2026/8/8
今年の北アルプス登山を終えた。
長い登りを一歩、一歩踏みしめて、天空の楽園・山小屋にたどり着く。翌朝は暗いうちに山頂を目指して出発し、緊張感のある岩場や鎖場を越えていく。山腹で見た日の出は、この世のものとは思えなかった。

ようやくたどり着いた北アルプスの山頂で飲んだコーヒーの味は、生涯忘れないだろう。
しかし、登山の本質は、登頂した後に待っている長い下りにあるのかもしれない。疲労が蓄積した身体で集中力を保ち、一歩ずつ下っていかなければならない。どこか人生にも通じる話だ。
そして、山を下りた直後から、次の山への準備が始まる。
先日、「バズーカ岡田」こと岡田隆先生から、久しぶりに筋力トレーニングの指導を受けた。今回が二回目だ。前回は、登山に必要な筋力をつけるための基礎を教えていただいた。
特にブルガリアンスクワットの効果は大きかった。北アルプスの急登でも、踏ん張る力が以前より強くなったことを実感した。
今回は、来年に向けて、もう一段上の身体をつくるためのトレーニングだ。自分の体力に余力があればもっと登山を楽しめるし、いざという時に仲間を助けることもできる。
トレーニングはストレッチから始まった。身体が硬い私にとって、ストレッチは筋トレ以上の苦手種目だ。
登山では、股関節や足首の動きが重要になる。段差の大きな登りや、不安定な岩場を歩くとき、身体が柔らかいに越したことはないし、怪我の予防にもつながる。
まずは上半身。胸周りと肩周りだ。ここまでは硬いなりに何とかなる。
次に下半身。見よう見まねでお尻のストレッチをやってみるが、なかなか岡田先生と同じ格好にはならない。股関節のストレッチに至っては、落第のレベルだ。この辺りから、苦手意識がよみがえってくる。

一番しっくりきたのは、懐かしのヤンキー座りだった。今は、トレーニング前のこのポーズが私の定番になっている。

足裏全体を地面につけ、できる限り深くしゃがむ。左右に身体を動かすと、股関節と足首を同時に伸ばすことができる。見た目は単純だが、身体の硬い人間には、これがなかなかつらい。
トレーニング前のストレッチとは別に、山で使える方法も教えてもらった。あぐらをかいた姿勢で足裏をひねるストレッチは実践的だ。
これは、山小屋で一日の登りを終えた後にちょうどいい。
これまで山小屋では、食事をして寝るだけになっていたが、これからは、その日のうちに疲れた身体を手入れすることを意識したい。
苦手克服への、ささやかな第一歩を踏み出すことができた。次回の山小屋では、必ずやってみようと思う。
慣れないストレッチでそこそこ体力を使った後の最初の筋トレ種目は、フリーウェイトのベンチプレスだ。先に断っておくと、胸を鍛えるベンチプレスは、登山に直接役立つ種目ではない。
重いザックを背負うには上半身の筋力も必要だが、胸板を厚くしたからといって、北アルプスを速く登れるわけではない。
それでも、筋トレにベンチプレスは外せない。ここは、まさに男のロマンだ。
背中のアーチ、呼吸、足裏の固定についても改めて教わった。背中に無理のないアーチをつくり、バーを押し上げるときに息を吐き、足裏全体を床につける。
足をベンチの上に乗せ、身体の軸がぶれないようにして上げる練習も行った。身体の中心を安定させなければ、バーが左右にぶれてしまう。足で踏ん張ることができないため、重量は落とす。

いかに自分の身体を制御するか。これは、登山にも共通する感覚だ。
岡田先生が私の身体をみて、強化ポイントに挙げた部分の一つが大胸筋上部だ。スミスマシンを使ったインクラインベンチプレスは、以前はトレーニングに取り入れていたが、この一年ほどご無沙汰だった。
最大の注意点は、肩をすくめないこと。疲れてくると、どうしても肩でバーを押してしまう。以前、ベンチプレスで肩を痛めたことがあるが、そのときも肩が上がっていたことが一因だったのかもしれない。
肩を下げ、胸筋でバーを上げる。自分が鍛えているつもりの筋肉と、実際に使っている筋肉は、必ずしも一致しない。岡田先生の指導を受けると、そのずれが一つずつ修正されていく。
このあたりから、岡田先生のトレーニングはハードなものとなっていく。最後のブルガリアンスクワットでは地獄が待っていた。
その具体的な内容は次回に譲ることにする。
みなさんは登山の前後に、どんなストレッチや身体のケアをしていますか。「これが効く」というものがあれば、ぜひ教えてください!
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