り組んだ。
登山では脚ばかりに目が向きがちだが、背中の筋力も重要だ。長時間ザックを背負い続けるには、上半身を安定させる力がいる。岩場や鎖場で身体を引き寄せるときにも、背中の筋力は心強い。
ラットプルダウンは、頭上のバーを胸の方向へ引き下ろす運動だ。胸を張り、肩をすくめないようにして引く。今回教わったのは、身体を少し反らせながら引き、背中の上部から肩甲骨周辺までしっかり使うフォームだ。

一方、バーベルローは、前傾姿勢でバーを身体へ引きつける。ボートのオールを引くような動きだ。身体を反らさず、背中の下の方を意識してバーを腹部へ引きつける。
二種類の「引く」トレーニングを組み合わせることで、背中を広く鍛えることができる。
背中の筋肉がつけば、スーツ映えも期待できそうだ。
トレーニングの最後は、ブルガリアンスクワットだった。登山のためのトレーニングとしては最重要種目だ。
最初にこの種目で追い込むと、その後のトレーニングができなくなる。そう考えた岡田先生の、ありがたい(笑)配慮によって、締めの種目となった。たしかに、ブルガリアンスクワットで追い込む時は気合が欠かせない。

片足を後方のベンチに乗せ、前脚を中心に腰を落としていく。左右の脚を別々に鍛えるため、筋力だけでなく、身体を安定させる力も問われる。
今回の課題は、前脚の足裏全体に体重を均等に乗せることだった。足の指で地面をつかむ感覚を意識できるとなおよし。
私の場合、左脚のバランスに難がある。疲れてくると身体がぶれる。山で先に脚に来るのも必ず左からだ。
まずはフォームを確認し、いよいよ最後の追い込みに入った。
両手にそれぞれ16キロ、合計32キロのダンベルを持って繰り返す。この重量でトレーニングを重ねてきたつもりだったが、フォームの確認を繰り返した後だけに、きつい。
限界が来たら、前脚と同じ側のダンベルを床に置く。重量を半分に減らして、片手に16キロのダンベルを持ったまま続ける。
数回と書きたいところだが、実際にできたのは二回だった。久しぶりにオールアウトした。
北アルプスの急登で最後の一歩を踏み出す力は、こういうところでつくられるはずだ。
倉林怜央さんのTシャツには「ブルガる」と書かれていた。
今年、北アルプスを登りながら、「ブルガリアンスクワットが日本を救う」と実感した。少なくとも、50代の登山者の脚は確実に救ってくれる。
来年、最高の北アルプス登山をするために、この夏もブルガりたいと思う。
読者の皆さんも是非💪

岡田先生のアドバイスを実践したところ、一週間で体重が3キロ減った。
毎日の食事はきちんと取りながら、脂肪の多いもの、特に揚げ物を控え、スイーツを減らしただけでこの効果。
これまで、いかに食事をいい加減にしていたかを実感した。問題は、これを維持できるかどうか。
次回は、50代の筋トレと登山を支える「食事」について書いてみたい。
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ホーム>政党・政治家>細野 豪志 (ホソノ ゴウシ)>北アルプスを登り終え、次の一年へ――50代の登山筋トレ、腹筋が割れる日も近い?