
2月5日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、ジャーナリストの堀潤氏が台湾での取材をもとに巧妙化する「認知戦」の実態を解説。市民グループが実践するフェイクニュースの見極め方や、政府と市民の連携が生むジレンマなど、日本の未来にもつながる課題を深掘りします。
堀氏:民主主義がハッキングされていく、まさに「認知戦の現場」というものを(著書『災害とデマ』で)リポートしていまして、例えば台湾、ルーマニア。台湾の場合はやはり、中国共産党からの激しいプレッシャーの中で、軍事的圧力よりかは内側から体制側に転換していく、そのための認知戦がものすごく仕掛けられている。ホワイトハッカーと言われるような方々、市民グループが「Cofacts(コファクト)」っていうグループを作って、ひたすらフェイク画像、フェイク動画、フェイク情報をモニタリングしてるんですよ。

で、何かあったら登録者たちに「これはフェイクだ」っていうのをバーって流していくんですけど、その人たちに話を聞いた時に、僕が「どんなフェイクが流れてくるんですか?」って第一声、ファーストクエスチョンを聞いたら。「ちょっと待ってください。堀さん、フェイクは内容じゃないんです。リズムなんです」と。
MC鈴木:え、どういうことですか?
堀氏:「フェイクっていうのは内容から検証するのは非常に難しいし、時間がかかる。ただし、私たちはずっとSNS上の情報の量のモニタリングをしていて、何かがわっと振れた瞬間に『あ、仕掛けられている』というところでまず探知を掴むんだ」と。
堀氏:「で、そこから何が一番耳目を集めているのかを見て、そこから今度は検証に入る。だから常に常時モニタリングしていくことが、フェイクニュースを見破る非常に大事なポイントなんだ」と。なるほど、リズムだと。じゃあ次、「中身はどうなんですか?」と。
「これを見てくれ」って言われた動画が、まさに台湾総統選の直前だったんですけれども、なんかおばあちゃんがベッドの上で「みんな本当に気をつけて、暴漢に襲われて……みんなもちゃんと安全を確保してくださいね」みたいなことを言っている動画なんです。
MC鈴木:うん。ほうほうほう。
堀氏:「これが、政治的かつ認知戦の何なんですか?」って言ったら、「他にも見てください」と。今度はバリエーション違いでおじいさんが「なんかネット詐欺に遭ったんだ。みんな気をつけろ」とか「襲われた、被害に遭った、気をつけてくれ」っていう防犯メッセージの動画だったんですよ。え、これいいじゃんって思いますよね。そうしたら、「違うんです」と。「これをよく精査してみると作られたフェイクの動画で、これは『今の政権に政治を任せておくと治安が悪くなっていく』っていう体感治安の悪化をまさにすり込んでいく。
MC鈴木: 社会不安をある意味ちょっと煽るような動画ということですか。そこから行くんですか?
堀氏:ええ、「これなかなかわかんないですね」って言って。で、しかもアカウントは豹変するんだ、と。普段みんなのタイムラインに上がってくるように、アカウントを仕込んでおかなきゃいけないから。だから普段はポルノだったり、面白動画だったり、ちょっとしたホラーだったり、思わずみんなが「あ、おもしれえ」と思ってフォローしちゃう、よく見ちゃうものを、政治の季節の瞬間に、政治テーマにバッと置き換える。
MC鈴木:うわあ、すげえ……。

堀氏:「だからリズムなんだ」と。その局面局面で見るものじゃないんだ、ということを言っておられて。「Cofacts」すごいなと思いました。
で、彼らはストーリーもあって、台湾で「ひまわり学生運動」ってあったんですよね。かつて馬英九政権の時に、中国大陸側と「サービス貿易協定」を結んで、台湾国内の民間企業(中国資本が多い)が事業しやすくなるような緩和があったんですよ。それに対して若者たちが「これは私たちの民主主義の将来を脅かすことになる、反対だ」と言って台湾の立法院を占拠して、みんなひまわりを持つから「ひまわり運動」となって。それは結局、夢破れる形で最後は分散するんだけど、そこに参加していた世代の子たちが、今フェイクニュースを見破るための民主主義防衛の最前線で戦っているっていう。
MC鈴木:ちょっと鳥肌立ちますね。
堀氏:いや、泣けますよね。さらに言うと、SNSの中で起きていることを見破る意識っていうのは、僕らデジタルネイティブはだいぶ感度が上がってきたけど、おじいちゃんおばあちゃんとかはあっという間に陰謀論に染まったり、特定のイデオロギーに吸収されたりしやすい。それに対してどうしてるのって聞いたら、「ここからは地上戦です」って。
MC鈴木:え、地上戦なんですか?
堀氏:彼らは農村部のおじいちゃんおばあちゃんのところに行って、これぐらいの部屋に50人ぐらい集めて、「皆さん、今インターネットで起きていることはこういうことなんですよ。でね、スマートフォンの使い方はね……」って、ものすごい細かいワークショップをやっていく。これが第2ステージ。で、第3ステージはグローバル。なぜかと言うと、国内世論って外圧、「外からの目線」によって作られやすいから。
MC鈴木:ああ、日本においてもありますよね。
堀氏:ありますよね、アメリカやヨーロッパで話題になっていたら。原発事故の時もそうでしたよ、「NHKよりもドイツ公共放送がこう言ってるから」みたいなのがパワーを持ったりとか。だから認知戦を仕掛ける側は、外堀にかなりメッセージを発信していくから、海外の人たちが台湾をどう報道しているのかもチェックが必要で。今度は逆ですよね、海外向けに「あれは違う、フェイクだよ」っていうのを出していくグローバル発信が必要になってくる。かなりの戦略ですよね。

MC鈴木:すごいですね。それってでも、台湾の公共機関がやってるんではなくて、ある意味「有志」の方々がやってるんですか?
堀氏:さすが鈴木さん、そこ大事なところなんです。「Cofacts」のベースになっているのは「g0v(ガブゼロ)」っていうグループなんですよ。これなんで小文字かって言うと、大文字の「GOV」はガバメント(政府)じゃないですか。そうじゃない、「我々市民がやるんだ」という、政府機関とは別のもう一つの公共、市民が作るパブリックセクターみたいなことで。
MC鈴木:ほうほう。
堀氏:とはいえですよ。いざ何かアラートを出して人々に警鐘を鳴らす時には、政府もその情報が必要だし、彼らにとっても政府とのタッグが必要だから。当時、オードリー・タンさんとかが、彼らと常時接続をしていて情報共有すると。
その後にジレンマが起きていて、これはリアルタイムで起きていることなので今取材しているところなんですけど、やっぱり国家戦略としてやろうっていう旗色が強くなりすぎると、今度は市民の気持ちが離れていく。「それってお上が言ってることで、国の戦略じゃないか」と。で、それはそれでまた陰謀論に火がつきやすくて。「そんなファクトチェックとか言ってるけど、それは政府がいいように言ってるだけだ」と言われたら……ねえ。
MC鈴木: いやー……。難しいですね。
堀氏: だからこのバランスはね、日本でもこれから必ず大きなテーマになってくると思います。
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