
Kids Voting Japanによる主権者教育の様子
(本記事は、「18歳選挙権時代を先駆ける若者たちの声」特集の第5弾として、Kids Voting Japan代表の寒川友貴さんに寄稿していただいたものです。)
いよいよ、参議院選挙の投票日が迫ってきました。誰に投票するか、どの政党に投票するか、はたまた選挙に行くべきか行かないべきかなど、様々な悩みを抱える時期ではないでしょうか。実は私も同じような悩みを持つ一人です。
私は、現在19歳の大学2年生です。18歳選挙権の恩恵を受ける世代であり、今回が初めての選挙です。しかし、昨年18歳選挙権が決まり、私の周りはパニックに陥っていました。「政治なんてわからない」、「投票ってどうやってやるの?」、「選挙に行ってもどうせ一緒」。このような声を数多く聞きました。当時、そこで感じたことは、18歳になり選挙権をもらってもいきなり政治に関心を持ったり、理解を深めたりすることは難しいのではないかということ。だから、選挙権を持つ前から、政治や選挙に触れる機会が非常に大切であると思いました。
このような想いから昨年10月に、Kids Voting Japanという団体を立ち上げました。「未来の有権者を育てる」を理念に、街頭での啓発活動や学校での出前授業や模擬選挙などの活動を、選挙権をまだ持たない高校生などを対象に実施しています。これまでに全国で、のべ2000人以上の未来の有権者に参加してもらいました。参院選前の今の時期は、高校に出向き、これから選挙に行く同世代の若者として、政治や選挙について共に考える出前授業に力を入れています。
活動を通して、18歳選挙権世代の学生や学校の実態が見えてきました。世間では若者は政治に無関心であると言われていますが、私は必ずしもそうではないと思います。
以前、選挙啓発の一環として、選挙権を持たない学生に街頭で模擬投票をしてもらったことがありました。声をかけ、趣旨を説明すると、「わからないから投票できない」と口にする人がとても多かったです。関心がないのではなく、多少の関心を持っていても、わからないがゆえに自然と投票所から足が遠のいてしまっているのではないでしょうか。選挙で扱われる、実際の政治について学校で学ぶ機会がなければ、わからないのも当然です。

実際の模擬投票の様子、本物の投票所のようにする
このことから、少しでもわかりやすく政治を伝えるために、Kids Voting Japanの出前授業では「リアリティ」にこだわっています。実際のニュースや政策など生の政治を扱い、模擬選挙では投票のイメージが湧きやすいように、選挙管理委員会から本物の投票箱や記載台を借りて行います。最近では、憲法改正をテーマに模擬選挙を実施しました。
しかし、なかなか学校側からの理解を得ることが難しいという課題もあります。18歳選挙権が実現し、主権者教育の必要性が求められている中でも、政治的中立を過度に意識するがあまりに、生の政治を学校教育に入れにくい現状があります。現場の先生とは授業実施が合意していたにもかかわらず、政治的中立を理由に管理職の独断で直前に断られるケースも多々ありました。
選挙権年齢の引き下げという制度の改革のみならず、学校教育における政治教育の中身の改革も並行して行わなければ、現状を変えることは難しいと現場を見る中で感じました。
私たち18歳選挙権世代は他の選挙権を持つどの世代よりもこれから長く日本で生きていくはずです。それは将来の日本を担い、背負っていくということです。未来を生きる者として、どのような日本を描きたいのかというビジョンを投票という手段を通して表明することは私たち若者世代の義務であり、大きな責任ではないでしょうか。
だから、私は投票に行きます。
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